ヨコヨコLab.企画 おしゃべり観賞
ヨコヨコLab.の研究テーマは「障害福祉の関係人口をひろげるには？」
今回は、障害のある人もない人も一緒に鑑賞して、
思いのまま感じた作品の印象をみんなでわいわい語り合い、
正解のない多様な価値観を発見しあおう。という企画をしてみました。
今回の参加メンバーは6～7名。
観賞したのは、滋賀県立美術館で開催されているBe Here Now展。
自己紹介の後、みんなで一緒に見て回ろうと思っていたのですが、
自由なメンバーは自由にそれぞれ
「これなに？」「これはどんな人が描いてるの？」と会場内を歩き回り。
そもそも、たくさんの大きな作品が並んでいるので、迷路のような会場。
すぐに、どこに誰がいるかわからなくなりました（笑）
途中、参加者のひとりが
「ワンピースみたいに見えてきた」と言ったことで、
椅子をもってきて、作品の近くで顔を出し、
「ワンピース来てる風」の写真を撮って遊び始めました。
ひとしきりおしゃべりしながら自由に観賞した後、
「自分がいちばん好きなのを決めて発表しよう！」
ということにしました。
タ・さんは、いちばんに「私これ！」と紹介してくださいました。
みんなで鑑賞しながら「ひまわりやと思ってた！」「トラ？！」「しっぽあるで」などなど…。タ・さんは「これを家に持って帰りたい！」ととても気に入られたようです。
「私、これなの。なんだかとってもいいじゃない？」と、マ・さん。
タ・さんの色鮮やかな作品とうってかわって、こちらはシックな感じ。
タ・さんと、マ・さんは２人で誘い合っておしゃべり鑑賞に参加してくださった「仲良し」なのですが、仲良しでも好きな作品は違うものですね。
ナ・さんは、このたくさんの紐のついた作品が好きになったそうです。
今まで美術鑑賞は「ちょっと敷居が高い…」とあまりしてこなかったというナ・さん。
この作品を紹介する時は、「この、背景に、少し色がついている、このコントラストがすごくいい！」ととても声を弾ませて紹介してくださいました。
「いろんな線が重なってて、書いた人がどんな気持ちで線を引いたのかなって思うと面白い」という、ウ・さん。
色の重なり具合や、線のカスレ具合など、描いている人を造像するとワクワクするみたいです。
カ・さんは、これが、いちごジャムをたっぷり塗ったトーストに見えるらしいです。
そう言われてみていると、確かにおいしそう…。
そして、この記事を書いているア・の好きな作品
いちばん好き、というか、いちばん気になる作品。
これを見た時「ざわざわする」と感じて、私は目をそらしました。
他の人は「1番好き」なのを「家にもって帰りたい」と言ったりしていたのですが、私はこれは持って帰りたくない。ざわざわするから。
「なんでざわざわするんだろう？」と考えました。
たぶん、向きが違うからです。
私は、ちゃんと、上が頭で足が下にして欲しいのです。
横になっていたり、逆さになっているので、ざわざわする。
まっすぐにしてほしい。
そう考えた時、私の中の「こうであるべき」という規範がしっかりあって、
「そうでないもの」に心がざわついて、ちゃんとしてくれないと落ち着かないと感じるのだと思いました。
自分の意外な「真面目な一面」に気が付いて少し驚きました。
差別や偏見も、「こうあるべき」から外れた時に、
「ざわざわする」から始まるような気がします。
そんなことを考えた「私が好きな作品」発表会でした。
その後は、それぞれ、ワークショップに参加。
輪っかを作ったり、板にスタンプして壁に張ったり、
ペットボトルのキャップでバッチを作ったりして楽しみました。
帰りには参加者みんな「楽しかったね～」と言いあうような、
とても楽しい時間を過ごすことができました。
これを書いているア・も実は美術館が苦手でした。
静かにおとなしく作品を見ないといけないという印象がありました。
でも、今回のように、
「私はこれが好き！」とおしゃべりしながら鑑賞するのは、いいなあ。
またやってみたいです。
いえ、また、やります。
Be Here Now展は、滋賀県立美術館で8月27日まで開催中です！
さて、次は、8月27日（日）音楽ワークショップです。
ぜひ、こちらもお越しください！
音楽ワークショップ 「音と出会う- Our Sounds Space-」
音楽工房toa-Toaは
「みなさまと音楽のあるいい時間を過ごす」という思いのもと、
音楽療法士らで日々活動しています
今回のワークショップでは集まった方たちと共に
音楽空間を作っていきます。
思いのまま聴いたり、演奏に参加したり、
それぞれのスタイルで音のある空間を一緒に楽しみませんか？
☆開催日・場所☆
日時：8月27日（日）①午前11時～11時20分 ②13時～13時20分
場所：びわこ文化公園催し広場
参加費：無料
申し込み不要です。当日、現地にお越しください。
※当日の天候が炎天下である可能性が高いです。ワークショップのスペースにはタープテントを設置しますが、熱中症予防対策をしっかり行った上でお越しください。
執筆・編集：坂本彩
企画：大津市障害者自立支援協議会
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