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『サイレンと犀』 岡野大嗣

留学生にすすめたい短歌シリーズ

6冊目は、岡野大嗣『サイレンと犀』(書肆侃侃房)

地獄ではフードコートの呼び出しのブザーがずっと鳴ってるらしい

岡野大嗣『サイレンと犀』

あれ、初めて「体験」したとき、ビビったのを憶えてる。
あれが鳴りっぱなしの地獄なんて、行きたくないね。


骨なしのチキンに骨が残っててそれを混入事象と呼ぶ日

白というよりもホワイト的な身のイカの握りが廻っています

トピックス欄に訃報が現れてきらきら点るNEW!のアイコン

批評的な鋭いツッコミ。


そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき

散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ

自分が好きなことは素直に好きでありたい。そう思わせてくれます。


脳みそがあってよかった電源がなくても好きな曲を鳴らせる

こんなのもあります。


道ばたで死を待ちながら本物の風に初めて会う扇風機

これはもはや短篇小説ですね。


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