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【映画】ドリーム[原題:hidden figures]

公民権運動真っ只中の1961年、黒人と白人との間に大きな隔たりがあった頃の話。

ぼくのポリシーとして、人の才能や個性、クリエイティブを脅かすものは排除したいといつも考えているんだけど、まさに「差別」はこの対象になるもの。原題のhidden figuresは、隠されたもの、つまり、埋もれた才能のことだとぼくは捉えた。

作中では、主人公の才能ある女性たちが、差別意識の強い環境や境遇に対して、権利を主張し、真っ向から立ち向かっていく様が描かれており、「前例」をつくるという表現が大変多く、刺激を受けた。また差別をされている側だけではなく、差別体質な組織のボスが、差別問題をトップダウンで変えていく様からもまた、前例をつくるという勇気を見た。

多様性を受け入れる、なんてのはいまや当たり前の価値観だけど、目の前のことを「普通に」見ていれば差別なんて起きないはずなんだよね。にも関わらず、当時は差別が法律で正当化されていたし、被差別対象には人権がないのが常識だった。

異質なものを差別する心は、今も往々にして残っているけど、この差別体質の原因は何かというと、目の前のことを「普通に」見るための教養、知識、情報が不足していることだと思うんだ。環境の力ってのもあるけど。

知らないもの、理解できないものって、なんか怖いじゃん?理解があれば、そんなことにはならないはずなんだけど、その対象への理解を深めようとせず虐げてしまう心こそが、人間の持つ弱さだと思うんです。

それから、「無知の知」とはよく言うけど、自分は何も知らないんだと気づくことさえ出来れば、相手への理解を惜しまないと思うんだよね。これに気付けるかどうかは、たくさんの情報に触れて、自分の立ち位置を知ることができるかどうかによるところ。

つまるところ、自分が無知であると気づけていない人は総じて、知識、教養、情報不足だと言え、多様性を受け入れられず、反発し、差別意識が芽生えてしまうのだと思います。

ぼくが映画を勧める理由はいくつかあるんですが、世界で起きている物事を知ることができるほか、宗教や過去の事件など、多くの情報を教養として身につけることができる。

また、黒人や同性愛者などマイノリティに対する差別問題に触れ、多様性について考える機会になるなど、多くの人にとって、既存の価値観を破壊し、広げ、教養が身につき、多様性を受け入れられる人になれるから、という理由です。

多様性を受け入れられるようになるとどうなるか。物事を偏見なく、起きた出来事を「普通に」見ることができます。認知の歪みってやつかもしれません。

これができない人がほんとに多いから、話がこじれて争いになるし、差別は起こるし、すぐ感情的になるし、簡単に騙し騙される、なんて話になってきます。情報弱者とはこのような人たちのことだと、ぼくは定義しています。

ぼくの周りにいる人たちが知識、教養を身につけ、情報弱者から抜け出し、個々人の才能や個性を発揮したクリエイティブな存在になること。これが達成できれば、ぼくの周りには会話ができる友人が増えるし、美しい世界を共用できるし、健全で楽しい人生にどんどんアップデートしていけると確信しているからです。

長くなりましたが、世間の「常識、正しさ」などに影響されることなく、自分の生き様そのものをコントロールし、より良い人生を自らの手で作り上げていく、そんな人たちに囲まれた人生を過ごすために、ぼくはこの映画の主人公たちのように、多くの前例を作っていくような、先陣を切って変化を起こしていくような、イノベーターとして邁進していきたいと改めて感じたので、その記録でした。

この映画、おすすめです。

キャスティングの話を補足しておくと、ララランドと競ってアカデミー賞を獲得したムーンライトや、グリーンブックで主演を果たしたマハーシャラ・アリが起用されているのが嬉しかった。彼の出世作だろうか。

音楽もかなりいけてて、サントラもあるからぜひ聴いて欲しい。ファレル・ウィリアムスの曲が多く、比較的陽気なR&B、と言ったところだろうか。最高です。


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多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。