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FPVド初心者の練習STEP1・2・3/世界初の人が乗れるレーシングドローン/Huawei P40 Pro/BETAFLIGHTのFilterセッティングで気持ち良い飛びに/コスパ良プロポ/横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.17

今週は沖縄にいます。

スクリーンショット 2020-09-02 21.15.28

早々に撮影を終えて予定では8月中に帰る予定だったのですが大型台風により飛行機が欠航となり延泊することになりました。某自治体とのカンファレンスがあったのですが、台風で凄まじい暴風雨であってもWEB会議でLTEさえ使えればどこにいようが参加できるというのは改めてすごいなと。当初はオフライン参加予定だったのですがそうだったら参加すること自体できなかったので。

同カンファレンスでは主に農業や林業におけるドローンの活用がテーマだったのでした。僕はいくつかのHD映像をZoom配信で流しながら登壇したのですが、Zoomで動画を流す時にポイントがいくつかあって一番重要なのは「ビデオの画面内での大きさを調整して解像度の低いデータを配信して遅延ない映像を届ける」ということです。FPV系やドローンの動きのある映像だと情報量が多すぎて太い回線を使ったとしても映像がスムーズに視聴できないことが多くあったためです。

画面共有時に「ビデオクリップに対して画面共有を最適化」にチェックを入れて、動画再生時にプレイヤー自体のサイズを小さくすればOKです。動画自体の解像度を下げるのも一つですがわざわざそれ用に作るのも面倒ですし、意外と知られていないみたいなので動画Zoom共有する場合は試してみてください。

それでは今週のメルマガです。

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                         2020/9/2
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横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.17


毎週水曜日発行
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今週の目次─────────────────────────────

1.今週のトピック
2.横田のドローンガジェットレビュー
3.世界のおすすめ動画解説
4.連載:ドローンのつくり方講座
5.Q&A(何でも質問回答)

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1.今週のトピック

日本中・世界中でドローンを持ってコンテンツ企画、イベント運営、撮影している著者が毎週違ったトピックで旬な話題を提供します。

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『お家でできるFPVド初心者向けの飛行レッスンとゴール設定』

何度かFPVフライトする上でのコツや練習方法を解説していますが、
超入門者向けにどのようなやり方でどのようなゴール設定で脱初心者できるか解説したいと思います。
オフラインレッスンである「横田塾」で指導しているときの要素も含んでいますので参考にしてみてください。

まず、脱初心者のために大きく3ステップをクリアしましょう。

STEP1:[Angleモード]30秒間行きたい方向に声を出しながら移動できる
STEP2:[Acroモード]どんな状況でも水平状態に自分で戻すことができる
STEP3:[Acroモード]高度3-5mで時計回りに1周回することができる

■STEP1
最初一番肝心なのは「FPV独特の前後左右移動方法」に慣れることです。
空撮機との一番の違いはFPV視点のみでドローンを操縦することであり、
基本的に「ホバリング」させて休憩する暇はありませんので、
前後左右に移動したい時に頭で考えなくとも操作出来る状況になる必要があります。
車の運転時に右に曲がる際に、「ハンドルを右に1.5回転しよう」とわざわざ考えないようにFPV操縦も10回ほど操縦しているとどこをどのくらい操作すればよいのか理解し始めます。

STEP1での設定は以下にしておきます。
・Angleモード(Betaflight表記)=LEVELモード(Liftoff表記)
・Angle Strength=40(アングルモードの強さ)
・Angle Limit=40(アングルモードの最大傾き角度)
・RATEはMax Degree/sが400前後
・FPVカメラ角度20度〜30度(FOVはお好み120前後がおすすめ)

シミュレータでも実機でもすべて変更可能です。
FPVカメラ角度はシミュレータ上ではキーボードの↑↓キーで変更できます。


★飛行のポイント1『スロットルは0.01mmずつ動かすべし!』

アングルモードのおかげで機体は水平状態に保たれるものの、
高度が安定せずに急上昇・急下降を繰り返します。
初心者の多くは細かいスロットル操作に慣れていないために
大きくスティックを動かしすぎてしまい回転数にムラが出てしまうのです。

そこでポイントは「スロットルのスティックは本当に少しずつ動かす」ことです。
僕は始動時に「0.01mmずつ上げ下げして!」と度々いいますが、このように本当に繊細に動かすだけで機体の高度は大きく変わります。小さく動かしていると機体の高度が安定するため視界も良好になります。

・高度が上がりすぎたら「0.01mmずつ下げる」
・高度が上がりすぎたら「0.01mmずつ上げる」

というのを意識するだけで高度が安定してきますので、
安定してきたら前後左右に移動を繰り返してみてください。
ロール・ピッチを使えば機体が傾きドローンの飛行位置が移動します。

★飛行ポイント2:『水平ターンはYawとRollの割合が重要』

前後に移動するときはピッチで直接的に反応するので良いのですが
左右に移動するときにロールのみを使うと機体が傾き移動するのみで進路は変わりません。
例えば、前方のやや右方向に進路を変えたいという場合はどうするか?
ここでヨー(Yaw)のスティックを使う必要がでてきます。

例えばカメラ角度が20度前後なら機体の傾きは水平状態に近いので

・「Yaw : Roll = 7 : 3」の割合でスティックを打

カメラ角度が40度ならば機体は前方に傾きやすいので

・「Yaw : Roll = 5 : 5」の割合でスティックを打

というように割合が変わっていきます。
最初はこの意識が少ないのでロールやヨー操作のみで曲がろうとして、
そのために視界が傾きすぎてパニックに陥ります。まずは自分の機体のカメラ角度によって、
どのくらいのヨーとロールの割合を打てば水平にターンすることができるかを確かめてみてください。

ポイント1・2をマスターすることで、Angleモードであれば高度をある程度揃えた上で前後左右に移動することができます。テストとして、30秒間、どちらに進むのかを自分で声を出しながらその後ドローンを操作してみてください。
※移動例:前に進む・右に90度ターン・前進して45度右前方に進路変更・後進して180度ターン

これができればAngleモードはとりあえず卒業で問題ないです。
Acroモードでどんどん練習していきましょう。

■STEP2
Angleモードを卒業したらいよいよAcroモードです。
Acroモードは水平状態をキープしてくれないので自分で水平に戻しまっすぐ飛行する必要があります。
そして、ここで一番重要なのは、「どんな状況でも水平状態に自分で戻すこと」です。

STEP2での設定は以下にしておきます。
・Acroモード(Betaflight/Liftoff表記)
・RATEはMax Degree/sが400前後
・FPVカメラ角度30度(FOVはお好み120前後がおすすめ)

どんな状況でも水平状態に自分で戻す、というのは、たとえば飛行中にスティックをガチャガチャいじって機体の傾きを自分の意図しない状態にしてみてください。その後すぐに水平状態に自分で戻すのです。
これは通常飛行しているときも同様です。

・機体が下方向に傾き過ぎ(地面が見えすぎる)ならピッチを下に引く
・機体が上方向に傾きすぎ(空が見えすぎる)ならピッチを上に引く
・機体が右に傾いているならロールを左に戻す(or ヨーを右に入れる)

といった具合です。

★飛行ポイント3:『いつでもすぐに水平前進状態に戻す』

少しの傾きにも注意を払って、いつでもすぐにちょっとずつ戻すというのを意識してください。AcroモードはAngleモードと違って水平状態を保たないので、クラッシュ時に当たりどころが悪くたった一回のクラッシュが機体をめちゃくちゃになるケースもありえます。

初心者はAcroモードに慣れていないのはもちろんですが、水平への戻し方がわからずテンパってしまいクラッシュするケースが多いため、まずはこの「水平に戻すことに慣れる」のが重要なのです。

■STEP3

Angleモードでスロットルの細かい動かし方と移動方法を体得し、
Acroモードで水平状態をキープすることができればほとんど初心者卒業です。
飲み込みの早い人ならこの時点でGoProを搭載して映像を記録することができるくらいです。
ただ、もう一つ抑えておきたいポイントがあります。
それが「高度を一定にオーバルを進む」ことです。

実機で屋外でやる場合は4本の5mフラッグを立てて、
そのすぐ上を飛行するだけのテストを行います。
もちろんシミュレータでも同様にできますのでチャレンジしてみてください。

このSTEP3はこれまでの飛行ポイントをすべて組合せて行うことで実現することができます。
最初は難しいコースもゲートもビルのダイブもやる必要は全くありません。
オーバルで時計回り・反時計回りをそれぞれ50周ずつ一定高度で回れれば
実機でも簡単に飛ばせることに気づくはずです。

シミュレータでも10時間あればここまで十分できるでしょう。
初心者の皆さんはぜひやってみてください。

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2.横田のドローンガジェットレビュー

毎月のように新しいドローンが中国を中心に世界で開発販売されています。
横田が実際に使っているものを中心にレビュー・解説していきます。

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『Huawei P40 Pro』
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