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会社は何のためにあるの?

会社の存在意義については、また別のnoteで書こうと思ってます。これは私が会社の存在意義について考え出すきっかけになった経緯です。

理念経営大学という企画

2012年。理念経営大学という講座の企画がありました。これは当時「理念」がある会社がうまくいくというか、理念が流行っていた頃です。そのちょっと前には「クレド」なんてものが流行っていましたし、まあこうしたブームは数年おきに起こるものです。

ちなみに、パワーコンテンツジャパン株式会社にも「クレド」とか「理念」とかありましたけど、社長の私すら覚えていないという有様で、まったく意味をなさないものは創った経緯があります。ただ、置いてあるだけだと、理念もクレドも本当に意味がないんですよね。社員もそれを使わないし、理念に共感もなにもない。

つくっては直し、直してはその内容を忘れ、社員はその存在を3日も経てば忘れる。こんな理念っていったい何の意味があるんだ?と考えていた頃です。そんな折、ひとつの企画が立ち上がりました。それが理念経営大学という講座です。

この講座は、H&HConsultingの清水ひろゆきさんとともに立ち上げた企画です。清水さんは米国ビジネスコンサルタントという、まあ他には誰も真似できない素晴らしいコンサルタントなのですが、しばらく懇意にしていただいていて、この企画を一緒に実現しよう、ということになりました。

岩田松雄氏、重永忠氏、山本敏行氏

清水さんの招いた講師がまたとんでもなくて、スターバックスジャパン元CEOの岩田松雄さん。生活の木CEOの重永忠さん、ChatWork創業者の山本敏行さんなど、そうそうたるメンバー。こうした方々から理念と経営について学ぶ。こういうとんでもない豪華な企画でした。

この講師陣から学んだことは、それこそ無数にあるのですが、私なりに強く印象に残ったのは次のとおり。

岩田松雄氏:
会社は、世の中を良くするためだけにある。
重永忠氏:
経営哲学の前に、人生哲学を決めなきゃならない。
山本敏行氏:
背水の陣で臨まなければ、成功なんてできない。

そもそも、会社ってなんのために立ち上げたのか、よく考えていなかったわけです、私。会社をリストラされ、とりあえず行政書士で起業。その後、コンサルティングビジネスと行政書士業を分けるため、有限会社パワーコンテンツジャパンを設立。創業理念もへったくれもない。ただ、食べるため。公益なんて微塵もない、そんな唯我独尊な起業でした。

その後、事業そのものはある程度の軌道に乗ったわけですが、ビジョンは?理念は?と聞かれると、持ち前の瞬間芸でそれなりのことを返せるのですが、芯に何かがあるわけではない。そういう心持ちの私に、岩田さんの「会社は世の中を良くするためだけにある」は響きました。

とてもシンプルで、良い。そうか、会社は世の中を良くするためだけにある。これなら道を外れることもない。単純にそう感じました。そして次が重永さん。

当時の話によれば、生活の木も最初は経営理念みたいな明確なものはなかった。で、社員が20-30名になる頃に、そろそろ理念みたいなものをつくらないと、となって。そのときに重永さんは、まずは社長の生き方を決める方が先だろう、と。つまり、社長の生き方が事業になったものが、経営理念である。そういうことです。

このとき思ったんです。あ、おれ自身の生き方が定まらないから、会社の理念がブレるんだ、と。そして最後。いまもだいぶ仲良くさせていただいている山本敏行さん。現在はChatWorkCEOを退任され、フリーで活動されています。

当時ChatWorkはシリコンバレーに進出を始めた頃で、ChatWork以外の事業を無償譲渡したことで話題でした。ChatWorkで世界を獲る。そのためには半端な覚悟じゃできない。そのためにChatWork1本に絞った。ほとんど年齢の変わらない山本さんの言葉からは、自分の覚悟のなさというか、そうした強い意思がないことに気づき、自分に足りていないものはこれだ、と感じざるを得ない結果となりました。

生き方を決める

ホラクラシー的、とうちの会社の組織論は名付けて(名前なのか?)いますが、最終的に何に近いかといえば、ホラクラシーというだけで、ホラクラシーを元に組織をつくったわけではありません。最終的にそうなった、というだけです。

この理念経営大学を企画し、もっとも成果を得られたのは主催の私だったんじゃないかと思います。すべてのことが大きな学びだったのですが、まずは生き方から決める。そこが大いなるスタートとなりました。

重永さんは、「人生哲学」という言葉を使ってらっしゃいましたが、ここだけは私のアレンジを加えました。まずは、人生のコンセプトを決める。人生哲学だと、ちょっと言葉が重い。そして、「哲学」ってコロコロ変えるもんでもない。

未完成のまま進む、ということはとても大事なことで、あらゆることは完成することがなく、常にスクラップ・アンド・ビルドなわけですが、人生哲学の変遷が凄まじいのもどうかということで、概念を少しだけポップにしました。それが、自分のコンセプト。

自分にとって譲れないキーワードは何か?しばらくの間ずっと考えました。そして、最終的に出た答えが「クリエイティブ」「積極性」「楽しく」という3つの言葉。ワードとしては非常に平凡かもしれませんが、私のコンセプトとして、この3つは絶対に譲れない。ここから始まりました。細かいことを言うと「創造的」ではダメで、「クリエイティブ」。「ポジティブ」でも「積極的」でもなく「積極性」。「楽しむ」ではなく「楽しく」という細かいこだわりがあるのですが、とにかく他人の評価はどうでも良くて、自分自身が納得していることが重要。

そして、会社の理念もできるだけシンプルにしよう、と考えました。理念もクレドも何か条もあるから覚えられないんだ、と。だからそのとき、会社の理念も「Make Happy Contents!」だけにして、とにかくうちの社員はこの一言さえ覚えてくれればOK!みたいなところから始まりました。

組織を良くするために理念は重要。でも、それ以上に社長の生き方が定まっていないと、良い会社もなにもない。そういうことなんです。

新・ホラクラシー組織解説講座

今後も私たちのホラクラシー的組織論の記事は執筆していきますが、その全容が待てないという人は、こちらの講座をご覧ください。パワーコンテンツジャパン株式会社の組織論のすべてが詰まってますので。



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