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成功循環モデルを取り入れる

ホラクラシー組織解説講座、だいぶ間が空きましたが続けていきます。冨樫 義博か。

成功循環モデルを取り入れる

これまでのあらすじ的なものは、前回までの記事を読んでいただくとして、きちんと会社を組織としてやっていこう。そんな決意を私はしていました。2011年くらいから2012年にかけて。ちょうど代々木にあったオフィスを四谷に移したときくらいです。社員も3名から5名に増え、よっしゃやってくでーと思っていたのですが、結局社員は次々に様々な理由で辞めることになり、一時期は私を含めて3名にまで人数が減少します。

社員が会社を去っていった理由は、会社が原因のものもありましたが、このときは不運というか、会社としてはどうしようもできない理由も多く、もやもやした日々が続いていたのを覚えています。そこから、社員が少しずつ増えて復活していくのですが、まず2013年に現在パワーコンテンツジャパン株式会社のデザイン部門のトップデザイナーである増井瞳が入社します。この頃から少しずつ組織の運営の方法が変わってきました。

考えたのは2つ。成功循環モデルを取り入れていくことと、採用のときに「働き方に関する同意」を取り始めたこと。そして、この増井の採用からパワーコンテンツジャパン株式会社の組織は大きく変わっていくのですが、そのあたりの話はまた今度に。まずは増井が入社したあと、成功循環モデルを取り入れていこう、と静かに闘志を燃やしていました。

成功循環モデルというのは、私がいまさら説明するまでもないですが、要は仲が良い組織であれば、なんとかなる、みたいなものです(雑すぎ)。ITmediaエグゼクティブにまとめがあったので、こちらをご覧ください。

簡単に言えば、結果から考えてもダメ。まずは社員同士の関係性をつくることが大事。そうすると思考が変わり、行動が変わる。で、結果が違ってくる。そういう感じです。

で、結論を言うと「組織にあった関係性づくり」が重要であるというのが私の結論です。ホラクラシー的には「一体化」なので、個々が目的に向かってそれぞれが動いていくわけですが、考える組織には関係性は必須相手のことがわからなければ、考えることなんかできないわけです

だから、ホラクラシー的組織は関係性が最初に取り組むべきこと。ほかの組織論でも何でもそうですが、基本的にこの関係性をつくることが、大前提になると私は考えています。多少指示命令系統がおかしくとも、評価制度にズレがあっても、人間関係さえある程度できていれば、いろいろ持ちこたえられる、と考えてもよいと思います。

ただ、あらゆることが人間関係さえよければなんとかなる…というわけではありません。昨年のエン・ジャパンが調査した退職理由によると、

いまは人間関係がすべて、というわけでもないようです。ここから仮説を立てると、いまは人間関係が良くても、給与が低い、仕事が面白くないということで退職してしまう可能性は十分にある、ということになります。成功循環モデル自体は私は大肯定。ただ、それに依存することなく、仕事は面白くするべきだし、給与は給与できちんと高めていくことが必要になります(給与との連動的な話はまたどこかで)。

で、成功循環モデルの取り入れ方なのですが、ここに注意が必要です。

成功する成功循環モデル、失敗する成功循環モデル

ピーター・クラインの「Good&New」で大失敗をした私は、この新しい組織づくりの取り組みのときに、気づいていました。「Good&New」も成功循環モデルの関係性づくりの一種だと思いますが、関係性づくりは組織に合った関係性づくりをしなければ、逆効果になります

例えば、「Good&New」的なものが好きな組織はそれでOK。パワーコンテンツジャパン株式会社は、こういうのに対して、当時はしらけるというか斜に構えてしまうタイプの社員が多かったわけです。だから、いかに良い方法でも、ただ単に外から制度や仕組みを持ってくるのは危険、ということになります。

では、どのようにしたかというと、当時のパワーコンテンツジャパン株式会社にベストな関係性づくりは「飲み会」でした。なんだ普通の結論じゃん、と思われると思いますが、当時はほぼ全員がお酒が好きというメンバーで、最初は飲み会なんてめんどくせえ…みたいな空気もあったのですが、飲み始めるとそれなりに楽しくなり、最後は満足。そんな感じになれたのです。

だから、魔法みたいな方法じゃなくていいんです。組織とそこに属する人たちに合った関係性づくりの手法を選べばいいだけ。スポーツでも良いし、登山でも良いし、ピクニックでもバーベキューでも何でもいいのですが、組織に合った成功循環モデルの促し方をすれば良いだけ。このとき、社長も我慢しちゃいけません。自分が好きなやり方でやる。でないと、自分だけが苦しい会社になります。

最初は月1回飲み会を無理矢理実施しました。反発もありましたけど、基本「酒飲み」メンバーなので、徐々に「今度はどこの店にする?」とかみたいな話になったりして、関係性は良い方向に循環していきました。そして、いまはこの定期的な飲み会はまったくありませんし、必要もありませんそれは、いまの社員は普段の仕事の中で、一定の成功循環モデルを取り入れられているからです。普段から雑談も私語も大いにしているし、会社としてはこれを許してまして、もう強制的に関係性をつくる必要もないわけです。

まとめると、まずは成功循環モデルを取り入れる。関係性を重視する。ただし、組織に合ったやり方で関係性をつくる必要がある。間違えると過去の私の会社のように、組織が崩壊します。まずはこの大前提を理解できると、良いのではないかと思います。

新・ホラクラシー組織解説講座

今後も私たちのホラクラシー的組織論の記事は執筆していきますが、その全容が待てないという人は、こちらの講座をご覧ください。パワーコンテンツジャパン株式会社の組織論のすべてが詰まってますので。


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