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「キャベツのはらわた」って? なにそれうまいの?


 部屋を整理していたら、こんなものが出てきました。

 この「キャベツのはらわた」は、今から30年以上前、私が会社員時代に書いたエッセイ集です。年齢は30代でした。 
 当時の私は、昼は私鉄職員として勤務し、夜や休日は音楽活動と物書きに励んでおりました。いずれは、どちらかの世界に進もうと考えていたのです。

 その後に約20年勤めた電鉄会社を退職し、音楽ではなく、物書きの道に進みました。その決めた理由のひとつになったのが、このエッセイ集です。横須賀という一地方都市の、さらに一区域だけだったのですが、とても好評だったのです(今思うと「付き合い」だったのでしょうが)。

 書き始めたのは平成に入って間もなく。パソコンはマニアたちのもので、一般にはまだ普及しておりません(たしかデスクトップが50万円から100万円くらいしました)。安いワードプロセッサで印字し、数話ごとにまとめ、ホチキスで冊子にし、封印のシールを貼り、手売りしておりました。最終的には自費出版にて一冊とし、どういう経緯か忘れましたが、書店でも販売しました。すべて完売し、現物はないものだと思っておりました。それがこうして出てくるとは、なんの因果でしょう。
 けれどこのnoteを立ち上げたのは、「ここまでの振り返り」がテーマでもあります。だから出てきたのかもしれません。

 ともあれ懐かしくて読み直し、空いた時間に赤鉛筆を入れました。職業作家の癖です。文字データを保存していたフォルダにも、あらたに修正版を足しました。
 といって、今さら書籍化するつもりはありません。なにせ商業デビュー前の素人の作品なのですから。内容も軽薄で文章も拙く、表現力も乏しく、まったく成っておりません。けれど古い読者から、「読んでみたい」との多数の声が届きました(私が寡作のせいもあるでしょうが)。
 でも、恥ずかしい。ならばnoteで販売しようかと思い立ちました。当時のように何話ずつかに分けて、定価も当時と同じ200円で。

 とはいっても、当時の「ママ」ではとても出せません。誤認や誤記、明らかに現在通用しない表現は訂正いたしました。noteだけの販売とはいえ、コンプラ厳しい令和の世の中に出すのですから、それらはいたしかたないことです。しかし、勢いまでは削いでいません。
 また改題したものもありますし、順序も少し変えています。
 それと校正や校閲をかけておりません。なので誤字脱字、誤認などが残っている可能性があります。チェックを重ねてアップしますが、それらがありましても、どうか広い心でお許しください。

 それとタイトルの「キャベツのはらわた」の意味ですが、特にありません。ある夜、夢の中に現れた謎の文字なのです。それで、いつか使おうと考えていた言葉です。

 ともあれ、明らかにここに私がおります。ヤンチャで向こう見ずで、イケイケドンドンの私が、1990年代を走りまわっています。
 私のコアな読者に、「ああ、やっぱり山田深夜だ」と楽しんでいただければ幸いです。
 準備ができ次第、順次アップしてゆきます。
 では。


アップ予定作品(アップは不定期)

キャベツのはらわた 1

はじめに~ハーモニカとたわし
エンペラーブルース
ウシビール
福島県須賀川市ホンキートンク1丁目
200円

キャベツのはらわた 2

お引越し
チョコボールとハイボール
200円

キャベツのはらわた 3

ネイバーズ
寿町の一万円
200円

キャベツのはらわた 4

ゴクラクフシュラフ
興津屋のクリスマス
200円

キャベツのはらわた 5

短編小説 はじまりへの旅
200円

キャベツのはらわた 6

ウインドウズ98
チュウゴの甲子園
200円

キャベツのはらわた 7

正しいブルースマンになるための入門講座
次は晴れるさ
200円

キャベツのはらわた 8 終

お引越し その後
ネイバーズ その二
ネイバーズ その三
200円


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