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2021年12月の記事一覧
神影鎧装レツオウガ 第百七十話
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「で、だ。ここでエンドマーク、ってワケじゃないんだろ? あんまりめでたい状況でもないし」
腕組みするファントム3――|冥・ローウェルのツッコミが、停滞しかけた空気を打ち砕いた。
「も、モチロン! アタリマエじゃあないですか!」
巌から勢いよく三歩くらい飛び離れた後、ヘルガは大きく息を吸う。大きく吐く。
それで、平常心は概ね戻っていた。
「……ふう。
神影鎧装レツオウガ 第百六十九話
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「……」
「……」
|辰巳は、何も言わない。
風葉も、何も言わない。
久し振り過ぎて。感慨が、深過ぎて。
何を言えばいいのか。見当が、つかないのだ。
それから、しばらくして。
「……あー。えーと。なんだ」
意を決して、と言うよりも。沈黙に耐え切れなくなった感じのファントム4が、おずおずと口を開いた。
「髪」
「えっ?」
「いや。前と違うんだな
神影鎧装レツオウガ 第百六十八話
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立ち込める爆煙。跳ね回る轟音。
室内を蹂躙する光と熱と衝撃は、程なく晴れていく。
後に残ったのは、完膚なきまでに爆散した霊力タンクの金属片。多少揺らいだ程度で、大した損傷も無く部屋を守り続けている霊力装甲。
以上である。
物言わぬ|風葉達が転がる、という光景はない。
誘爆し拠点ごと吹き飛ぶ、という光景もない。
あるのはせいぜい、霊力光の粒子
神影鎧装レツオウガ 第百六十七話
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Chapter16 収束side-B 02
「なっ、なんだ今度は!?」「こんな所に空洞が!?」「おーい! 何があったんだー!」
上の穴から恐る恐る覗いてくる職員達の声。それらを無視し、アリーナはリストデバイスを操作。いつのまにか着信していた通信が繋がる。
「壁際に居ろっていうのは、こう言う事だったんですね……」
「正解。と言う訳でアルトナルソン君、彼女
神影鎧装レツオウガ 第百六十六話
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Chapter16 収束side-B 01◆ ◆ ◆
「……うん、そう。そんな感じだった」
|風葉は、机を小突いた。それから改めて、周囲を見回した。
ファントム・ユニット秘密拠点、その地下。大鎧装が数機入れそうな程の空間には、巨大な円筒形装置を中央に据える巨大な機械群。
それは五辻巌が酒月利英と共に造り上げた特注の生命維持装置であり、彼の婚約者が