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思い出の中華料理店へ

出張でホテル宿泊

 先日、出張で藤沢のホテルに泊まった。仕事も一段落つき、夕飯には少し早い時間帯だったが食事をとることに決めた。さて、何を食べよう。考えているうちにふと過去の記憶がよみがえった。そうか、ここは藤沢だ。茅ヶ崎が近い。以前紹介した技術職の仕事ではない別の会社で働いていたときによく通った中華料理の店がある、そこで今日の食事をしよう。

中華料理店へ

 電車に乗り茅ヶ崎駅まで移動。いつも通っていた中華料理店は茅ヶ崎駅ビル内にある。当時と少し店名が変わっていたが、間違いないこの店だ。夕方と昨今の情勢の相まってか、先客は4名と少数だった。当時仕事の後に利用していた時間帯は、たしか20時~21時ぐらいで毎回混んでいた記憶がある。
店の入口で待っていると店員さんは店の中のお客さんの対応していて私に気づくのに少々時間が必要だった。お客さんの対応が終わり店員さんに案内され席に着き、「本日、ジンビームハイボール半額です」と案内された。ハイボールか。当時、よく頼んだっけ。しかし今は酒全般をやめているので酒類は頼まなかった。メニューを見ながら注文する料理を選んでいると白衣を着た男性のコックが厨房から出てきてテーブルを見渡し、また厨房に入っていった。男性コックが厨房に入ってから数分後、注文する料理が決まった。「海老焼きそばセット」にした。麺はやわらかい麺か、かた焼きそばか選べたのでかた焼きそばにした。注文して約5分後、海老焼きそば(かたやき)とスープが運ばれてきた。店員さんから「スープは熱いですのでお気をつけください」とお気遣いの言葉。続いてサラダと餃子2個が運ばれてくる。

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このかた焼きそば、実は当時通っていたときによく頼んだ1品。他にも炒飯や担々麺等主要なメニューはひと通り食したが、中でも今回は思い出のあるかた焼きそばにした。
中華料理というと脂っこいイメージがあるがこの店の料理はどれもあっさりしていて食べやすい。逆に濃い味付けやこってりが好きな人には合わないかもしれない。私は薄味であっさりしているほうが好みなのでここの店の味は好き。まず、サラダを食べた。酢が効いたドレッシングでさわやかな味だった。次にかた焼きそばを食べる。あんかけの野菜のしゃきしゃき感と麺のポリポリ感、エビのプリプリ感、そしてキクラゲのこりこり感が相まっておいしい。味付けもしつこくなくあっさりで食べやすい。途中、餃子とスープを交互に食べた。こちらもあっさりしていて本当に食べやすい。

1杯のハイボール

 私は外食では特に料理をきれいに残さず食べるよう心がけている。幼少の頃そのように教育されたからなのかは定かではないが、私は料理を作っていただいた方への感謝の気持ちを込めてきれいに残さず食べるようにしている。以前通っているときに、ここの店でも毎回、注文した料理をきれいに残さず食べていたらあるとき食事が終った時に店員さんが私のテーブルに来て笑顔で「いつもきれいに食べていただいてありがとうございます」と言われたことがあった。私は「料理がおいしいので、きれいに食べてしまいます。いつもおいしい料理をありがとうございます」と言った記憶がある。たしかに料理の味が自分好みだったことはあるが、このようなやりとりがあったため、足繁く通うようになった経緯がある。そして、茅ヶ崎の会社を退職する日の食事もここにした。退職日に頼んだ料理が今回食べた海老焼きそばセット。当時は酒を飲んでいたのでハイボールをお供に頼んだ。この時も食事の後、店員さんに「今日もきれいに食べていただいてありがとうございます」とお礼を言われた。そして少しの雑談をして私から「実は今日でここ(茅ヶ崎)での仕事が最終日なんです。もう来れなくなってしまうので最後に顔を出しました」と言うと、店員さんはびっくりして「えぇ?そうなんですか。残念です」と言い食べ終わった食器を片付けてくれた。会計する準備をしているとさっきの店員さんが私のテーブルにグラスを持ってきた。聞くと「これ(ハイボール)店長からです。」どうやら店員さんが店長に私がもう来なくなることを報告してくれたらしい。ちなみに店長と私は面識もないし話したことも一度もなかった。もしかしたら料理がおいしいと言っていることや料理をきれいに残さず食べる客がいることを店長は報告を受けて知っていたのかもしれない。申し訳なくなりご挨拶したかったのだが白衣を着た男性コックは厨房の奥で忙しそうにしていたのでお礼は言えずじまいだった。会計の際に店員さんに「店長に(ハイボール)ありがとうございましたと伝えてください」と伝言を頼んだ。そして店員さんに「いつもありがとうございました。また近場に来たときに寄らせてもらいます」と言って店を後にした。

ただの偶然だったのか

 それから数年後、私は出張で茅ヶ崎から電車で数駅の藤沢のホテルに泊まった。「また近場に来たときに寄らせてもらいます」その近場に来たときが今回だった。今回、ふと過去の記憶がよみがえり茅ヶ崎で食事をとることにしたのは偶然ではなく必然だったのかもしれない。
 そして不思議に思うことがある。それは席に案内されて当時の店員さんではない別の店員さんから「本日、ジンビームハイボール半額です」と案内されたこと。メニューを見ているときに白衣の男性コックが出てきてテーブルを見渡していたこと。これらは単なる偶然なのだろうか。店で出している数ある酒の中で当時よく頼んでいたハイボールがたまたま行った日にピンポイントで半額。テーブルを見渡していた白衣を着た男性コックは当時、ハイボールをサービスしてくれた店長だったのではないだろうか?

~店長へ~
ハイボールありがとうございました。料理はどれもとてもおいしかったです。店長のご恩や店員さんのおかけで今回また、お店に伺い食事をとることにしました。本当にありがとうございます。

~当記事を読まれた方々へ~
貴重な時間をいただき、最後までお読みくださりありがとうございました。

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