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保育園の個人面談で言われたことから、子育てについて考えた。

少し前に保育園で
長男の個人面談があった。

私が面談に行きたかったのだけれど、
次男が体調を崩していたので
旦那に面談に行ってもらった。

帰ってきた旦那は少し顔を曇らせている。

「どうだった?なんて言われた?」

「うーん…」

先生からの話で、
長男が集団の中でどういう子なのかが
何となく分かって、
家と違う面もいくつかあったので
ちょっと驚いた。

で、色んな息子についての話題の中で
何が旦那の顔を曇らせていたのかというと、
長男がめちゃくちゃマイペースボーイだということが判明したのだ。

例えば、
朝の会を始めるよってタイミングで

「のどかわいたー!水のんできまーす!」

と立ち上がるらしい。
しかも、結構な頻度で。

来年小学生になるのだから、
そろそろ周りのペースに合わせられると良いですね、みたいな話をされたらしい。

長男の数あるマイペースエピソードから
こちらに伝わるように抜粋してくれたエピソード達は、
先生の思惑通り
我々親の胸にグサグサと刺さる。

結局面談での話を受けて
長男は、クラスの中で
キングオブマイペースなんだということが分かった。

私は小学校で働いているから
朝の会を始めるタイミングで
トイレに立ったり、
水飲みに行ったりすることが
小学校という社会の中でどんな感じのことか
大体察しがつく。
いや、全然ダメってことでは無いんだけど
毎回毎回そんなだと、
結構色んな人に迷惑をかけることになる。
なんせ、集団だから。
毎回長男のトイレ、水飲み待ちになると、全体が遅れるだけでなく、また長男のせいで始められないよ…みたいな空気になる可能性だってある。
過密スケジュールで働く人気芸能人とかだったら話は別なんだけど、時間の有り余ってる長男が毎回自分のトイレ、水飲みで全体を待たせるとなると
もうちょっと頑張れよ、ということになる。

家で過ごしている時もマイペースだなぁとは思っていたけれど、そこまで伸び伸びとマイペースを発揮してるとは。

色々思いを巡らせた結果、
私は隣にいる旦那をジロリと睨む。

「パパのせいだから…」

「はぁ?!」

「長男がマイペースボーイなの、パパのせいだから!」

なんでオレ?!
みたいな顔をしてる旦那。

いや、アンタだよ。
キングオブマイペース野郎は。
マイペース世界大会とかあったら
JAPAN代表で出れるわ。

家を出るタイミングで、絶対トイレにいく旦那。

電子レンジ使うタイミングで筋トレ動画見出して、動画が止まると私のせいだと逆ギレしてくる旦那。

ご飯出来たタイミングで、プロテイン飲む旦那。

子どもがお昼寝から目覚めたタイミングで、自分のことをやり出す旦那。

朝家を出るタイミングで「オレのマスク知らない?」って言ってくる旦那。

今じゃないだろってタイミングで、絶対掃除機かける旦那。

アンタのペースで物事を進めるな!
どんだけマイペースだよ!
一人暮らしじゃないんだから自分だけのペースでやるな!


ギャンギャン騒ぐ私に向かって

「これがオレのペィス!!!」

尻を振る旦那。

叩く私。


コイツのせいで長男のマイペースさなんて
全然霞んでいた。

素直な長男は、親の背中を、いや、尻をみて育っている。
旦那がふざけてる姿やJAPAN代表としてマイペースに誇りをもって生きてる様を
どんどん吸収して成長していくのだろう。

いや、もうヤベーじゃん。

ここにきて、不安しかない。

旦那みたいになったらどうしよう。

そんで結婚でもしたら、その奥さん、間違いなく私みたいに恐妻家ロードまっしぐらじゃん。

個人面談の先生の話から、
小学校どうこうじゃなくて
もはや長男のこれからを思い、
1人憂いてしまう。

ちゃんと生きていって欲しい。

出来れば人様に迷惑かけずに。

そんな風に思った私は
その後しばらく、
家で長男に対して

「ほら、時間守って!」とか
「だったら、さっきのタイミングでやれたでしょ?」とか
「なんで気付けないの?」とか

今までよりも
厳しくしてしまうことがあった。

でも、何かそういう風にしながら
少しモヤモヤしてる自分もいた。

いやいや、そもそも私の思うちゃんと生きるって何?
私だって色んなこと全然出来てないのに、個人面談で言われたからっていきなり息子に厳しくしてるとか、変じゃないか?

そんなモヤモヤが心に積み重なる。


面談の前も後も、
長男は何も変わってない。

先生からの話を受けた私が
「これはヤバい!」
「このままじゃ小学校で叱られちゃうかも!」と
勝手に焦って
勝手に厳しくなった。

それってなんか変だな、と思った。

もちろん、息子が周りを見て動けるようになるのは大事なんだけど、
この長男への厳しさって、私にとっての外からの見られ方ばかり気にした焦った厳しさかもと思ったら、
突然厳しくしてる自分に、違和感をおぼえた。


子育てって本当に選択肢が多くて、
親って本当に色んな場面で悩む。

これでよかったのか、
あれでよかったのか、
もしかして私がこんな風にしてたから、
旦那があんな風にしてたから…

色んなことをアレコレ思い返して、
自分の選択は正しかったのかと、
何度も自問自答する。

〝親なんだから〟
〝これが子どものため〟

そう思いこみすぎて、
なんだか空回ってしまう時がある。

それだけ、
親って子どものことで
一生懸命だし、いっぱいになれてしまう。

だけど実は、
自分の選択が全て息子の人格や未来に繋がるなんていうのは多分思い上がりで、
それ以上に息子がもってうまれたものや、
色んな出会いや経験は
間違いなく息子を形作っている。

それに、私が育てたいのは
〝誰から見ても良い子〟なのではなくて、
〝息子〟というかけがえのない人間だよな、と気付いた。

何がどんな風に芽を出すか分からない。

結局親は枯れないように
水や肥料をあげることしか出来ない。

色んな環境や出会い、経験の中で
息子達がもってる色んな形の種の
どれがどんな芽を出して、
どんな花をつけるかなんて
今は誰にも分からない。

きっといつか咲くその花を、
地味だなと思う人も、
綺麗だなと思う人もいるんだろうから、
それが成功したとか
失敗したとか
良いとか
悪いとか
誰にも分からないし、判断出来ない。

だから、
きっと子育てには
失敗も成功もないんだろうなぁと
なんとなく思った。

結局私に出来ることは
今までと変わらずに
息子達に対する愛情を
私の限りに注げば良いんだ。
私なりに。

もちろん、周りからのアドバイスや指摘は大切なので、先生に言われたことを無視するわけじゃない。
息子が周りに合わせる大切さと必要さに気付けると良いなと思うし、家庭でも伝えていきたい。
でも、ただ厳しくするんじゃなくて、伝え方はもう少し考えて。

そんな風に思ったら、
少し心がスッキリした。


長男が小学校1年生になるまで、
あと8ヶ月くらい。

どんな小学生になるのかな。
どんな中学生になるのかな。
どんな高校生になるのかな。

ちょっと楽しみ。

変わらずにマイペースにやってるかもしれない。
でも、それでもいい。
だって、マイペースJAPAN代表のパパも
なんだかんだ毎日楽しそうだし、
私も恐妻家ロードまっしぐらに
なんだかんだ毎日楽しく過ごしてる。

それでいつか
息子達が色んなことに悩みながら
一生懸命自分なりの花を咲かせたら
それが私にとって
世界で一番綺麗で特別な花になるんだと思う。

親ってそういうものだから。

そんな未来が
ちょっと楽しみ。

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