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Climate 投資×政策 (CIP) 勉強会をしました。(2023年1月から3月)

一橋大学経済学部の横尾英史です。
2023年1月から3月にかけて、ベンチャーキャピタリストの方や商社、信託銀行や起業志望者の方々とオンラインで勉強会をしていました。
そのお題としては、気候変動問題に「投資(Investment)」と「政策(Policy)」で取り組む、そのための情報共有や意見交換という内容でした。
Climate Investment and Policy 略して、CIPとこの勉強会のことを呼んでいました。
そして、情報共有から始まり、「日本から出てくる2050年時価総額1兆円のClimate Tech企業はどんな企業か?」などのお題で、濃密な議論をしていました。
勉強会が終わって8か月も経った今さらなのですが、そのオンライン勉強会の記録をここで記しておきます。


CIP勉強会の概要・経緯

2023年1月18日にキックオフの初回を実施し、3月8日まで、およそ隔週で全5回をオンラインで実施しました。
私と東京大学FoundXのディレクター・馬田隆明さんで主催しました。
元々、馬田さんがオンラインで行っていたClimate Tech ゼミの一期生を中心に参加を募り、後は口コミや招待で参加者が増えました。
毎回、約30名の方が参加してくれました。

第1回:Climate Tech領域から出てくる「2050年1兆円企業」とは?

第1回は、初回ということもあり40名以上の方が参加してくれました。
この日は、「Climate Tech領域から出てくる2050年時点の時価総額1兆円企業を予想してください」、というお題を投げかけ、参加者がブレイクアウト・ルームに分かれて思い思いに仮説を提示し、議論しました。
その際に使用したスライドがこちらです:

第2回:「日本から」出てくるとするとどの分野か?

続く第2回では、前回にみなで想像した「2050年1兆円ClimateTech企業」が「日本から」出てくるとしたら、どの分野でしょうか?
というお題を投げかけて、再びみなで議論しました。

その際には、Climate Techの分野について分類を試み、市場規模の将来予測の情報などを共有しました。

また、議論を踏まえて、勉強会後にはアンケートを実施しました。
そこでは、

Q1. 日本のClimate Techスタートアップを想像してください。
次のClimate Tech分野のうち、「2050年時価総額1兆円企業」が
「最も出てきそうな分野」と「最も出てこなそうな分野」
を1つずつ選んでください。

といった質問をしました。
第2回のスライドはこちら:

なお、このCIP第2回での議論も踏まえて、その後にClimate Tech領域の分類を私なりに試みて、こちらの記事を作成しました。

第3回:アンケート結果共有

第3回では、第2回の後に実施したアンケートの結果共有から始めました。
28人の回答の結果、「2050年1兆円ClimateTechスタートアップ」が日本から出る可能性が高いと考えられる分野として「素材生産」「蓄電・エネ貯蔵」「発電」「省エネ・エネ調整」「食料・飲料」などが挙がりました。

また、参加者の想像する「2050年1兆円ClimateTechスタートアップ」の具体的なイメージについての回答を共有しました。
この日のスライドはこちら:

また、この日の最後には、2023年4月以降にやりたい勉強会やイベントについてのブレインストーミングをしました。

第4回:4月以降の勉強会・イベント企画についての議論

続く第4回では、4月以降にこのメンバーでまた何か新しいことをしよう!勉強会やイベントをしよう!というアイデアを出し合い、議論しました。

その結果、2023年4月から海外のClimate Tech スタートアップの事例勉強会をしようというアイデアが出ました。

また、各国のClimate Tech政策についても情報共有しました。

最終回:どうすれば日本拠点のClimate Tech起業家を増やせるか?

そして、最終回となった第5回では
「どうすれば日本拠点の Climate Tech起業家を生み出せるか?」
「どうすれば日本拠点の多国籍チームを育てられるか?」
を議論し、全5回の振り返りを行いました。

2023年1月から3月の間の数週間という短い間に、オンラインでのコミュニティでしたが、高い熱量を持った参加者の方と密度の濃い議論ができたとてもいい記憶です。

そして、このCIPグループから、4月以降にはClimateTech Startup Case Study (CSCS)という勉強会も生まれました。
その後も個別の企画などで繋がっています。

勉強会で議論したことだけでなく、CIPで知り合った多様な業界・領域の方とのネットワークを今後も活かしていきたいです。

2023年11月 横尾

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