気持ちは伝えなきゃもったいない

「こーゆうところが大好き」

「こーゆうことが私を幸せにしてくれるんだな」

「こーゆうことを言われると悲しい」

私の感情のセンサーは些細なことに反応していた。

次々にやってくる仕事や、流れてくる情報の勢いは凄まじく、気付くと些細な感情は「見なかったこと」にして通り過ぎていた。気付いたら「考えること」に忙しく「感じること」を辞めていた。

「感じること」は時に面倒を起こすし、情や感情は効率を落とす。

落ち込んだり、悲しい気持ちも味わいたくないからなるべく「感じないように」生活をしていた。

少し前まで、私は自分の感情や自分の意見を人に話すのが苦手だった。見ないようにしてたからわからなかったという以上に「普通じゃない」「みんなと違う」と言われてきた経験もあり人に嫌われるのが怖かった。感受性が強く「普通じゃない」ことが恥ずかしかった。

今日ふと手帳を見返すと、特別な日にちょっとしたメモ書きが残っていた。「この人のこーゆう優しさが好き」とか「こういうところを改めて尊敬した」とか「この瞬間に優しさが溢れてた！」とかすごく些細なことに「好き」と「感謝」がたくさんあった。「そんなことで？」って思えるようなこともたくさん。

それは客観的に見ると「普通じゃない」し「みんなと違う」感じ方だった。

少し成長した今の私だからわかるけど、この感情は伝えないともったいない。きっと相手は笑顔になるし、私もそれを見たらとびっきりの笑顔になる。相手の魅力を見つけ、自分の幸せを見つけたのに伝えないなんてもったいない。

悲しい気持ちだって、私がもっと幸せに生きるチャンスなのに伝えないなんてもったいない。

でも、これは自分はどういう人なのかを理解出来てきたからこそ、他人にどういう人なのかをジャッジされることに怯えず私の意見や感情を伝える覚悟が出来たんだと思う。誤解されたら悲しいけど、自分が自分をちゃんと理解していれば誤解が解けるまで自分のまま接することが出来る。

体の調子が戻ってくるとつい生産性を求めて「考えること」に集中しがちになるからこそ「感じること」のに意識を向けて生活をしようと改めて心に決めた。それが私がしあわせに過ごし、周りをしあわせにするシンプルな方法に感じたから。