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「Tik Tokは分からない」と言っている場合ではない話

トランプ陣営は3ヶ月ぶりに大統領選に向けた選挙集会を開く予定だった。100万人を超える登録があったはずが、蓋を開けてみれば閑古鳥。なぜ?

NYタイムスによると、「無料チケットを応募して、そのまま無視しちゃおう」という呼びかけに数十万人のK-POPファンとTik Tokユーザーが反応。つまり、トランプの集会のチケットを予約しまくって、ボイコットしたから。というのが、閑古鳥の理由のようだ。

これを選挙妨害ととるか、「(まだ選挙権がない)アメリカのティーンエイジャーやるな!」ととるかは意見が分かれているところだろう。トランプ側がこの集会の入場者に上限をつけていなかったため100万人にチケット発給しているが、この偽予約のせいでチケットが入手できなかった人はいなかったという報道もある。ゆえに、私は後者の意見。

「K-POPのファンダムはすごいな〜」と感心するし、さらに、たまにアプリを触るくらいで、今一つ本能的に楽しさが理解できないTik Tokというツールの若者内における波及力に驚く。

そして、昨日、トランプ選挙集会のニュースと同じくらい驚いた「なぜ若者は、それでも『安倍晋三』を指示するのか」の記事内でも若者におけるTik Tok内の現象に触れている。

もしスマホにTikTokが入っているなら、試しに「安倍総理」とか「安倍晋三」と検索して確かめていただきたい。そこには「ゆるふわ系おじさん」としてちやほやされ、親しみをもって「イジられる」内閣総理大臣の姿があるはずだ。「安倍さんに会ってハイタッチしてくれた!」と喜ぶ動画、自作の「アベノマスクのキャラ弁」を紹介する動画、会見する安倍総理の顔をアプリを使って「かわいく」加工した動画――これらが多いもので20万件以上の「いいね!」を獲得している。

というわけで、Tik Tokで「安倍総理」とか「安倍晋三」と検索してみて、心底ビックリした。自分がリアルに生きている場所とは全く交わることがないであろう並行世界が、そこには広がっていた。

中学生から高校生のTikTok利用率を調べたら、利用率が一番高いのが中学1年生女子で、なんと53%が使ってるんです。でも学年が上がるごとに右肩下がりでキレイに利用率が減っていくんです

Tik Tokは、ユーザーが真似やアレンジを楽しみながら伝播させていくインターネット・ミームが発生しやすい。思い返せば、友達とお揃いの文房具とかリップクリームとか……やたらと同じ物を持ちたがっていたのも、中学生の時期だったような気がする。なんだか、それと根本は一緒なのかな、とも思ったり。

ヒットチャートもTik Tokから生まれていることに衝撃を受けたnoteも書いたが、もう、本当にどうしましょう(苦笑)。

ともあれ、Tik Tokで起こっている日本とアメリカの若者たちのミームの差異に、同じように政治案件だったがゆえになおのこと、動揺した1日だった。


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