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忘却の空の下で。映画『あんのこと』

昨日は肌寒く豪雨。本日は晴天の夏日。なかなか梅雨入りだと宣言はされない。

コロナ禍。慢性鼻炎持ちだからか、高温多湿時のマスク着用はとても息苦しかった。自宅に戻り、マスクをはずす時の爽快感は心身ともにホッとできる瞬間だった。あんなに鮮明だった身体の記憶までも簡単に忘れてしまう自分に驚く。

映画『あんのこと』を観た。入江監督は、「コロナ禍というものをきちんと残しておきたかったんです」とインタビューで語る。

映画の中の印象的なシーン。東京に住んでいる人は一瞬であの日だとわかる。コロナ禍で開催されたフジロックの配信を見ながら、私は、その日ベランダから空を見上げた。

あの時の「なんだかなぁ」の気持ち。

清春は『忘却の空』で「忘却の空へたどりつけるまで」と歌ったけど、忘れちゃならぬ空がある。


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