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「混ぜる」のではなく、「和える」感覚

最近、料理研究家の土井先生の書籍を集中的に読んでいる。キッチンから、生活を、文化を、そして、地球を考えていく視点にはうなづくばかり。

その中で、

・西洋料理は、液体、粉類、卵などを「混ぜる」ことで全く違うものを作る
・和食の特徴は「和える」こと。自然を中心とするため、食材に手を加えない

という表現が出てくる。英語にするなら、MIX(ミックス)ではなく、HARMONIE(ハーモニー)。

和食は、化学のように厳密ではなく、常にブレることを前提にしていると土井先生は語る。

以前、食べ物から多様性を考えたnoteを書いたが、それとつながる部分が大きいので、備忘録として。

多様性がある社会を考える時に、飲み物で考えると分かりやすいと言われたことがある。水、アイスコーヒー、コーラ、オレンジジュース…。それぞれのドリンクに魅力があり、それが選べる状態が多様性がある社会。日本社会は、それら全部をミキサーにかけて混ぜ合わせた社会が多様性のある社会だと考えているところがあるという。

その後、多様性のジレンマについても書いた。

そもそも多様性とは、自分にとって都合の悪い人の存在も認めることだと思います。

これまでの食文化で考えれば、「和える(=ハーモニー)」という感覚は、きっと日本人は得意なはずなのだ。

なぜか、「うむっ、しかと」と武士の如く、うなづきながら強く心に刻んだ次第。



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