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「五輪後、日本はどうなる?」を問う美術展TOKYO2021

『いだてん』を同じテンションで楽しんでる友だちから、「tokyo2021展、行った?」とラインがきた。まったくのノーマーク。HPを見てみると「SiteA 災害の国」「SiteB 祝祭の国」とある(同時2ヶ所開催)。勝手に『いだてん』と同視点だと感じ入り、ひとしきりラインし合う。

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会場は超高層ビルに建て替えるらしい戸田建設本社ビル(東京・京橋)。建築展に続き、現在はキュレーターに黒瀬陽平、会場設計に西澤徹夫を迎えた美術展『慰霊のエンジニアリング』が開催中。

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東京オリンピックは来年の今頃は閉幕している(ちなみにオリンピックは8月9日、パラリンピックは9月6日まで)。「2020」をひとつのゴールにしてきたようなところがある日本。「2021」以降は、いったい風景はどう変わるのだろう? 

そんなことを考えながら、週末、足を運んでみた。

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会場になるビルの前に大きく佇む「2021」。この4桁がもつ意味も大きい。

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この美術展では商業アートとは一線を画す現代アーティストが一堂に会する。批評性が高い作品が並ぶ。ゼネコン準大手の戸田建設が主催していることも興味深い。

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日本橋と銀座の間の中央通り沿い。これぞ、お江戸、THE 東京な立地。ほぼ斜向かいには、できたばかりの京橋エドグランがそびえる。それにしても、京橋〜日本橋にかけての風景は、一昔前とは劇的に変わった。新しいビルがたくさん建ち並ぶ。

勤務中の日中ばかりで夜にこの辺りを歩くことはあまりない。なぜだろう、人や車の往来が少ない休日の夜のせいなのか、夜の光の中での方が景色の変化をヴィヴィッドに感じる。

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災害と祝祭は宿命的に繰り返すかもしれないが、それを乗り越えようとする人々の想像力や表現、技術は、決して同じ繰り返しではない。それは孤独な「喪の作業(mourning work)」ではなく、その時代のあらゆる文化、科学と関係しながら更新されてゆく、慰霊のエンジニアリングなのである。言うまでもなく、来る2020年と2025年の祝祭に先行しているのは、東日本大震災である。したがってこの2つの祝祭は、東日本大震災以後、明らかになった課題や、未だ解決に至っていない負債に対する、慰霊のエンジニアリングと深く関係するべきだろう。(黒瀬陽平/HPより抜粋)

1964年の東京オリンピックは戦後復興の象徴として語られてきた。けれど、東京都心が整備されただけで、地方との格差が拡大したとも言われている。

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2020年の東京五輪は、復興五輪と謳われている。

東京は、そして日本はどうなってしまうんだろう?  どうなっていくべきなんだろう?  その疑問をより色濃くしたまま、家路に着くこととなる。

↑展示内容はコチラに詳しいです。









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