先週、突然ホームレスになったお話
私は友人の友人のベトナム人にお家を借りて(無償提供してもらい)ハノイで生活をしていた。市街地からタクシーで40分離れた場所だったけれど、ありがたいことに光熱費も無料で、観光地では見られないリアルなベトナムの暮らしを体験できていた。
ただ先週末、その住んでいたお家に突然住めなくなってしまった。
最初6月くらいには、引き払ってもらうかもしれない。でも大家さんが所有している他の家に住んでもいいから、大丈夫だよと大家さんに言われていた。
6月の引っ越しを頼まれていた週になり、大家さんに聞く。
引っ越しの件、どうなったかな?
すると大家さんは、あぁ新しく家を借りる人がまだ引っ越せないかもしれないから7月までは住めるよ。
これが1週2週と伸びていき、8月も終わり、9月も終盤になってきた。私は家の引き渡しが破断になり、「私が引っ越しすること」自体が流れてしまったのでは? と淡い期待を持っていた。
だが、引っ越しDAYはある日突然やってきた。私は一軒家のうちの一部屋を借りている。その部屋のドアの外から、ドリル音が派手に聞こえてきたのだ。
何事?
大家さんに電話をする。すると彼は、
あぁ〜給湯設備とエアコンの取り外し今日だったの〜〜? 忘れてた〜。
と間抜けた声を出す。つまり家に備え付けてあった給湯設備やエアコンが今日すべて取外されてしまうらしいのだ。シャワーも浴びれないし、トイレの水も出なくなるかもしれない。さらに熱帯夜をエアコンなしで過ごさなければいけない。
住めるわけがない...涙。
そこに大家さんの部下の日本語が分かる女の子がやってきて、部屋をすぐに出てくださいという。私何も聞いていないよ〜と応戦したのだが、出てくださいの一点張り。
混乱しながら、部屋にあった荷物を90リットルのスーツケースに押し込み、ふと考える。
私、今夜どこで寝ればいいんだろう。
慌ててハノイの市街地にあるサービスアパートメントを探し出して、夜逃げみたいな風貌(まとめきれない荷物を大きなスーパーの袋いっぱいに乱暴に入れたものを両手に抱え、もこもこに膨れ上がったバックパックを背負い、大きな大きなスーツケースを転がす女)をしながら、タクシーを拾い新しい寝床までたどり着いた。
これが先週の金曜日の話。
確かな約束は、うーんうーん。ベトナムでは難しいのかもしれない。いつも聞いてなかったよ! と思うことの連続。私は日本で約束だらけの生活をしていた頃より、少しだけアドリブの効く人間になったと思う。
そして、さぁ。
今からどうしようね。せっかくホームレスになったのだから、この調子でバンコクにでも行って、しばらく暮らしてみよかしら? なんておもっているのだけど。
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