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息をするみたいにできることって?

日中、ものすごい風と雨で家はグラグラ揺れているし、窓はガタガタ鳴って何もできない1日だった。台風によって家に閉じ込められた私は、この夏に再会したミュージシャンの女の子の話を思い出していた。


息をするように、できちゃうから

彼女は台湾の人気バンドで楽曲制作を担当している。その彼女に「あなたにとって音楽とは何?」というテーマで話を聞いた。

母親が音楽教師だという彼女は、小さいときから音楽に囲まれて生活をしていた。手を伸ばせば楽器がいつでも身の側にあり、おもちゃで遊ぶように音を鳴らし、曲を作っていたそう。


そんな彼女がインタビューの最後に漏らした弱音が

「私にとって音楽を作ることは、自転車に乗るようにたやすいこと。アーティストって普通はなにか世の中に発信したいことがあって、創作を行うじゃない? でも私は音楽が作れちゃうの。全然難しくないの。だから技術的に優れているものを作るのは簡単で、それが多くの人に認められて楽しんでもらうのは嬉しいけど…、絞れ出したものじゃないような気がして。音楽を続けていいか迷っている。わたしが作るものって本当に必要なの?」

だった。


平成最大級の台風が関西を縦断して、搭乗するはずの飛行機にのれず、まだ日本にいる。その間くるくると何度もベッドで寝返りを打って、彼女の言葉を反芻していた。


生み出す何かには理由がいるのか? メッセージが必要なのか?
夏が終わったばかりのわたしの頭には難しくて、ちょっぴりクラクラした。


明日は飛行機に乗れますように。
おやすみなさい。

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