再会は、生きていることの発表会
今私はハノイに住んでいます。
こう言うと、みんなすごいねって言ってくれる。その言葉のあとに続くのが、「ご主人は?」
私の夫は京都に住んでいる。結婚したときに借りた、町家一軒家に一人で住んでいる。4つの部屋とキッチンとお風呂とトイレ。一人でクラスには十分すぎる空間で。
私はハノイの片田舎で、友達の知り合いの会社のビルの一角を、住居とし生きている。15帖くらいのポカーンと広い部屋に私一人で。荷物は90リットルのスーツケースの半分にも満たない量。夫と私が集めた、絵や花や服や調味料、大好きなもので溢れている京都の家とは大違いだ。
さみしくないのかと言われれば、かなり寂しい。せっかく2人で座れる大きなソファーを買ってすぐに、ベトナムに越してきてしまったから。まだ3回くらいしか座っていないのに。
だけど今日
夫は、私が今生きているハノイまで来てくれた。日本とは全く違う空気、言葉、人。ここが私が今いる場所なんだよ。今この空気を吸って、バイクのクラクションを毎日浴びるように聞いて、ごはんを食べて生きているんだよ。
日本で一緒に住んでいると、なかなか「ここで生きている」という感覚は持てない。でも日曜日まで、私の一生の小さなのキラメキみたいなもの、ハノイで生きていることを、精一杯見せてあげたい。
久しぶりの再会は、生きていることの発表会。
そんなことを、ハノイの蒸し暑い夜。スマホでドラマを見ている夫の隣で思ったのでした。
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