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5歳児が「机でガリ勉なんてかわいそう」!?小学校受験は親のエゴなのか?

 小学校受験未経験者のご両親から、「5歳児を机でガリ勉させるなんてかわいそう」と言われることが頻繁にあります。
 私は自分自身もわが子も小学校受験経験者ですが、実はどちらの小学校受験も「ガリ勉」のイメージとは無縁でした。実は、仕事で毎日クタクタな親の負担を軽くする「とっておきのコツ」があるのです。今回はその方法をお伝えしたいと思います。
 まず、1年間の自宅学習を乗り切るには「両親が迷いのないモチベーションを維持すること」が最も重要です。一点の曇りもなく突き進んでいただきたいです。詳細は『小学校お受験「最強の時間割」、フルタイム共働き母と子が1年で難関校合格を実現』に譲りますが、小学校受験の成否は時間割で決まります。
 そうはいっても、日中バリバリ働いた後に子どもと向き合って作業する…そんな体力なんて、なかなか残っていませんよね。ついついYouTubeなどに頼ってしまうものです。
 そんなときでも簡単にできる「とっておきのコツ」をお伝えします。

具体的なコツに入る前に、「1年間小学校受験の準備をする場合、平日、どれだけ時間をかけられるか」を可視化してみましょう。フルタイム共働き家庭を例に考えてみます。

 多くの共働き世帯にとって、平日子どもと接する時間は朝1時間、夜2時間、わずか3時間程度ではないでしょうか。では1年間で子どもと接する平日の時間はどのくらいあるのかというと、3時間×平日の日数260日=24時間換算すると、「わずか32日程度」です。

 特に、夜の2時間は「働いた後」の2時間です。クタクタに疲れているのに家事もしなくてはいけない…そんな状況で、ついついYouTubeなどに頼ってしまうものです。

 それでも、この時間を小学校受験の準備に代替すると親と子の双方向のコミュニケーションの時間へと劇的に変わります。

自宅学習で問題発生!
「こんなとき」どうする?

 そうはいっても1年間の自宅学習はキラキラした時間ばかりではないのも現実です。

 1年間の小学校受験準備でどんな困難が生じるのか?

 親と子でズレが生じることは数えきれないほど(!)あります。想定しておいていただくだけでも課題に直面した際に乗り越えられやすくなりますので、4タイプに分けてみました。

(1)学習習慣が定着しない
(2)子どもの学力が伸びない
(3)親のモチベーションのアップダウンがある
(4)子どもが泣いてしまう・嫌がってしまう(=モチベーションが上がらない)

「4つの課題」にどのような打ち手を取っていくのが良いか?わが家で効果的だった対処法のコツの具体例をご紹介します。

(1)学習習慣が定着しない
→「学習道具の置き場所」と「ご褒美」で対処!

 学習習慣は早いうちに定着させたいですよね。

 早朝30分、夜1時間、なるべく決まった時間に毎日続けられるようになるコツは何か。わが家の場合は、「学習道具の置き場所」と「ご褒美」が鍵でした。

 わが家はリビング学習をしておりますが、「学習道具の置き場所」にはかなりこだわっています。

 朝も夜も椅子に座ったら一瞬で学習をスタートできるように、鉛筆、消しゴム、今日実施するプリント20枚をきれいにセットしています。

 また、朝・晩の学習が終わったら、子どもが好きなフルーツやお菓子、YouTubeを特別に見せるなど、プチご褒美をあげていました。

(2)子どもの学力が伸びない
→夏までは様子見。焦らずに苦手部分の特定を!

 春から小学校受験を始めた場合、子どもの学力が劇的に伸びるのは「夏」といわれています。まさにわが家もそうでした。

 ですので、直前まで焦らずに取り組み続けることが重要です。また定期的に模試などを受けて、苦手な分野を特定して重点的に学習するのも良いと思います。

(3)親のモチベーションのアップダウンがある
→「ためらわずにリフレッシュ」で対処!

 小学校受験で最も重要なことは、親たちの安定したモチベーションです。子どもが自分の想像通りに学習を進めてくれなくとも、ブレることなく毎日学習を続けるのです。

 そのときに大切なのは、焦りを顔に出さないことです。わが家もピリピリした雰囲気は一切出さず、楽しく愉快に自宅学習をすることを心がけていました。

 これには夫婦での役割分担もとても重要です。一方がイライラしそうなときは、悩まずに外へリフレッシュをしに行き、その穴埋めは相方にバトンタッチしていました。

 小学校受験の根本にあるのは「親が子を思う“愛情”」そのものです。もちろん、焦るシーンは多々あるかと思うのですが、グッと堪えて親自身もためらわずにリフレッシュできる仕組みづくりが重要だと感じました。

(4)子どもが泣いてしまう・嫌がってしまう(=モチベーションが上がらない)

 この問題は、子どもの性格によってかける言葉が異なりますよね。一概にいえない、ということは大前提に置きつつも、わが家で行なった対策を少しだけお伝えできればと思います。

・子どもが学習に取り組むのを嫌がる、かなり不機嫌なケース
いつもは取り組んでくれる学習をどうしても嫌がってしまう…こんなときはいったん切り替えて、5分間だけ好きなことに一緒に取り組み、それが終わったらプリントをする約束をすると効果的です!また気分の乗らない日は得意な分野のプリントをやるのも良いと思います。

・プリント学習で、泣いてしまった!
負けず嫌いのお子さんの中には、思わず泣いてしまうこともあるかもしれません。そんな場合は、まずは負けず嫌いのスタンスを褒めること、そして再度得意なプリントをやり、褒めて自己肯定感を高めると良いです

・予定していたプリント枚数を子どもが完了できなかった!
せっかく事前に学習スケジュールを組んでおいたのに、予定通り進まなかった…。人間ですから、そんなときももちろんありますよね。この場合は週末の時間に余裕があるときにまとめて実施すると良いです。

毎日の送り迎えでできる
「一般教養トーク」もおすすめ

 小学校受験で求められる力には、「しつけ、生活ルール、お友達との関わり、一般教養、粘り強さ」などがあります。テスト当日は、先生たちが国立・私立小学校に入学する準備が整っているのか各ご家庭を確認します。

 私自身がそうですが、フルタイム共働きで子育てをしていると、ついつい子どもを放任してしまうことが多いです。

 しかし「しつけ、生活ルール、お友達との関わり、一般教養、粘り強さ」を身に付けてもらうには毎日の丁寧な子どもとのコミュニケーションが求められます。平日の3時間の中に工夫して組み込んでいくことになります。

 私の場合、保育園や塾までの自転車での送迎の時間は「一般教養」を子どもと話す時間にしていました。

 具体的には、「5月5日のこどもの日はなぜあるのか?」「こどもの日は何を食べてどんなことをするのか?」など春夏秋冬の伝統的な日本の儀式についてお話をしてみたり、電車に乗るときのルールや、ゴミ出しのルールや、お友達との関わり方などを話します。

 ポイントは、楽しく会話のキャッチボールをすることです。絶対に怒ったりプレッシャーをかけたりしてはいけません。

 机に張り付いてプリントを泣きながら無理やり取り組む…そんなイメージとは全く別物です。

 小学校受験がなければ無言で自転車をこいでいたかもしれない時間を、親子の楽しい会話・思い出(共通体験)の時間へ劇的に変化させることができます。

 子どもの頃に小学校受験を経験した立場から考えても、フルタイム共働き世帯にとっての小学校受験準備とは「親と子の共通体験」を実現する貴重な時間にできることを実感しています。


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