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読書記録『ナースの卯月に視えるもの』

ショートショートガーデン(SSG)、それから毎週ショートショートnoteでの創作仲間でもある、秋谷りんこさん著『ナースの卯月に視えるもの』を、発売したその日に購入いたしました。

https://note.jp/n/nffaff611https://note.jp/n/nffaff611fb34?sub_rt=share_b


ですが、帯を見るなり、この本は今、とても読める状況ではないなと感じとり積読に。
ようやく本を読める状況になって、まっさきに読み出し、ページをめくるたびに、その予感は正しかったと確信しました。

……というのも、自分自身、余命いくばくもない患者の家族であったからです。

病棟内、医療考案の数々、医者看護師、ヘルパーさん…… 作品の世界とリアルに過ごした看取りの日々の記憶が頻繁に入り混じるような感じで、実際に五十音表を使って会話を試そうとして、その機会を得ることができませんでした。

患者の「思い残し」を視る卯月さんの奮闘と葛藤が、逝ってしまった家族の「思い残し」はなかっただろうかという悔恨に似た思い、それから「思い残し」が消えていく過程が、自分自身の心境に爽やかな風を送り込んでくれたような、そんな作品でした。

そして、時薬が充分にいきわたり、想い出話を語れるようになってから、再び卯月さんに会うために、この本を開くことになるでしょう。

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