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たかがSYNCROOM、されどSYNCROOM

この記事は、「アカペラアドベントカレンダー2021」記事です。
◆アカペラアドベンドカレンダー2021

河野と申します。アカペラ界隈ではパパとも呼ばれています。昨年に引き続き、アカペラアドベントカレンダーに書かせていただきます。

■今年は歌えましたか?

コロナは少し収まってきた感じはしますが、皆さん今年はアカペラを歌えたでしょうか。

集まって練習を始めることができているグループも多いことでしょう。昨年2020年春から今年の秋まではなかなか一緒に歌うというのは難しく、リモートアカペラをやられた方も多いのではないでしょうか。でもアカペラは一緒に歌ってこそ。何とか一緒に歌える方法にチャレンジしたら、それが普通になってしまった・・というのが私とSYNCROOMの関係です。

今年2021年は80回くらいSYNCROOMを使って練習やレッスンを行いました。もはや私にとってSYNCROOMはアカペラをやるときに普通に使う環境になってしまって、当たり前すぎるものです。今年対面で行ったアカペラのレッスン、練習、本番は15回くらい。ちなみにコロナ禍の前の2019年はレッスン、練習、本番合わせて100回くらい歌いました。今年もほぼ例年並みにアカペラを歌えたのは、まさにSYNCROOMがあったからです。

この記事は、そんなSYNCROOM使いの記録です。SYNCROOMって何?とか、SYNCROOMって何が必要なの?どうやって使うの?ということが知りたい方は、noteにまとめた記事がありますからこちらの記事をご覧ください。

【SYNCROOMでアカペラを】
 ・第1回 SYNCROOMとは
 ・第2回 導入編~機材や回線はどうしたらいいの?
 ・第3回 設定編~一人でできるところまでやってみよう
 ・第4回 実践編~実際にアカペラを歌ってみよう

また、SYNCROOMを使ったマルチ録音の解説記事はこちらです
SYNCROOMでマルチ録音する方法~Studio One編

今日は、技術的な話ではなく自分の体験をお話ししたいと思います。

■SYNCROOMを始めたころ

1年半前の話ですが、私がSYNCROOM(当時はNETDUETTO)を始めたころを振り返ってみます。今にして思えばものすごい勢いでSYNCROOMを始めたんだな、と思いますが、環境を整えたのは実はSYNCROOMのためではなく、リモートアカペラや多重録音の環境を整備しようと思ったからでした。本当に偶然が重なってSYNCROOMを使うようになりました。それでは時間を2020年に戻してみましょう。

・3/末~ 色々軒並み中止
アカペラの対面レッスンや春のイベントが続々中止になり、対面練習もできませんでした。

・4/11(土) リモートアカペラ開始
トライトーン加藤ぬ。さんのリモートアカペラの録画録音を開始。そのころはマイクは持っていたのですが、PCに入力する手段がなく、Re:MIXを使ってiPadで録音して、エクスポートしたデータをPCのDAWで編集するという面倒くさいことをやっていました。

・4/17(金) オーディオインターフェースほしい
PCで録音ができるようにオーディオインターフェイスを買おうと思い、どうせなら、Studio OneがついてくるPresonusのものにしようかな、と考え始めました。

・4/26(日) オーディオインターフェイス注文
soundhouseは在庫があれば翌日にはモノが届き重宝しています。ちなみに5月中旬ぐらいからオーディオインターフェイスが品不足で納期がかかるようになったので、いいタイミングで購入できたと思います。

・4/28(火) オーディオインターフェイスとDAWいろいろいじくり
そのころは、ASIOって何?という程度の知識しかありませんでした。以前、MIDI音源機器からPCのソフトシンセに切り替えたとき、遅延がひどくてMIDIキーボードを押してもすぐに音が出なかったのですが、それはソフト音源だからだと思っていました、ちゃんとしたオーディオインターフェイスを使うとそんなことなくなったので、PCの出力の遅延によるものだということが分かりましたが、そのくらい知識がありませんでした。

・5/1(金) 初めてNETDUETTO体験
せっかくオーディオインターフェイスを買ったから、ヤマハのNETDUETTOも試してみようと、バンド仲間と1対1でテスト。いい音で普通に会話ができることに驚きました。歌を歌うことなく、1時間くらい話をしてしまいました。遅延が少なく、高音質なら、会話も弾む(笑)

・5/16(土) タゴハモオンラインエントリー
後述しますが、トライトーンの多胡淳さんのアカペラレッスン「タゴハモ」。試みにNETDUETTO でオンラインレッスンをやりますとの告知があったので申し込み。3月末に対面のレッスンが中止になってから2ヶ月近くリアルタイムでアカペラ歌ってなかったので、リアルタイムで音を合わせたい気持ちがありました。「NETDUETTO環境経験済み・または導入予定の方」という条件があったけど、とりあえず繋げたことあるから大丈夫。さすがにこの時期にNETDUETTO やったことある人は少なく、集まったのは7、8人でした。

・5/17(日) 初めて5人でNETDUETTO
お誘いいただいて、5人でトライトーンを歌いました。もともと3人ぐらいでNETDUETTOのテストをやっていたけど、5声でもテストしたいと思い、トライトーンを歌うからと誘えば私が飛びつくと思われたらしいのですが、はい、その通りです。いきなり、「今日、NETDUETTOでトライトーン5声歌いませんか?」と誘われたのでびっくり。たまたま空いていたのでありがたく参加させていただきました。

NETDUETTOでアンサンブルをやったのはこの時が初めてで、若干環境も悪い人もいたけど、インターネットを介してここまでできるとはすごい、というのが感想でした。使い方のノウハウもみんなで手探り状態だったので、とりあえず合わせられるかな、というレベルでしたが、2カ月ぶりにリアルタイムでアカペラできたのがとても楽しい時間でした。音楽的なことと別に、技術的に回線状況とか遅延とかをいろいろ調べて今後に役立てました。

・5/18(月) NETDUETTOとDAW連携調べる
ヤマハのサイトでNETDUETTOの情報を見ると、どうやらDAWをつなげて録音ができるらしいので、テストしようと思いました。でも私が使っているDAWのStudio One 4 Artistでは有料バージョンにもかかわらず、VSTプラグインを入れるためにはさらに拡張アドオンを購入しないとできない仕様。ちょっと癪にさわるので、他の無料のDAWでいろいろ試したけどうまくいきませんでした。

・5/19(火) プラグインのために拡張モジュール購入
Studio One本体から考えると結構な課金が必要だったけど、しょうがないので、Studio Oneの拡張アドオンを買いました。ちなみにそれから2カ月もしないうちにリリースされたSdudio One 5 Artistではアドオン買わずにVSTプラグイン使えるようになっていたけど、他の人より早くいろいろなことができたからよしとしましょう。

・5/20(水) タゴハモオンラインエントリー受付、メンバー発表
タゴハモでは申し込みしてエントリーが受け付けられると、メンバー(組み分け、パート)が通知されます。誰と一緒の組になって、自分がどのパートかちょっとドキドキなのですが、今回はいつも歌っているメンバーが多くちょっと安心。即、LINEグループを作りコミニケーションをとりました。

・5/21(木) DAWでの録音ができた
2日前に買った拡張モジュールを使って、Studio OneにNETDUETTOのプラグインを入れました。接続テストルームなどを使って、マルチトラックの録音ができてそうなことを確認。

タゴハモオンラインの楽譜も来て、いよいよレッスンの準備開始。(レッスンの日までに歌えるようになっていないとレッスンが楽しくないので、かなり大変なのです)

・5/23(土) 続・NETDUETTO体験
5/17のメンバーで2回目の練習。せっかくなので、5声でDAWで録音テストもして負荷も問題なくマルチトラック録音ができることを確認しました。このころは5人でNETDUETTOで合わせる機会も少ないので、その機会にいろいろな実験も行いました。PCのDAWでのマルチ録音は、対面だとそれなりのオーディオインターフェイス使ってやらなければならないので、簡単に出来たことに感動。

・5/24(日) タゴハモオンラインテスト
次週のタゴハモオンラインレッスンに向けて、接続リハーサル。参加メンバーでNETDUETTOをやってみて、環境によって快適さが大きく異なることとか、いろいろなことがわかりました。ルーム連結も試してみました。このころから、NETDUETTOでの接続はすべてマルチトラック録音で残すようにしています。

・5/25(月)~5/30(土) いろいろ調整
タゴハモオンラインメンバーに環境をよくする方法を教えたり、自分でDAWで録音するときに、録音レベルをいじらずに自分のモニター音量を調整できるようにしたり、いろいろ細かい改善をしていました。ASIOインターフェイスを持っていない人もレッスン前日に「インターフェイス繋げたからテストして!」と言われて接続テストしたり、みんないろいろ頑張っていたようです。自分の努力で改善できるなら、できる限りいい環境でレッスン受けたいですからね。

・5/31(日) タゴハモオンライン1回目
初めてのオンラインレッスン。環境が良ければ、十分レッスンに耐えうる環境であることがわかりました。何か月かぶりのタゴハモレッスンは楽しい。5声のアカペラレッスンですが、先生の多胡淳さんも含めて6人いるわけでルーム連結する必要があり、それもうまくいきました。別の組のサポートもしたのですが、環境が整わないと、テンポ合わせて歌うだけで精一杯だったので、やはり、環境は大事と再認識。

・6/9(火) noteに記事を書きました
マルチ録音をする人の役に立てばとおもい、Studio Oneを使ったNETDUETTOのマルチ録音の方法をnoteで公開。結構手間ひまかかりましたが今でも読んでいただいている人がいます。

・6/21(日) タゴハモオンライン2回目
最初のレッスンから3週間後、2回目のレッスン。この曲は2回目が最終回になります。前回よりも環境を改善した人もいて、さらに快適に。この時には全員高速インターネット、オーディオインターフェース、マイクを使いました。録音を聞くと明らかに1回目より音もよくなっています。「音質は標準音質より、ロスレスのほうがノイズが少ない」とか、その時点でわかっているノウハウを使った成果だと思います。もうこれは普通のレッスンだな、と感じながら、楽しい時間を過ごしました。

・6/24(水) ノイズ取り
録音を聞くとプチプチいうスクラッチノイズのようなものがわずかですが入っているので、なんとか出来ないか研究。何サイクルか波形が抜け落ちていることがわかったので、波形を見て、波形が欠落しているところを埋めて、ノイズ取り。人によって1曲で100箇所くらい処理をしたのでめちゃくちゃ手間暇かかったけど、かなりノイズを消すことができました。その後SYNCROOMになってからは補間処理が入ったので、iZotopeのRXというノイズ取りソフトを機械的にかけるだけでかなりノイズがとれることがわかりました。

・6/29(月) SYNCROOM正式発足
NETDUETTOが正式サービスになり、SYNCROOMという名称になりました。継続して無料で使えるのはとてもありがたいことです。

・7/1(水) YOUTUBEに公開
  せっかくレッスンが良い環境でできたので、NETDUETTOでここまでできるよ、ということをyoutubeに公開。本来、レッスン内容は一般公開できないのですが、多胡淳さんに許可いただいて、最後の通しの一部を公開しました。一見すると普通のアカペラの演奏に聞こえるので、インパクトなかったかな。

・7/4(土)  レッスンメンバーで練習開始
タゴハモレッスンは2回シリーズで終了だったのですが、そのメンバーでもっと違う曲を歌おうと練習を始めました。このチームに「あいぱっく」という名前がついて、毎月練習を重ね、対面で一度も練習していないですが毎月の練習の成果で10曲以上のレパートリーができました。

まとめ
SYNCROOMそのもののチェック、レッスン、DAW、いろいろなことが同時進行で行われた結果、SYNCROOMの経験値が大きく上がっただけでなく、録音ができたり、環境が良ければレッスンや練習に十分使えるものという確信が持てたことがとても大きいです。裏返して言えば、これだけのことを短期間でできたからこそ、SYNCROOMが使えるようになったのかな、とも思います。ともかく怒涛の2ヶ月間でした。

■SYNCROOMを使ってやっていること

現在、SYNCROOMを使ってやっていることは以下のことがあります。

・アカペラレッスン

トライトーンのリーダー、多胡淳さんのアカペラレッスン「タゴハモ」に数年前から参加しています。これは、2~3カ月かけてアカペラで1曲を仕上げるレッスンで、いくつかのクラスがありクラスごとに数組のグループが作られます。私は3つのクラスに参加していて、毎月各クラス1回、計3回のレッスン。毎回ちょっとずつ違うメンバーとハモっています。もともと平日夜に都内で行われているレッスンですが、最近は対面レッスンのグループとSYNCROOMによるオンラインレッスンのグループの両方で開催されることが多くなりました。私はほぼオンラインレッスンに参加していますが、オンラインレッスンを受ける人はSYNCROOMの環境が整っている人ですので、環境のストレスはありません。若干の遅延があること以外は、対面のレッスンよりもメリットが大きいと感じます。

私にとって一番のメリットは、わざわざ都心まで行く必要がないことです。平日、会社が終わってから都心に行き、レッスンが終わるのが22時近く。家に帰ると23時半を回ってしまい、それから夕食というのはあまり健康的な生活ではないですが、オンラインだと、会社から帰ってきて、夕食食べてからレッスン受けられるし、終わった後の時間も余裕があります。

そのほかに、モニター(返し)を調整でき、ヘッドフォンで聞けるので歌いやすいとか、練習音源をマルチ録音できるというメリットもあります。また、レッスン前に短時間、受講メンバーで合わせてからレッスンを行えるので効率的です。事前にがっつり練習してからレッスンを受けるチームもあるみたいですが、対面ではそのために集まったり、場所を確保したりとかは難しいので、これもメリットでしょう。レッスン前に合わせる時には、音量バランスもチェックします。フラットな状態で、音がバランスするよう、各自の入力レベルを調整しておきます。

多胡淳さんのレッスンは、身振り手振り顔振り(笑)で教えを頂くことが多く、SYNCROOMではそれができなかったのですが、最近はZOOMを併用して、顔によるレッスン(?)も受けられるようになり、大変便利になりました。

・バンド練習

2019年に結成した「薫風」というバンド、2019年は金沢、静岡、ソラマチで歌うことができました。練習は主に横浜のスタジオで行っていたのですが、何時間もかけて遠方からくるメンバーもいて大変です。2020年2月を最後に対面練習もできない状態が続き、2020年春からリモートでの録音や録画を少しやりましたが、バンド練習の代わりにはならず、半年ほど活動が停滞していました。メンバー全員の回線状態が良いことに気づき、SYNCROOMの練習を提案、マイクやオーディオインターフェイスを持っていない人には何を買ったら良くてどう繋げるかを教えてメンバー5人とも使える状態になり、2020年の10月からリモートの練習を始めることができました。その結果、新曲を何曲か仕込めて、2021年にはソラマチで久々にステージで歌うことができました。1回だけ対面練習しましたが、毎月のようにSYNCROOMで練習しているので、全然違和感なく練習することができました。これからも、SYNCROOM練+節目で対面練習というスタイルで練習を行行うのかな、と考えています。

もう一つやっている「あいぱっく」というバンドは、タゴハモレッスンオンラインの初回の時に集まったメンバーで、せっかくだからほかの曲も歌おうと結成して以来、2020年5月からずっとSYNCROOMだけで歌っています。みんなよく知っているメンバーだけど、このバンドメンバーの組み合わせでは一度も対面で歌ったことはありません。レパートリーはもう10曲ぐらい。ともかくハモる時間が楽しいというメンバーです。

この2つのバンド、それぞれ月1回ぐらい、3-4時間練習しています。対面でやっている練習とほとんど変わりなくできます。どうしても微妙な遅延があるので、あまり周りを聞きすぎると全体が遅れてしまいます。周りを聞きつつ、自分の歌を歌う意識が必要ですが、慣れれば何とかなるものです。パートを減らして自分以外が歌っているときに、マイクをミュートして自主練習したりなどのSYNCROOMならではの練習も可能です。SYNCROOMにはメトロノームがあるので、鳴らしながらの練習もできます。遅延があるときに合わせるための機能だと思いますが、実際にメトロノームを使うと、ネットの遅延よりも歌い方によるテンポの揺れのほうが大きいことがあり、私たちの間では、「ネットの遅延より、人間の遅延」で、タイミングが合わないのは自分たちの問題ということにして練習しています。(もちろん環境が悪いと本当に無視できない遅延がありますが)

バント練習でも、レッスンでも、必ずメンバー全員のLINEグループを作っておきます。当日までの連絡や、当日の作成したルーム名の共有のために必要ですが、なにより、トラブルがあった時にやり取りができます。入室できずはじかれてしまうとか、PCの調子が悪く、再起動するからしばらく抜けるとか、メンバーと連絡する手段は大事です。

・ソルフェージュ教室

かくたあおい先生のソルフェージュ教室に参加しているのですが、コロナ禍になって以来、オンラインのレッスンになりました。ZOOMを使ったレッスンで、楽譜を表示したり、書き加えながら、初見視唱や和音の縦の視唱、和音の聴音などを勉強しています。初見視唱は対面のグループレッスンでやると、同じ課題を複数の人でやりにくいですが、ZOOMのオンラインでは、音をミュートすることで、みんなが初見の状態で練習でき、オンラインならではのレッスンを行っていましたが、唯一、ハモれないことが課題でした。2021年に入ってから、SYNCROOMを併用することで、3-4声でハモることができ、初見でのハモリ視唱やイントネーションなど、より有意義なレッスンになってきたと思います。ハモると言っても和音のソルフェージュですので、2分音符以上の長さが主で、環境が若干悪い人でも十分使えます。

・その他企画

固定バンド以外にも、時間さえ合えば場所の確保もいらないので、いろいろな企画をやっています。先日も企画バンドで歌いました。今後もこんな曲やりたいから集まろう、的な企画練習が増えそうな気がしますし、対面よりも気軽にできるでしょう。

■SYNCROOMを使ったイベント

・アキペラというイベント

大阪の「よりアイプロジェクト」が行っているアキペラというイベントがあります。企画バンドや、その場で人を集めてのアカペラセッションなど、いろんな人とアカペラをすることができるとても楽しいイベントで、5年ほど前から毎年大阪に行って参加していました。

そのイベントも2020年から対面ではできなくなりました。2021年秋、「アキペラ2021おんらいん」というイベントになり、その中でSYNCROOMを使ったリアルタイム演奏の配信もやることになりました。今回はSYNCROOMを使ったリアルタイムの参加バンドが11バンド。そのほか、録画参加バンドが5バンドです。もともとアキペラというイベントは、企画バンドの割合が多く、私の場合遠方からの参加ですので夏ぐらいからメンバーや曲を企画して、当日朝合わせ、本番となるのですが(ちなみにたいてい往復夜行バス。0泊3日の旅)、今回も同じ流れで、SYNCROOM環境がある人で情報交換し、企画バンドを組みました。毎回、今まで歌ったことのない人と歌えるのが楽しみなのですが、今回も3人、一緒に歌うのは初めましての人が。しかもSYNCROOMは空間を超えるので、仙台や群馬の人と大阪のアキペライベントで歌えるという、とても楽しい展開になりました。一つ誤算だったのは、いつもは当日しか練習できないので、何バンド組んでも準備さえしておけば忙しいのは当日だけ、なのですが、SYNCROOMは集まらなくても気軽に練習できてしまうので、事前に練習ができます。5バンド1、2回練習したので、本番前2週間くらいはそれなりに忙しく、それでも楽しい時間でした。

・アキペラ2021おんらいん当日

アキペラ当日は運営スタッフ、技術の方が本当にいろいろ頑張っていだだけました。参加グループはSYNCROOMで歌うのは慣れていると言っても、ZOOMで顔を出したり、あるタイミングで配信にのったりするのをどのようにするかもほとんどぶっつけ本番。バンドごとにZOOMの背景変えたり、SYNCROOMのバランスやパンポットチェックしたり、お着替え(笑)したり、しかも出番が連続していたりと大変でしたが、配信から見ているとスムーズにバンドごと入れ替えているように見えると思います。終わってから、参加者でZOOMでの打ち上げも楽しい時間でした。

みんな自宅から入れ替わり立ち替わりグループが登場してアカペラを生で歌っていく、それをyoutube で配信するというのはアカペラでは今までなかったことですし、多くの方に聞いていただけました。これからもこんなイベントができると面白いですね。

アキペラ2021おんらいんのレポートはこちら。
当日のアーカイブをご紹介します。演奏は、皆自宅から参加、リアルタイムで合わせているのを配信したものです。
薫風の演奏です。全編から薫風のところにジャンプしています。


あいぱっくの演奏です。


こちらは全編になります。イベント全体は5時間くらいありますが、繋ぎのところも是非見ていただければと思います。各バンドの頭にマーカーがありますので、概要欄をご覧ください。


■SYNCROOMあれこれ

・SYNCROOMの録音、MIX

私は練習はマルチトラックで全編録音していて、通しの部分切り出し、ノイズ取りした素材をMIXして歌ったメンバーに共有します。MIXといっても練習音源を整理する程度で作品作るわけではないので、手間かけずに音量バランス調整(途中では変えない)、パンポット、コンプ、リバーブをかけるくらいです。ノイズ取りも機械的にRXにかけるだけですが、かなりブツブツ音を消すことができます。これについては、やり方のノウハウを公開したいな、と思っています。

・ZOOM併用

あおいソルフェージュ教室ではZOOMで楽譜を共有したりして、SYNCROOMが併用されていると言えますが、その他のレッスンや練習でもZOOMを併用することがあります。主に歌っている顔を見るだけですが、それでも一緒に歌っている感は増します。

・配信

アキペラのようにSYNCROOMとZOOMでリアルタイムで歌っているのをYOUTUBEで配信もできます。5人のメンバーだけで配信まで行うことは、技術的にはほぼ試行は終わっているので、そのうち実施するかもしれません。その際には音にこだわった配信をやりたいと思っています。

・SYNCROOMで歌える人を増やすこと

自分の周りを見るとSYNCROOMを使える人がかなりいるのですが、これは、使っている人から徐々に広まった感じがあります。SYNCROOMはもちろん一人では歌えませんし、環境を作るのも難しいところがあるので、SYNCROOMをやっている人が、別に組んでいるバンドメンバーを焚きつけて(笑)、SYNCROOMを始めるとか、できる人同士で企画バンドを組みつつ、新しく始めたい人を巻き込んでいくというふうに、だんだんとSYNCROOMでアカペラができる人を増やしていっています。オーディオインターフェイスは高価だし、自家録音しない人にはSYNCROOMだけにしか使わない機械になるので、やっている人が余っているオーディオインターフェイスをとりあえず送り付ける、といった荒業を使って巻き込んでしまうこともあります。

アキペラではSYNCROOMで11バンド歌ったといっても、メンバーは20名程度でした。従来のアキペラでは飛び入りステージと言って、当日曲を歌える人を募ってそのままステージで歌ってしまうという企画がありました。
100人くらいSYNCROOMが使える人が集まるともっといろいろ面白いことができると思いますので、老若男女、SYNCROOMが使える人を増やしたいと思います。

■最後に

先日、ソラマチアカペラストリートで、あるバンドの方から、私の記事を参考にして、SYNCROOMでの練習をやっているというお話を伺い、とてもうれしく感じました。

コロナ禍で集まれないことはもちろんですが、SYNCROOMを使うことで、子供がいるので外に出て練習ができなかったり、遠隔地のメンバーがいて集まって練習することが難しかったり、そんな人たちでもリアルタイムに声を重ねることができるようになればハッピーですね。

今の環境がかなり理想的なので、この環境でずっと歌い続けられればいいと思います。SYNCROOMの安定性も、時々部屋に入れなくなったり、誰かの音が聞こえなくなるという現象は起きていますが、何度か入りなおしたりしてやればなんとかなるレベルで、今まで、SYNCROOMのシステムの問題で、練習やレッスンができなかったことは一度もありません。無料サービスでここまでできているのは素晴らしいと思います。

SYNCROOMはたかが練習の環境でしかなく、練習の時間になると、単にSYNCROOMを立ち上げ、マイクとヘッドフォンを使ってみんなで歌うだけです。でもSYNCROOMがなければリアルタイムでハモるアカペラを続けるのは難しかったでしょう。たまたまいろいろな環境とかタイミングとかが良くて、このようにSYNCROOMでアカペラを続けられたことは本当に幸せなことだと思います。

もし、環境がそろえられそうなら、一度試してみてはいかがでしょう。使える環境を構築できる人にはぜひ普通の練習に使ってもらいたいなと思っています。声をかけていただければ、環境構築のお手伝いはいくらでもやりますので、興味があればぜひコンタクトしてください。


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