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#3. ブックレビュー『本を出したい』|本を出すつもりがない人も読んで欲しい

2024年3月23日に、佐藤友美さん主催「さとゆみゼミ」を卒業。卒業後も、文章力・表現力をメキメキと上げ続けるため、仲間と共に、note投稿1,000日チャレンジをスタート。

noteチャレンジ#3

「何者かになりたい」。

お恥ずかしながら、ずっとそう思って生きてきた。やり直し英語を始めた時には、「留学経験なしの30代ママが、英語ぺらぺらに!」みたいなキャッチコピーを夢見ていたし、教員になったときは、「スーパーティーチャーになりたい」と思った。

だけど、すべて中途半端に終わった。英語力は平均レベル以上になっただけ。スーパーティーチャーにもなれなかった。家族との時間を優先して、4年で教職を辞めたから。

もう40代後半、50代までカウントダウン。最近では、「何者かになりたい」というボワンとした希望は、軽い絶望感と共にあった。


先日まで、佐藤友美さん(以下さとゆみさん)主宰『さとゆみビジネスライティングゼミ』を受講していた。課題は毎回、頭を悩ませるものだったが、精一杯がんばって提出していた。

卒業2週間前、最終課題についてのアナウンスがあった。

「著者になり本を出すとして、企画を出してください。」

その言葉を聞いたとき、「中途半端に、何者にもなりきれなかった私が?無理、無理ーー」と、思った。

しかし、さとゆみさんは、こんな風にアドバイスをくれた。

・自分のタグを洗い出して、組み合わせてみる
・格言になるものを考える
・人に話して喜ばれること

書ける気がしないまま、とりあえず手を動かした。提出期限は迫っている。

まず、思いつく限り、小さなタグを書き出してみた。

最初に書いた私のタグ

タグを書き出しながら、副業をしていること、40歳で新米先生になったことが、私にとっての「センターピン」かもしれない…と思い始める。

つぎに、人に話してみたら、多くの人が、「40歳で新米先生になった話」を、面白がって聞いてくれた。しだいに、教員時代に考えていた、「格言らしきもの」が口をついて出始めた。

すると、大きな変化が起きた。心の奥底に隠れていた「私」が顔を出しはじめたのだ。

・世界中の子どもたちの幸せを強く願っている。
・子どもたちの幸せには、教育が重要だと考えている。
・ひとりでもすばらしい師と出会うことが、子どもたちの幸せにつながる

課題は、「はじめに」から書いた。「『はじめに』は余力があれば、書いてもいい」と言われていたので、MUSTではなかった。でも、これから先生になる人に、私が学んだことを届けたい、熱い気持ちを込めたかった。思いが伝わらないのだとしたら、私の「書く力」の不足だ。もっと、上手くなりたい。

課題を終えて、私はもう、「何者かになりたい」とは思わなくなった。私が書いた文章が、誰かの人生のサプリメントみたいになれたらいい。「どうありたいか」を考えるようになった。

2024年3月22日、さとゆみさんによる新刊、『本を出したい』(CCCメディアハウス)が刊行された。この本を読んで、わたしたちゼミ生は「著者になるワーク」をさせてもらったのだ、と気づいた。

この本は、「本を出したい人」向けの、ド直球なだけの書籍ではない。もちろん、具体的で再現性の高い、実用書だ。いつか本を出したい、伝えたい何かがある人は、MUSTで読んだほうが良い、と思う。

しかし、「本に書けるようなこと、人生に何にもない」と思っている人こそ読んでほしい。この本は、実用書だけど哲学書。つまらないと思っていた自分の人生にも、Hidden Gem(隠された宝石)があると、気づかせてくれる本だ。

実際に私は、この『本を出したい』を読み、企画書を書いてみて、「どんな人間でありたいか」がクリアになった。見える景色が変わって、毎日の生活が色づいた。会う人、起こる出来事、すべてに意味があったのだと気づいた。

『本を出したい』を読んだ人は、「なるほど」で終わらせないで欲しい。ぜひ実際に、企画書を作ってみて欲しい。

たぶん、すぐには格言、出てこないけど…。私は2週間くらい、起きている間中考え続けて、やっと30個出てきた。大川陽介さん著書の『WILL 「キャリアの羅針盤」の見つけ方』に掲載されているワークは、自分を棚卸しするヒントになった。一緒に読むのがおすすめ。

もし、あなたがまだ若く、本当に「まだ語れるものがない」のだとしたら、これから、「どう生きればいいのか」の道標になると思う。
もし、あなたが人生の折り返し地点にいるのなら、私みたいにHidden Gemが見つかるかもしれない。


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