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ランナーから見える起業家像

走るが習慣化すると

年始から毎朝ランニングをしてみようと思って続けていたら、ふと起業家精神に似てるなと思った。

2019年は毎日走ることにチャレンジすることから始まった1年だった。
ランニングを趣味にしてみよう、長い距離を走り続けられるカラダを作りたい、となんとなく思って日課にしてみた。

習慣化すると不思議なもので毎朝2Km弱のランニングコースを走ってから仕事に行かないとなんとなく落ち着かないカラダになってきて、いまや安定の習慣化につながっている。週末は10〜30Kmほど走れるまでなってきた。このパターンをひたすら続けている。

お恥ずかしいながら、1年前は1Km走るのも辛く、3Km走って音を上げて歩いてしまう、情けなさだった。
でも、半年も続けると何とか少しずつ距離も伸び8月に10Kmを走り切ることが出来るようになった。成人になって初の快挙である(笑)。
一度走り切るとカラダが覚えていて、それ以上走れるようになっていく、距離の関門を超えることに喜びを感じるようになるまでになってきた。

しかし、私には大きな課題があることがわかった。15Km過ぎると突如膝が痛くなるという爆弾だった。必ずだったのでこれは持病だと思っていた。

やがて解決策が見えてきた。フォームの改善で治ることがわかった。更に遅くても良いから一定スピードで無理をしないスピードでだ。

それまではスピードを上げたいという気持ちから、素人考えで足を強く前に踏み出し、腰を曲げて前傾姿勢、という極めて逆効果のフォームで走っていたのだ。これでは一歩一歩膝に衝撃が蓄積され結果的に膝が痛くなるということだった。YouTubeで走り方コーチングでそれを知ることになる。

この改善ポイントは実にシンプルだ。お腹を高い位置で保ち、カラダの傾きで自然に足が出るようにすること。
これを知ってから、翌日からこのポイントに注力して走ってみたら、なんと膝が痛くなくなった!!そのお陰で15Kmしか走れなかったカラダが4ヶ月で実に35Km超まで連続で走り切ることが出来るように改善した。一度も歩かずに。

これでようやく自信を持てるようになった。ようやくフルマラソンに挑めるのではないか、という希望(ビジョン)が見えてきた。


長距離ランナーからみたベンチャー起業家とは

この経験からベンチャー起業家も同じような状況ではないかと思うようになってきた。

起業家ってはじめは意気がってジャンプスタートする。世間も騒ぎ立てて、俺って最高!!みたいに勘違いする。顧客が急増して盛り上がった感がある時期である。
しかし、この盛り上がりは一過性であることにその後気づくことになる。顧客もお試し客ばかりで本来の客では無いことがわかり、世間も騒ぎ立てなくなってきて、業績も落ち込む。

そうなのだ、長距離ランナーがジャンプスタートしたら中間地点までたどり着くことすら困難になるだろう。
マラソンランナーから見れば、42.195Kmを走り切るのに100m走のようなジェットスタートで良いわけが無いのだ。

長丁場を走り切るにはできるだけ同じペースで一定のピッチで走るのが最も効率的な走り方なのだ。スタートでダッシュして息が続かず途中でダウンしている姿を思い描いて欲しい。倒れている自分の横を抜いていく他のランナーを見たら、すごく効率的に何の負荷もかけずにスーッと抜いていく情景を見ることになる。

そう!足が自然に重力に従って踏み出され、決して力づくに前に踏み出していない効率的なピッチと、一定スピードで淡々と走っている姿。

だとすると、ベンチャー起業家も同じペースで走れば?と考えるだろう。しかし会社はこれではJカーブ(スタートアップが描く急成長カーブ)を描くことは出来ないと思う。

1人で走ったら、ロングテールの低空飛行のままで急成長は望めない。普通の中小企業のままとなるだろう。
だって無理せず自然の重力にまかせている効率重視だから。成長は見込めないが長期間走り続けることは可能だ。

ではどうすればスタートアップ企業になれるのか?
それを支えるのが共同創業者であり、ビジョン・ミッションに共感した社員であり、VCであり、メンターであり、更に沿道の声援を送る本来の顧客なのだ。

特に共同創業者のメンバーは大事であり、それぞれが専門分野のリーダーとなり、トップの社長を支え合い、先頭ランナーを変わりばんこにローテーションしながら、役割分担してOneTeamで未知の世界を開拓していくのが理想ではないだろうか。

さらにそこにエネルギーを注入するのがVCであり、走り方のコーチもしてくれる大事な存在だ。自分達に合ったコーチを選ぶのも大事である。

大きなビジョンを持っていれば、その希望を支えてくれる、一生応援してくれる顧客が現れるだろう。

さて、2020年はどんなランナーに変身しているだろうか、自分が楽しみでならない。


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