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中国企業の日本法人、どうやってお付き合いする?


「日本支社」という考えが当てはまらない!?

ここ数年、アリババ、テンセント、美団点評など、中国の大手企業が日本に進出をしてきています。我々日本人のビジネスマンの感覚からすると、「中国と同じサービスを日本市場で展開している中国企業」と聞くと、「中国企業の日本法人だな」と思うのではないでしょうか? 実際に名刺交換すると、その企業のロゴが入っていたりするのでそう思ってしまうのは仕方がないのですが、よく見ると会社名が入っていなかったり、会社名が全然聞いてことがない名前だったりすることがあります。これはいったいどういうことなのでしょうか?

決して騙すつもりでやっている訳ではないが、進まないことが多い

まず結論から言うと、中国本社の日本法人という訳ではなく、資本関係がある訳でもありません。ましてや、日本企業が海外法人を設立する時のように、本社から人材を派遣して。。。ということもありません。どういうことか。「日本で〇〇の名前を使ってビジネスしていいですよ」という権利を買っているだけなのです。なので、実際に仕事を進めようとすると本社(中国)側と全然コミュニケーションが取れなかったり、中国の本社側の人と話をすると、そもそも日本にそういった会社があること自体、知られていなかったりします。私が一番印象的な出来事だったのは、以前某中国の大手企業(の名前を使って、という表現が正しい)が高級ホテルの会場を貸し切って大勢の関係者を集めた「日本進出記念パーティー」を開いていたことがありました。その会社の社員と名刺交換をしたところ、いつものごとく会社名がない。記載されていた住所を調べてみると、あきらかに東京23区では「なぜここに?」と思わずにはいられないようなところで、スマホで調べてみると、マンションの一室でした。もはや、怪しげな宗教勧誘パーティーに参加してしまったような気分でした。結局、そのパーティー以降、その企業の名前をビジネス上で聞くことはなく、数年たった現在では、姿・形もありません。こういったことをする中国人も決して悪気があるわけではなく、真剣にビジネスに取り組もうとしているのですが、得てして、うまくいきません。私の知っている限り、うまくいっているのは2,3社くらいです。

名前に騙されず、本質を見抜く必要がある

ここらへんの感覚は、中国企業と仕事を重ねていかないと理解できないですし、理解できない日本企業(特に大手)の担当者が、半分騙された感覚でビジネスが前に進まない、ということがよくあります。こういうことを手掛ける中国人は、得てして賢く、自信満々で営業をしてくるので、ついつい相手の話を丸々信じてしまうんですよね。こういった企業を見極める必要があるマーケットであるというのも、我々中国を専門としたコンサルタントが存在する意義なんだと思います。

現場からは以上です!

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