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【悪い癖】人間に対して吠えたり、噛んだら・・・!?

犬を飼う上で一番気を付けなければいけないことは、人間に対する咬傷事故です。自分が飼っている犬が誰かを咬んでしまったら・・・ということを想像したくはないですが、万が一に備えどのような対応が必要になるのか、知っておくことは重要です。


人間への咬傷事故が発生したら

犬に噛まれて人間が病院にかかると、怪我の治療をおこなった医師は保健所に連絡するよう各地方自治体の条例で義務付けられています。また飼い主は24時間以内に「飼い犬の咬傷届」、48時間以内に感染症にかかっていないか「検診証明書」を出す必要があります。そして今後の事故防止のため、保管所の飼育環境の改善などを相談していく必要があります。


また、咬傷事故の程度によっては、治療費の支払いが請求されることもあります。特に大型犬を飼っている場合は、敵意をもった行動でもなくとも、子どもを死なせてしまうという事件に発展してしまうことがあります。自分のかわいい飼い犬がそうやって人を傷つけてしまうということだけでもショックですが、本当に最悪の場合、殺処分になってしまうこともあります。

「噛み癖があって困る~」と軽く考えている飼い主さんもいらっしゃいますが、「人を噛む」という行動は徐々にエスカレートします。決して「自然によくなる」ということはありませんので、強い意志を持って飼い主さんが「改善させていく」ようにトレーニング等を行っていく必要があります。


どこから問題行動?

人間を咬む行動が見られたら、もうそれは問題行動です。どんなシーンであっても、甘噛みであろうと、関係ありません。「犬は人間に歯をあててはいけない」ということをきちんと理解させましょう。

・遊んでいる最中に人を咬んでしまった(犬にそのつもりがない)
・犬が嫌がっているのにリードや首輪をつけようとしたら咬んできた
・フードボールや食べ物、おもちゃを取り上げようとしたら咬まれた
・犬がかまってほしくて、飼い主の手足を甘噛みする

こういった行動がみられる場合は、必ず専門家に相談し、至急改善を行っていくようにします。

また、「咬む」以外にも将来的に「咬む」行動につながる攻撃行動があります。例えば・・・

・唸る
・吠える
・マズルにしわをよせて、歯をむき出しにする
・人の洋服を噛んで引っ張る、履いている靴やスリッパに噛みつく

軽度であっても、このような攻撃行動が人間に対して見られた場合は、危険信号です。早急に専門家に相談することを強くお勧めします

Tip
人間に対する攻撃行動のトリガーとなる要因は、
1.食べ物やフードボウルを取り上げる、近づく
2.おもちゃなど犬がお気に入りのものを取り上げるようとする
3.知らない人が家にくる、チャイムを鳴らす
4.恐怖や興奮が強すぎて、誤って人間に攻撃性が向いてしまう
などがあります。こういったシーンで、攻撃行動(唸る、吠える、歯を出す)などがないか、よく観察しておきましょう


どうやって予防していく?

まだ人間を咬んだことがなく、吠える、唸るだけ、という場合は、まずその状況が発生するシーンを「発生させないように」徹底的に管理をしましょう。例えば・・・

・フードボールを取り上げようとすると唸る
 →フードボールでフードを与えるのをやめて、飼い主の手からフードを与える

・ガムやおもちゃを取り上げようとすると唸る
 →おいしいおやつと交換する、ガムやおもちゃを与えない

・チャイムが鳴ると吠える
 →チャイムの音を小さくする
 →来客が来そうな時間は犬をクレートに入れてブランケットをかけておく

Tip
こういったシーンで「オスワリ」「フセ」ができれば、吠えたり唸ったりはできませんよね。ベーシックトレーニングはできるだけ、小さいうちから始めておきましょう。


人間に対して攻撃性を見せたら?

犬に人間に対して攻撃性を見せることが「悪いこと」だと認識させる必要があります。ただ、人間の言葉がわかるわけではないので「ダメ」と言葉で言っても通じません。代わりに、犬にとってのご褒美を取り上げるようにしましょう。例えば、おもちゃを取り上げようとして犬が唸った場合は、おもちゃを取り上げたうえで、さらにケージに1分間ほど入れてタイムアウトさせる(=自由時間を取り上げる)ようにします。

決して、飼い主がおもちゃを取り上げるのを止めないでください。止めてしまうと、「吠えるとこのおもちゃが取り上げられない」と学習し、次回以降より深刻に吠えていくようになります。

Tip
犬のウェルフェアを考えた時、たたいて叱るなどの体罰を決して行ってはいけません。また大きな音を立てるなど、犬が嫌がることをして「攻撃行動を見せる=嫌なことが起こる」と学習させるのも重要ですが、先に「何をしたらよいのか」ということを先に教えないと、犬もどう行動していいかわかりません。必ず先に「オスワリ」などのベーシックトレーニングを行って、「飼い主が喜ぶ行動」のレパートリーを増やすようにしてください。


最後に

犬にとって、噛むという行動は自然な行動です。でも、鋭い牙を持っており、歯を人間に向けることは危険になることがあります。また、犬種によっては非常に強いあごの力をもっています。

「人間に決して歯を向けてはいけない」

「人間を噛んではいけない」

ということは、人間とともに暮らすうえで、犬を守るためにも非常に重要なルールであることを十分に理解し、計画的に改善させていくようにしましょう。

なかなか改善がされない場合、コントロールに負えない、という場合は、ぜひ専門家の方にご相談されることをお勧めします!



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