見出し画像

犬にとってのご褒美とは

人にとってご褒美は人それぞれですよね。子どもにとっては、おやつやゲーム、母親の笑顔だったり、ビジネスマンにとっては、昇給やボーナスだったり。犬にとってどんなものがご褒美になるのか、ご紹介します。


ご褒美とは

犬は言葉がわかりませんので、「すごい!」「よくできました!」などの言葉は通じませんよね。犬の五感を通じて、犬の気持ちが「嬉しい」と感じるものを与えることで明確に「ご褒美だよ」と伝えることができます。

例えばまだごはんの時間でないのにフードを上げたり、いつもはあげないスペシャルなおやつなんかはご褒美ですよね。

他にも・・・
・遊びや散歩
・自由時間
・飼い主からのアテンション
が犬にとってのご褒美になることがあります。


ご褒美としての遊びや散歩

飼い主さんと遊ぶのが好きですよね。特にぬいぐるみを使った引っ張りっこなどは犬の狩猟本能に訴える犬の大好きな遊びです。ボーダーコリーなど、フードより遊ぶのが好きというタイプの犬もいます。

お散歩に行くときも、途中は上手に歩く練習をしていても、ついたら十分にくんくんタイムやフリータイムを設けたり、犬とフリスビーなどで一緒に遊んだりすると、お散歩にいくのがより大好きになります。

また、おもちゃも同じくご褒美になりますよ!

ご褒美としての自由時間

クレートに入れるのはなんだかかわいそう・・・という飼い主さんもいらっしゃいますが、それは誤解で、犬はもともと寝るときやリラックスするときには狭くてプライベートが守られる空間にいる習性を持ちます。ですので、家で過ごすときは、自由時間とケージやクレートの中でゆっくりさせる時間を設け、生活にメリハリをつけてあげることが重要です。その際、十分休んだあとに、自由時間を設けてあげると、犬にとっては楽しい時間になりますね。

また、飼い主さんがお仕事で、ケージに入っててもらう時間が長い場合は、犬にとって、自由時間はより明確なご褒美になりますよね。


ご褒美としての飼い主からのアテンション

アテンションとは「注目」のことです。飼い主さんが犬を見ること、犬に声をかけること、触ること、抱っこすること、こういった行為は、犬にとってご褒美です。飼い主が携帯をいじっていたり、料理をしていたりしていると、犬がやってきて、携帯をかじったり、スリッパをもっていってしまったりますよね。それは飼い主のアテンションが欲しくてやっているのかもしれません。


一番わかりやすいご褒美:フード

どの犬にも共通してご褒美になるのは、フードです。犬に対する動機付けの研究の結果、95%以上で食べ物が一番高い動機付けとなることがわかっています(残りの2%が空腹時、質の高い食べ物であること、残りの3%はおもちゃや他の強化子)。他のご褒美に比べて、与えるのに時間がかからない、前後のシーンが関係しないということもあり、トレーニングでもよく活用されます。

いつものフードでもご褒美になりますが、特に

・冷たいフード < 温かいもの
・ドライ < ウェット
・魚、レバー、チーズなどの発酵食品、バナナやりんごなどの甘味
・猫用の缶詰、カツオ、ちゅーる

を好みます。
犬の好みによって、どんなおやつが好きかが異なりますので、いろいろ試してみて、どれが一番好きか調べてみましょう。

Tip
おやつやフードを与えるときは、量に気をつけましょう。特に主食のフードを通常通りあげると、肥満のもとになります。トレーニング等で、ご褒美として与えた分は主食を減らして、カロリーを調整するようにしましょう。
今日のご飯の量 = いつもの量 ー おやつで与える分
また、犬の学習はご褒美の回数を重ねることが重要です。一度に与えるご褒美は「小指の爪」(小型犬以下のサイズの場合はさらにその半分)の大きさにちぎって与えるようにしましょう。


飼い主さんの無意識なご褒美

ついつい、犬がスリッパを持っていったら追いかけたり、食事中にテーブルの下で食べ物を催促したりしたとき、「ダメ」と声をかけてしまいませんか?

実はこれは犬にとって、ご褒美になっているかもしれません。特に犬が飼い主に「こっちみてほしい」「注目してほしい」と思っているときに、アテンションを与えると、犬は「褒められた!」と思って、次も同じような行動をしようと学習します。(ダメの意味がわからず、ご褒美と勘違いしている犬も多いです)

また、「遊びがご褒美」だと飼い主が認識していないと、遊び道具を出しっぱなしにしていて、いつでも犬にとってはご褒美がある状態になってしまいます。同じくケージに入れず、ずっと自由時間にしてしまっていると、これもご褒美がある状態になってしまいますね。

そうすると、犬に良い行動を教えるときにいざ「ご褒美」をあげようとしても、犬にとっては普通のことで、「褒めたいのに褒めることができない」という状態になってしまいます。

問題行動を抑止し、犬へのご褒美の合図を増やすために、正しい理解をもっておくようにしましょう。

Tip
上記にあげたもの以外でも、犬が「楽しい」「面白い」と喜ぶものはご褒美になります。例えば、いたずらをしたときに水鉄砲を使って叱りましょう、というトレーニング方法がありますが、これはあくまで水が苦手なタイプの犬に有効です。犬によっては水で遊ぶのが大好きなタイプもいますが、その場合は、「ご褒美」になってしまいますよね。またお散歩等で喉が乾いているときも水はご褒美になってしまいますよね。犬の行動や反応をよく観察して、他に何がこの子にとって「ご褒美か?」ということを考えてみてください。


犬にとってのご褒美はなにか?自分のとった反応が犬にどう受け止められているのか?を考えてみると、より犬とコミュニケーションがよりスムーズになりますよ!

まずいろんなものを試して、犬の反応を観察してみましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?