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共通言語をつくろう

犬を飼い始めて一番困るのは、どうやって意思疎通をはかるのか、ということ。

コミュニケーションとは

まず言葉の意味を調べてみましょう。

1 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。「コミュニケーションをもつ」「コミュニケーションの欠如」
2 動物どうしの間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。

出展:コミュニケーション(Communication)goo辞書

ここで大事なのは、どちらかが一方的に情報や意思を伝えるのではなく、その情報や意思をお互いに理解しあうことです

ですが、犬は人間の言葉が喋れません。そこで重要になるのが共通言語を作っていくということです。犬が理解できる共通言語を使って、社会的なルールを理解させ、守っていけるようにしましょう、というのが「しつけ」なんです。

合図の基本

人と犬の共通言語は一般的に合図・コマンド・シグナルといわれますが、いくつかルールがあります。

ルール1:わかりやすいこと
ルール2:同じ合図を使うこと
ルール3:複数の合図を同時に出さないこと
ルール4:同じ姿勢で合図を出すこと

このルールを使うと、犬が理解しやすくなり、共通言語がスムーズに導入できるようになりますので、細かく見ていきましょう。

ルール1:わかりやすいこと

実は声の合図は犬にとって、すごくわかりづらいんです。耳がいいといわれていますが、同じ言葉「オスワリ」を言っても、おばあちゃんが言ったのか、子どもが言ったのかによって、かなり聞こえ方が変わりますよね。他にもイントネーションの違い、男性・女性の声の違い、気分による違い、話すスピードの違いなどで、ものすごくバラエティーがあります。それを犬が同じ合図、と認識するのには、時間がかかります。

そこで、個人差の少ない「手の合図(ハンドシグナル)」を使ってみましょう。他にも「その行動、イイね!」を使うときはクリッカーを使うのもおすすめです。


ルール2:同じ合図を使うこと

「オスワリ」という合図でも、英語の「Sit」を使ってみたり、「スワレ」と言ってみたり、家族の中で違う単語を使うと、ただでさえ、発声の違いがある中、犬が混乱してしまいます。
そのため、基本的には

一つの行動=「手の合図」x1 と「声の合図」x1

をお勧めしてます。

例えば、足元までやってくるという行動に対しては
手の合図:足元に手を置く
声の合図:「オイデ」
と決めて、家族の中で同じ合図を使っていきます。

また、「来い」など他の合図も学習させたい場合は、「オイデ」が80%以上の頻度でできるようになってから、他の合図を教えていくようにしましょう。

ルール3:複数の合図を同時に出さないこと

オスワリの状態でマテをさせたい場合は、「オスワリ」+「マテ」を一緒に同時に合図するのではなく、一つの行動を犬が完了してから、次の行動を合図します。

「オスワリ」→犬がオスワリの状態になる→「マテ」→オスワリのポーズの状態でマテが始まる

複数の合図を同時に出さないのは、二つ理由があります。

理由①:
まだ「マテ」という動作を覚えていない場合、犬にとって「オスワリ」しか理解しません。「マテ」という動作を学習できずに終わってしまいます。これは、子どもたちがチャイムが鳴ったら給食だ!と認識していた場合、もしチャイム&銅鑼が鳴っても、給食と下校だ!という学習につながらないのに似ています。心理学上、この現象を「阻止」といいます。

理由②
両方の合図をそれぞれ学習し終わっている場合でも、犬にとってどちらか先に提示されたほう、または目立っているほうの指示に従います。つまりどちらかの指示は気づかれないことが多くなります。この現象を「隠ぺい」と呼びます。
これは、「手の合図」と「声の合図」を同時に指示した場合も起こります。同じ意味でも、異なるやり方で同時に「合図」を出すことはしないほうがいいでしょう。


ルール4:同じ姿勢で合図を出すこと

ついつい、オスワリをしてくれなくて、前かがみになって「オスワリ」と合図していることありませんか?犬はもしかしたら「オスワリ(声の合図)」≠座ること、ではなく、「前かがみの姿勢」=座ること、と学習しているかもしれません。

こういった何気ない飼い主の姿勢・表情が犬にとっての合図になってしまう可能性があるため、できるだけ声の合図をするときは、立って手を後ろに回すなど同じ姿勢で合図します。

犬が合図を覚えてから、いろんな姿勢、座ったり、しゃがんだりして、姿勢は関係ないんだよ、ということを覚えさせましょう。

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