見出し画像

デンマークの小2はどんな勉強をしている?

デンマークでは8月に年度が変わる。娘は今月、小学校2年生に進学した。

私は、娘が学校でいったいどんな勉強をしているのか、よくわかっていない。というのも、宿題もめったになく、教科書とかワークの類は学校に置いたままで、家に持って帰らないから。学校でどんな勉強しているの?と娘に聞いてみるけど、その説明もなんだかよくわからない。

1年生の頃には、娘が学校にしばらく筆箱を持って行ってないことが判明したこともあって、おいおい大丈夫か、と心配にもなった。

先週は珍しく宿題が出た。その内容というのが「週末の間に、テキストの2ページ分を2回音読すること」。この記事のトップ写真に使っているのが、そのテキストで、5分ほどで終了。そして、うまく読めたことをベタ褒めするデンマーク人夫。これまでの宿題も「2ページ分を音読する」というもので、それも月に1回あるかないかという程度だった。

比較のために、娘が毎週土曜日に通っている日本語補習校で出される一週間の宿題をお伝えすると、こんな感じである。

  1. 教科書13ページ分の音読(何回読んだか回数を記入)

  2. 日記を1日分書く

  3. 国語のワークを2ページ

  4. 漢字のワークを4ページ

  5. 算数のワークを5ページ

  6. 算数のドリルを3ページ

日本の小学2年生がこなしている宿題や、塾での学習量から比べれば、一週間でこの量でも別に大したことはないのかもしれない。でも、ふだんは宿題ゼロの世界で生きている娘にしてみれば、これがもう大変なのだ。やらせる私だって大変で、「お母さんはいっつも、宿題、宿題ばかり言うから、楽しくない」と娘に言われてへこんだりする。たまーにテキストを2ページ読ませるだけで、激褒めして終われる夫が恨めしい。

それはさておき、デンマークの学校の話に戻ると、一週間の授業のコマ割りによれば、国語、算数、英語、音楽、体育、自然科学といった教科を学んでいるらしい。だが、私はデンマークで育ってないし、いったい何をどんなふうに学んでいるのか、イメージがわかない。

手掛かりを求めて、クラスメートのママ友、パパ友に尋ねてもみた。ところが、これがまた揃いも揃って「いやー、私もよくわかんないのよ」という返事である。

クラスメートの親たちは、30代後半から40代前半くらいの年齢層が多いのだが、それでも彼らが子どもの頃は、もう少し日本的な、読み書き計算的なことを学んでいたらしい。ところが最近は、そういうことをあまりやらなくなって、子どもに聞いても内容がよくわからないので、まあそのうち学んでいくんでしょ、と鷹揚に構えている感じなのである。

ちなみに、デンマーク人の夫も同じ反応である。まだまだ子どもらしく、遊びの時間や自分の好きな習い事を中心に過ごす時期だと考えていて、学校で何を学んでいるかには特に興味がない様子だ。

クラス担任と教科の担任が、学校での子どもの様子について伝えてくれる面談の機会も、年に2回ほどある。ただ、そこで聞いたのは、どの友達と仲良く遊んでいるかとか、面白いジョークを言って笑わせてくれますとか、そんなことが中心で、勉強については「問題ありませんよ〜」とにっこり。以上。テストもないし成績表ももちろんないから、なんだか雲をつかむような内容なのである。

で、一向に具体的な手掛かりがつかめないので、クラス担任に「授業の様子を見てもいいですか?」と聞いてみたこともある。だが、「教室は先生の聖域なので、誰も入れません」とのことだった。まあ、それは日本も同じかもしれないが。

ただ、何を学んでいるのかかが少しだけ垣間見える年に一度の機会が、先日あった。新しい教科書が配布されたのである。テキストに名前を書くため、家に持って帰ってきたので、そのいくつかに目を通してみた。

全体的に、イラストが多くて、遊びながら教えようしているのがわかる。たとえば、英語の教科書だとこんな感じ。

英語のテキスト

デンマーク語の教科書だと比較がしづらいので、算数のテキストの最後の方のページを開いてみた。デンマークでは今月、2年生の学年が始まったばかりなので、日本の同い年の子に当てはめると小学校3年生のはじめくらいに学ぶ内容だが、それでこんな感じ。59-31という計算とか、「58個クッキーを焼いて、猫が24枚食べたら、何枚残っているでしょう?」という文章問題である。

算数のワーク

うーん、これは日本の3年生にはかなり簡単に見えそう。

ここから先は

518字

スタンダードプラン

¥600 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?