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毛利元就かっこいい病

タイトルに反しこの絵は亀井秀綱である。
そういうわけで自分は大内義隆が主人公の漫画を描いている。

いつまでも第一話しかないじゃんと言われないためにも第二話を鋭意制作している。サブタイトルを考えてはやめるので、多分サブタイトルはない。因みに今まで考えたのは「ひばりのこころ」「皇帝の新しい心」とかで、人様からのパクりであることだけは共通している。今後も「表徴の帝国」「現代社会の神話」「悲しき熱帯または安芸国」など、私のIQレベルから明らかに浮いてる素敵なサブタイトル案を積極的に考えて(パクって)いきたい。

ところでネームを詰めていて気づくのは、この時代の話を作る時、多分どんなにそんなつもりはなくても、最終的に
「毛利元就かっこいい病」
に罹患することを防ぐのは多分難しいということである。

客観的な事実として、毛利元就はこの時代のメンツの中では最後まで生き残る人である。運もあっただろうが立ち回りが上手かったのもまた事実である。大寧寺の変も厳島の戦いも切り抜け、西国最大勢力になるのは彼なのである。
加えて、彼はもともと大内尼子の緩衝地帯に生まれ、出だしが最悪というところから始まる。親父がアル中で死に、乞食若殿と呼ばれ、太陽に祈って大根や蕪を引っこ抜くみたいな生活から困難な状況の中を成り上がっていく。このような背景を持つキャラクターを頭の鈍いうすらバカや特に視点を持たない普通の人間で済ませるのはとても難しい。作者としてはどっかで話を進めないといけないからである。そういう時に、そうだこいつ便利!と駆り出しがちなのがこの元就君である。いきおい油断するとたちまち元就が戦隊物とかの博士とかキバヤシみたいなキャラクターになりかねない。おまけにこいつ博士ポジションなだけでなく現場で活躍するようなエピソード(逸話)も多い。ますます使える。この時代を扱った小説の感想で、なんか主役がライバル役ポジションのはずの毛利元就に食われてるというものを見かけたが、そうなるのもさもありなんといったところで、ほんとに気をつけないといけないと思う。
自分は毛利元就には別段思い入れはないし、主役の義隆も含めて誰かをえこひいきするようなストーリーはなるべく避けたいと思っている。元就なんてあの三本の矢とか言ってる人でしょ?としか思っていなかった4年前までの気持ちを決して忘れたくないのである(それ以前の自分にとって毛利とは、大学時代の絵がうますぎる先輩の名前、あるいは8年前に急にハマったサムライトルーパーの一番ダメそうなやつの名前であった)。それでもなお、元就に多くを負わせ、語らせ、結果としてそんなつもりは毛頭ないのに何かかっこよくなってしまうみたいな謎の罠があるということを思わずにおられなかった。だからってヘボくしたいというわけでもないけど、気をつけようと思う。

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