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昔していたびっくり作曲法・What You've Left Behind

今からちょうど26年間前に、まだコードのことはよく分からないまま曲を書いていました。

大人になってからエレクトーンを暫く習ったのですが、筋道を辿って習った方はコードの基礎的なことは知っているはずですが、私は楽譜は読めたので、コードネームは全く無視して三段譜の楽譜を読んでそのまま弾いていました。

基礎が出来ていないので、コード進行の講座に行ってもちんぷんかんぷんでした。

一応テキストを買って自分で勉強しかけたことは何回かありましたが、毎回挫折していました。

その後エレクトーンもやめて、幼い子どもたちの子育てに追われながら、とにかく自己流で、浮かんできたメロディーに合わせて和音をつけるということをしていました。

それでも、そんなに複雑なものでなければそこそこ理に叶ったコードはついていたので、趣味として楽しむ分にはそれで間に合っていました。

ある時突然に頭にメロディーが浮かんで、暫くの間同じものが繰り返し頭の中で鳴っていたのでピアノで弾いてみました。

いかにもジャズっぽい雰囲気のメロディーでした。

浮かんだメロディーは3小節。でも、そこから先が分からなくて、ちょっと浮いたようなメロディーなのでキーもわからず、そのまま暫く保留にしておきました。

でも、私はそのメロディーがとても気に入っていて、これが完成できたらいい曲になるかも…と何とか続きを書きたいと思っていました。

数ヶ月後、やっと続きのメロディーが分かってきて、和音をつけ始めました。

何とかジャズっぽい和音にしたかったのですが、当時はダイアトニックも知らなかったし、ジャズのツー・ファイブ・ワンなんて知らなかった私。

キーも分からない、コードの知識もない…それなのにどうやってコードをつけて行ったかと言うと、

メロディーを弾きながら適当に3つか4つの鍵盤を左手で押さえてみる。とにかく適当に!

そこから、指一本一本を右や左にずらしたりしながら、メロディーに合った音を探す。

そして、ようやくイメージに合う和音の響きを見つけたら、コードの本を開いて、この音が含まれるコードネームを探す。

ここが結構大変でした。自分が押さえているコードが必ずしも基本形ではないので、本で探してもなかなかコードが見つかりません。

今思えば当たり前ですけれど…。

その場合は、似たような音の組み合わせのコードを探して、その中から一番イメージが近いものを採用しました。

そうやってひとつひとつコードをつけて行きました。

お分かりかと思いますが…

このユニークな作曲法は、

とーっても長〜〜い時間がかかりました。

1日に数小節かしか進みません。🐢💨💨

それでも、その時は自分のイメージにぴったりな響きを見つけたときの喜びは大きくて、楽しくて仕方がありませんでした。

ワクワクしながらやっていました。

誰かに聞いてもらいたいわけでもなく、CDを作りたいなんて微塵も思っていなくて、ただ、今よりずっとずっと純粋な喜びの為だけに夢中になって曲を書いていました。

幸せな時間でした。

その後音楽を諦めて、作曲もやめてから15年近く経って、作曲を習い始めました。

最初に習った先生がロック系ミュージシャンだったのですが、レッスンにこの曲を持って行きました。

すると、出だしのところで、「このメロディーはいったい何調なんですか?」と訊かれて、「自分でもよくわかりません… (汗)」と答えました。

すると先生が「こう来たら次はこうなるはず…」とメロディーを変えようとし始めたのでした。

その時私は、この最初の3小節のメロディーが好きで頑張って書いたのに、変えられてたまるか!と思ったのでした。

今思うと知識はないくせに、意地はあったんですね。

それで、「やっぱりこの曲はやめて、他の曲にします」とすぐに引っ込めました。

以来、その曲はずっとファイルにしまったままになっていて、楽譜もすっかり古びて行きました。

それが、

2年くらい前にCD作りのことを具体的に考え始めてから、この曲を入れられたらいいなぁ…と思って改めて取り組んでみました。

移調はしましたが、気に入っていたAメロは昔書いたそのままで、Bメロは新たに書き換えました。

コードを見直したら基本的にはそんなにでたらめなものではありませんでした。

あの作曲法でよく頑張った当時の私を褒めてあげたいと思いました。

今回演奏をして頂いたdoe4の皆さんが、素敵な演奏をしてくださいました。

オリジナル曲なので出来るだけメロディーを聞いてもらいたくて、テーマのメロディーを崩さないで演奏するようにお願いしました。

もしかしたらジャズミュージシャンにとって、それはストレスフルだったかも知れませんが、丁寧に演奏していただき、感謝です。

アルバムトレーラーにも抜粋しましたが、改めてそのAメロだけ拾ってみましたので、ちょっと聞いてみてください。

そして、CDを聞いていただけたら嬉しいです。

What You've Left Behind〜あなたが残したもの〜


自分の感性で良いと思うものが、必ずしも他の人には分かってもらえないこともあります。そんな時、ちょっと頑固に自分を曲げない…

というのもありですね。

今、このCDを聞くたびに、あの時レッスンでメロディーを変えなかったことを、作曲した26年前の私が喜んでくれている気がしています。

そして、過去の私はまさかこの曲がCDになるなんて…とびっくりしていることでしょう。

そんなことがあって、今自分がしていることを、10年後、15年後の自分が喜んでくれるような生き方をしたい…とも思うこの頃です。


(小声で)一応長生きする予定なので…




ここからはいつものお知らせです。
【YOKO】の自主制作オリジナルアルバム

•YOKO × doe4 / Prayers(プレアーズ)

アルバムトレーラーはこちらです。

ご購入はこちらからお願い致します。

【creema】YOKOの公式オンラインショップ

https://www.creema.jp/item/9434785/detail

公式オンラインショップの他に、こちらからご購入頂けます。

【ディスクユニオン】(委託販売は9月中旬までの予定です。10月現在まだ購入可能になっておりますが、もし販売終了していましたら他からお願い致します。)
オンラインショップ

https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008156827

店舗販売

・お茶の水 JazzTOKYO
・新宿ジャズ館
・吉祥寺ジャズ館
・横浜関内ジャズ館

【島村楽器 イオンモール幕張新都心店】(お店の方にシマレコのコーナーとお尋ねください)

【BOOKばざーる】
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