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理学療法士の起業にあたり、弁護士に関わってもらうことにした話

いやはや、ずいぶんご無沙汰してしまいました。
この10日間で、起業に向けて色々と大きな動きがありました。

まずは起業準備にあたり、今後は弁護士さんに関わってもらうことにしました。(いわゆる顧問弁護士というバックアップをつけるということです)

実は、理学療法士には開業権がありません。
正確にいうと、医師の指示がないところで、「理学療法という治療」を行う
ことは法的に認められていないのです。

これは、理学療法士という仕事を活かして外の世界で仕事をしていきたい人にとっては誰もぶち当たる壁であり、この法律の意味を理解した上でサービスを提供していくことが求められます。

私の場合、企業を相手に仕事をしてきたいと考えているので、間違った法律認識で事業展開した場合、相手起業に莫大な迷惑がかかり、社員様がいらぬ不利益を被ります。

でも理学療法士の雇用を安全に増やす、というこだわりは捨てたくない。
今後、業務委託してくれる企業にも安心して契約してほしいですからね^^


そのため理学療法士として、どこまで動くのは法的に問題ないのか、どこがグレーで、どんな行動を行うとクロになりうるのか、その線引きを正確に把握するために弁護士の先生に相談することにしました。

企業間訴訟などにも詳しい弁護士さんにお願いし、自分の行いたい事業や営業に使いたい資料を確認してもらいました。

結果。。。
めっちゃありがたいアドバイスをいただいております。

初めて弁護士さんと話しましたが、弁護士さんは法律で出てくる言葉で引っかかる部分があると必ず広辞苑で調べて、グレーな解釈がないかを擦り合わせるんですね。

例えば、理学療法士・作業療法士法 第2条により


理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

と定義づけられています。

理学療法は「身体に障害がある者」に対して行われる治療であると定義づけられているのです。
ここで弁護士さんは、「障害」という言葉に引っかかったようで、これを広辞苑で引きます。
調べると、障害とは「急性・慢性に関わらず、苦痛を伴っている状態。」

つまり厳密に言えば、身体に苦痛を感じている人に「医師の指示なく理学療法という名前の治療を行う」場合は、法律上クロになりえるわけです。

逆に言えば、健康な人に対して、予防的に理学療法士が関わることは法に触れない、という解釈になります。
事実、9年前に理学療法士協会は厚生労働省にお伺いを立て、その結果、健康な人に対する予防事業であれば医師の指示なしに理学療法士の名のもとに行うことは問題ないとされました。

厚生労働省ホームページより:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9709&dataType=1&pageNo=1

これにより理学療法士が予防医療に関わることが法的に認められたことになります。

一方、理学療法士が「整体」として開業していることは多い現状です。
「整体」は資格がなくてもできる行為なので、これ自体は問題ないです。(フットセラピーとかアロママッサージなどは、国家資格はないですが、身体を触る仕事をしていても法的に咎められません。)
しかし、ホームページなどを見ると、かなりクロに近い、もしくは彷彿とさせるような表現を用いて自分の技術を紹介している整骨院も散見されます。

繰り返しますが、理学療法士が医師の指示がないのに、障害部位に対して治療する行為は法的にアウトです。

私は働く人の健康増進を手伝うことにより、日本の企業に貢献したい。
そのために理学療法士の経験を活かしたい。

自分が向かっていきたい方向に進んでいくために、どのように事業を組み立て、法的制約を理解した上で事業説明をしていくのか?

弁護士さんの手を借りながら、実装に向けて進めていきたいと思います。



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