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おばあちゃんZINE

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亡き祖母の人生をインタビューでたどりZINEにします。幸せな思い出だけじゃなく、後悔や葛藤も言葉にすることで何が起こるのか。実験の一冊です。
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#追悼インタビュー

大切な人が亡くなったからこそできること

あんちゃさんのツイートが目にとまった。 熱い思いが湧き出てきて、こんなツイートをした。 亡くなった大切な家族に「話を聞けばよかった」と後悔する気持ちは痛いほどよく分かる。私も祖母の死を経験して以降、まさに同じことを思い続けてきたから。 仕事で悩んだとき、 「おばあちゃんはなんの仕事をしていたのだろう?」 「そのとき、悩んだりもしたのかな?どうやって解決してきたのかな?」 夫と喧嘩したとき、 「おばあちゃんもおじいちゃんと喧嘩したのだろうか?」 「どうやって仲直りしたの

緊張しいだからこそ書いて伝える

毎月通っていたお気に入りのカフェがもうすぐ移転する。 移転前にいまのお店を記憶にやきつけておきたかったので、昼ごはんを食べにいった。 食べ終えて会計をするとき、店主さんが私のことを覚えてくださっているようだったので、「移転、もうすぐですよね」と言葉をかける。 「はい、少し遠くなっちゃうんですけど、またよかったら来てくださいね」 緊張していた私はとっさに「もしかしたら転勤するかもなんですけど、(少しの間)でも必ず行きます」と答えた。 その少しの間のところで、「あ〜」と

これから10年で生き方を考えよう。

大切な人が大きな病気にかかり、生死をさまよっているとする。痛みに苦しむ表情はとても辛そうだけど、それでも死なないでほしい。延命治療をして少しでも長く生きていてほしい。それが唯一の正解だと思っていた。 でも違っていたみたい。 少しでも長く生きることが唯一の正解だと信じて疑わなかったのは、自分が患者側になることを想像していなかったからだ。誰にでも死は訪れる。そう頭では分かっていても、どこかまだ先のことだと思っている。患者目線ではなく、家族目線でのみ考えたとき、答えは一択、「延

面識のない、亡き祖母の友人に手紙をかいた話

大切なあの人の人生を辿る。そんなインタビューをライフワークにしています。第一弾はわたしの祖母。顔を見て話すことはもう叶いませんが、家族や親族そして友人に、彼女との思い出を聞かせてもらいます。インタビューをとおして、どんなおばあちゃんと再会できるだろう。楽しみだなあ。 祖母の人生を辿る「追悼インタビュー」をするにあたって、まずは祖母の友人に連絡をとることにしました。 「おばあちゃんの友人なら、Tさんかな」と叔母。 生前、祖母の交友関係は広くはなく、家族が知っているのはただ

おばあちゃんZINEの制作、はじめます。

2012年の夏、おばあちゃんがこの世を去って行きました。 正直なところ、「素直に思いを伝えればよかった」「もっとおばあちゃんの話を聞けばよかった」という気持ちが今もぬぐえないでいます。おばあちゃんに会いたい気持ちを、どうしようもできない夜もあります。 この後悔をどうにかしたい。どうにかできるようなものではないかもしれないけど、それでも何かできないか。そこで考えついたのが、「おばあちゃんZINE」という活動を始めることでした。 おばあちゃんZINEとは、おばあちゃんを知