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#01_アーティスト・イン・レジデンス(AIR)って何?


はじめに-筆者について

初めまして!現代美術家/イラストレーターとしてアート活動をしているYoko Ichikawaと申します。

詳しい自己紹介は、後ほど別記事で取り上げたいと思っていますが、私はもともと美大出身ではなく、大学では美術史を学び、社会人としてメディアや教育分野で経験を積んできました。

自分の人生を振り返る中で「人生は一度きり」と一念発起し、昨年、本格的に創作活動を再開しました。

現在は“対話”を起点にした作品を制作しており、ヴィジュアルアートの分野でインスタレーションやドローイングなど自分の興味関心の赴くまま、制作活動に打ち込んでいます。


アーティスト・イン・レジデンスとは?

私は東京や群馬を拠点に活動する傍ら、アーティストとしての研鑽を積むために、国内外のアーティスト・イン・レジデンスで滞在制作を行っています。

<参加レジデンス一覧 ※2024年5月現在>
ONE PLUS ONE, Greece(2024, 6月〜)
アーティストインレジデンス日高村 (2023)
ありがとうファームHUB Lab. AIR (2023)
マイクロ・アート・ワーケーション MAW (2023)
Arte Studio Ginestrelle & Writing residency, Italy (2023)
HARP Horse and Art Research Program, Hungary (2023)
渋川アートリラ(2023)

アーティスト・イン・レジデンス(AIR)とは、アーティストが一定期間、特定の場所に滞在しながら制作活動を行うことです。

元々ヨーロッパやアメリカで主流なプログラムですが、現在はアジアや南米、アフリカなどさまざまな地域でレジデンスが運営されています。

日本においては1990年代から自治体を中心に全国各地で始まり、現在では、自治体に限らず、個人や福祉事業所、ホテルなど、さまざまな団体がレジデンスを運営しています。

全国で200件以上!急増するAIR

全国のアーティスト・イン・レジデンス数を示したグラフ(Yoko Ichikawa作成)

アーティスト・イン・レジデンスには個人から地方自治体が運営するものまで、さまざまなタイプがありますが、現在、閉鎖/休止しているレジデンスを含めると、全国で200件以上のレジデンスが存在しています。

上の図は、各都道府県におけるアーティスト・イン・レジデンス数を示したものです。なお、2023年5月現在で運営されているレジデンスをピックアップしており、検索にはひっかかるものの、ウェブサイトが存在しない、近年更新が見られないといったレジデンスは適宜削除しています。

図を見みてみると、全ての都道府県に稼働しているレジデンスがあることがわかります。特に数が多いエリアに共通するのは、アーティスト・イン・レジデンスを推進する組織や団体が音頭をとっていたり、ノウハウを持った人材が活躍していることです。

一方、レジデンス数が少ない地域であっても、農業や林業といった地場産業を体験したり、神社仏閣に滞在しながら制作するなど、独自のプログラムを提供する場所も増えてきています。

なぜnoteを始めるのか?=アーティストのための情報が圧倒的に少ない

このように全国各地にAIRがある一方、レジデンスに参加するアーティスト向けの情報を得るのはとても難しいのが現状です。

もちろん国内のAIRを検索するためのプラットフォームなどはありますが、全てのレジデンスを網羅しているわけではなく、SNSやプレスリリース、レジデンスの運営サイト等を定期的にチェックする必要があります。

また、レジデンスを運営する方々のための情報や書籍、論文等はあるものの、アーティスト向けの情報は知人の紹介や口コミ、インターネットで体験談を頑張って検索するといった手段に頼らざるをえません。

私自身、初めてアーティスト・イン・レジデンスに参加する際、アーティスト向けの情報が少なくとても苦労しました。アート界隈の人脈やコネクションがほとんどなく、そもそもレジデンスはどんな場所なのか、制作のスペースはどの程度確保されているのか、どうすれば公募を通過することができるかなど、手探りの連続でした。

ですが、レジデンスを通じて知り合ったアーティストの皆さんと話していると「面白いレジデンスを紹介してほしい」「どんなレジデンスがあるか知りたい」「海外の経験を聞きたい」などとお声がけいただくことが増えてきました。

アーティストとしての活動記録をつけるだけでなく、自分の経験がこれからレジデンスに挑戦される皆さんに少しでも役立てばと思い、noteを始めることにしました。

こんな人に読んでほしい!

このnoteではアーティスト・イン・レジデンスに関する知識から国内外のレジデンスの体験談、アーティストの方々へのインタビューなど、さまざまな切り口でアーティスト・イン・レジデンスについてお伝えしたいと思っています。

  • アーティスト・イン・レジデンスの仕組みについて知りたい!

  • 国内にどんなレジデンスがあるか知りたい!

  • 日本だけでなく海外のレジデンス事情について知りたい!

  • レジデンスの応募の仕方/コツを知りたい!

  • レジデンスに参加するメリット/デメリットを知りたい!

このnoteを通じて、アーティストの、アーティストによる、アーティストに向けた情報をお届けしたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

Yoko Ichikawa


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