【元教員の本音】評価するのも、評価されるのも苦しい
教員が苦しくなってしまった理由
家庭との両立のこと、職場での人間関係、学校教育への疑問、、、
たくさんありますが、理由の1つとして「できるか、できないかの評価を常にしなければならない。」を今日は取り上げてお話ししたいと思います。
学校はもちろん学習する場所です。
先生という立場では
「子ども達がどこまで学習を理解できているのか?」
「この子はどこでつまずいているのか?」
という視点は欠かせません。
つまずきを解消して「わかった!」という子ども達の笑顔を見られることが、先生としてのやりがいでもあります。
ただ、学習以外でも
「できているか」「できていないか」
を判断しなければいけない状況が、常に続いています。
「大きな声で挨拶できてる?できてない?」
「友達と仲良くできてる?できてない?」
「自主的に係活動してる?してない?」
【できることが多い方がいい】
【できるようになろうとする努力やその姿勢が美しい】
もちろんその感覚や思いは間違いではないです。
私たちは頑張る人を応援したくなります。
しかし私達は1人1人が未熟な人間なので、できないことだってあるし、頑張れない時もあります。
そんな自分が出てきた時、またはそんな人が周りにいる時、その状況をどう受け止めていくのか、、、
私達は教わる機会がなかなかありません。
さらに教員となると「できる?できない?」を正しく判断しなければならないというプレッシャーも抱えています。
『自分もお手本となる正しい人間でありたい』と思うので、自分自身にも厳しいジャッジを下してしまいます。
もっともっと、、、と自分に対して求める要求は高くなり、自分のことも「できている?できていない?」の視点で見続けてしまいます。
だからこそ、成長できる。
でも、できないことに直面した時に
そんな自分を受け入れられず、絶望してしまうこともあります。
このように、評価する立場だからこそ苦しむことがあります。先生の真面目さゆえなので、誰も悪くないのですが・・・
そして、意外と自己肯定感が低い先生もたくさんいます。表面上はニコニコ・はきはきしているけど、自信のなさを隠そうとして完璧な自分であろうと実は必死だったりします。
(私もその一人でした。)
一方で、マインドルネスを学んでいく中で驚いたのは【判断しない】ことが大切だということです。
マインドフルネスを実践し始めたばかりの頃の私は、
「このやり方で正解なのかな?」
「ちゃんとできているのかな?」
と不安に思うことが多くありました。
しかし、マインドフルネスはその判断を下さなくていいのです。
その話を聞いた時、私はとてもほっとしました。
「自分にも周りにも、正解を求めなくていいんだ。」
「ありのままの自分を受け止めていいんだ。」
きっと私は、正解を求めることや無意識にジャッジを下していくことに疲れていたんだと思います。
あえて【判断しない】時間をつくることで心が穏やかになる。
マインドフルネスを取り入れていくことが、先生の心を守るために必要だと思いました。
そしてもうすぐ2学期終業式。通知表を渡す準備が終わっている先生、そわそわして待っている子ども達がたくさんいることでしょう。
通知表を渡す時、実は先生も不安なんです。
これでいいのかなって。
どこかで子ども達の頑張りを見落としてないかなって。
自信満々で成績つけられる先生はなかなかいません。
そして受け取る側も「満足!嬉しい!」という気持ちいっぱいで受け取れる子ばかりでないのも事実です。
先生や子ども達、保護者も忘れないでおきたいのは、通知表に書いてある評価はただの数字でしかないってこと。
(○、△の学校もあるかな?それもただの記号だってこと)
学習がどれぐらいわかっているかの指標の一つであって、それで人生決まらない。人生終わらない。
だから渡す側も、受け取る側も、どうか心に余裕をもってほしい。
子ども達が
「自分は何が得意で、何が苦手かな?」と
それぐらいの分析はしていいけど
「全然勉強できなくて、ダメなやつだ。」
「自分にできることは何もないんだ。」
と自分にレッテルを貼らないように、大人のフォローは必要だと思います。
ただの数字や評価にとらわれて、自分の価値を下げないようにしていきたいですよね。
私たち、大人も。
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