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冷凍マグロになって私を忘れた話

前回のお話>【極寒報告】実家in埼玉 そして大晦日

さてさて、前回のお話にもありますが埼玉で私は冷凍マグロ状態になりました。

寒さに対して、年季の入った忍耐スキルを持った89歳の母親に比べたら、私なんて甘い甘い。しかも昨年から体を温めようと取り組んでいた私にとっては真逆の世界。簡単に瞬間冷凍マグロの出来上がり。
毎晩のお風呂3回追い焚きプッシュでも解凍しきれませんわな。

今回は私が冷凍マグロになってからの話。
ヒトの生存本能というのは素晴らしいもので、3日経てばその置かれた環境に慣れるものです。半分お外のような実家の環境に慣れるのです。(慣れるとヒトは→マグロに成れるのです)
朝の身支度から夜の布団へ潜り込むまで、常に防寒仕様で動くのです。

やはり神戸でのノンビリポヤンとした生活をそのまま実家で送ることは難しいわけで、実家の主である母親のルール、群れの掟のなかで生活をするわけです。

そして母親にはいろんなところで拘りがございましてね。呑気で雑な私にはしばしば気を遣うところでございます。
とにかく母親に小言や叱られることがなによりも嫌なもんで…、母親のルールに自ずと従ってしまうわけです。
わりと無意識に。ナチュラルに。

実家では大したことはしなかった(いや寒さで動けなかった)のですが、母親が普段やれないことを代わってするつもりで帰省しました。
一緒に買い物を付き合って荷物持ちとか、重いものは私が持つとか、布団を干すとか、高いところのものを取り出しておくとか、掃除機をかけるとかね。母親の動きに合わせていくというか、母親の態度を常に気にするようになっていました。
無意識に。ナチュラルに。

埼玉帰省は寒稽古ならぬ、なんかの修行気分。
厳しい訓練が終了したときって、感動というか充足感というか、ある種の高揚感というのが沸くんですかね。
駅まで見送ってくれた母親を見て「やったぞ!私!」と思ったかどうかは分かりませんが、うっすら涙を浮かべたりして、神戸に戻りました。

神戸に戻ってきたらおかしいのですよ。私。
数日前まで世を儚んでいる原始人と化していました。

神戸に戻った直後から異変。
とにかく愚図る。
「もういやなのぉーーーー!!」
「ぎゃーぎゃーぎゃーーー!!」
と、擬音、擬態で表現。

自分で自分をどう扱ったらいいのか、宛所のない気分の悪さで愚図る。
小さい子供が理由も分からずグズグズするのとまるで同じ。
体調が悪いと小さいお子さん愚図るでしょ。きっとどこが悪いのか、なにがおかしいのかも認識できていないんだと思う。
でも気分が悪いっていうのは感じてる。

相方さんは面白そうに遠目でその様子を見てましたよ。
まともな意思疎通はできませぬ。

私自身本当につらい。理由とか理屈とかじゃなくて、とにかく気分が悪いのだから。
神経がとてもデリケートになっているので、ちょっとしたことで気分を害してしまう。悪いこと言いたくてしょうがない。相方さんには申し訳ないけど悪いことばかり投げてましたよ。
ひげが汚いとか、髪が伸びて汚いとかとか…そのほかいっぱい。
そして睡眠がおかしくなった。
朝4時に起きたかと思ったら、翌日は泥のように眠る、何時間でも眠るという現象が現れてきました。

暴走する思考が、止められない止まらない。
ロクなこと考えないし、ロクなこと言わない。
「あ゛~」という深いため息につぐ言葉は「疲れた~」。これを連発。
お米を研ぐことでさえも疲れてしまって、台所にも立てない。

自分で自分が分からなくなっているのは気づいているけど、どうやっても自分の中心に戻れない。
私が何を望んでいて、何をしたいのかが分からない。
夢ってなんだ?新年の抱負ってなんだ??

外側の人々が眩しい。羨ましい。
完全にネガティブモード。
瞑想が迷走になっててね。こりゃこりゃですよ。使いものにならん!

てへへ・・・(笑)。ここまでが私に正月明け起こっていたこと。

そこで、この一連の現実、現象を振り返ってみた私の見解を。

ネガティブモードの原因は冷凍マグロになったこと。
冷えについては巷で諸説言われていますが、やはり体にかなりの影響を及ぼしていた気がします。
冷えた体は硬直する。そして思考も一緒に固まってしまうのではないか。ここは推察。

先日の記事で「風呂上りにすぐに着替えないと、邪な魔が入り込んで風邪をひいたらいけない」と書いた。邪とか言っちゃ悪いけど、魔とか言っちゃわるいけど、まんまと母親が私のなかに入ってた。
私にとって最大のパワーパーソンの母親が、私のなかに入り込んでいたのだ。私の中心に母親がどっかりと。

そして、すっかり私は私を忘れてしまった。

神戸に戻ってからは足湯を再開。でもでも、まったくちっとも温まらない。
いつも15分程バケツに足をつっこめば、お湯に浸かってる足首が赤くなるのだけど、まったく全然もれなくならない。肌色のまま。熱湯を継ぎ足してもまったく温まらない。
結局カラダ全身を温めて緩ませないとどうにもならないと思って、数日前に近所の温泉に行きました。
神戸に戻った直後、すぐに温泉だ!と思い浮かんでいたんだけど、うるさい思考が行くのを止めてしまっていた。もう思考の奴隷。

温泉で、大きな湯船のたっぷりの温かいお湯に浸かって「あ~っ!」って声を出しちゃう。
すっごく良かった!
たっぷり2時間程いろんな湯に入って楽しんだら、すっかり体が緩んだ。
体の芯を温めるべくサウナに入ったりもした。塩サウナ良かったな。
体の隅々まで解凍された感じ。
本当に温めるって大事。

ようやく元気になって、こうしてブログが書けるようになった。
完全に復調するにはもうちょっと時間がかかりそうなんで、騒がしい思考は脇に置きつつ、もう少しゆるりと休もうと思います。

今回の出来事はちょっとトラウマになりそう(笑)。
冷凍マグロになると危険だぞ!ということを知れた貴重な体験でした。

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