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【極寒報告】実家in埼玉 そして大晦日

いよいよ2021年があと1時間で終わる大晦日に書きあげたお話です。

私は12月25日から埼玉の実家に戻ってました。26日が父親の33回忌法要が行われたため、例年より少し早く実家に帰省です。

2020年の年末は発令されていた緊急事態宣言…を名目にしてお正月の帰省をしなかったので、今年は2年振りに実家でお正月を迎えました。

昨年帰省を取りやめたのは当日の出発直前のこと。夜7時過ぎの神戸空港発→羽田行きに乗る予定で三宮まで電車に乗って…。三宮到着。
そこで「帰るの止める!」と言って自宅に引き返したのでした。私を待っている母親には、空港まで行く途中で具合が悪くなったと電話して。
たしかにうっすら頭痛が……。
万一、私が例の病いに罹って、高齢の母にうつしてしまっては大事になるのでという理由を伝えた。

今年の私は断る理由がない。
そもそも父親の法事もあるし。

さてさて、なぜ私が実家に戻りたくないのか?
それはタイトルにある通りでございます。

実家は寒いのでございます。普通の寒さではない。ここは半分お外なのか??と疑うほど。
私が実家に住んでいた頃はこんなんじゃなかったぞ!

まず、実家では暖房器具が働いてない。
エアコンはあるが故障中(母によると、突然水が漏れて、それ以来怖くて電源を入れられないとのこと)らしい。ガスヒーターがあった…はず……だが、姿が見えない。たぶん物置。ヒーター用のガス栓は固く閉ざされている。
一畳程の電気カーペットがあったが、数年前に神戸の我が家に送られてきていて、実家にはない。
暖房費を気にして、暖房しないのだそうだ。シンプル!(どこぞの誰かも数年前そんなことをしていたな。血は争えないものだ。思考回路がひじょ~によく似ている。)
暖房器具が働いていないのではなく、働かせる気がないのだ……。

古い団地の一階は、床下から突き上げてくるような冷え込みというのか冷えあがりがすごい!古いので畳敷き。私が知る数年前は居間に絨毯が敷かれていたはず…が、なくなっている。一昨年の梅雨時期に湿気ってカビだかダニだかが発生したので捨てたのだそうだ。それ以来絨毯は敷かないことにしたらしい。
いまは畳の敷物がペラりと畳の上に乗っている。
茣蓙(ござ)か?

いやぁ~底冷えが半端ない。
分厚い座布団がかろうじて直接の冷え上げを防いでくれている。

しかも私が帰省直後から寒波襲来。追い打ちをかけてくる。
「戦後のバラックで生活していた頃のことを考えれば我慢ができる。今の人は我慢できないでしょう。」と母は得々と語る。

それを言われれば何も言えねぇ。
70年以上前の話をされてもさ。もう時代が遡りすぎてるよ。
否応なしに、悠久の時を超えた忍耐を目の当たりにしながら、同じ空間でその我慢を甘んじて受けることになる。
だから真冬の帰省は嫌なんだ!

しか~し、3日もいると慣れてくるから人間て不思議。順応するのだ。
数年前、私が貧乏こじらせて栄養状態もよろしくなかったときに帰省した際も寒かった。当時はエアコンさんもガスヒーターさんも元気に営業してました。夜間営業のみだったけど。
そして中学生以来の”しもやけ”になった。

実家の冬は本当に厳しい。
部屋の寒さはヒーター有無だけではない。
我が家の窓はサッシなので気密性は一応ある。
だが、そこが母は嫌なのだ。
冬になると結露で窓がぐっしょり濡れるのがたまらなく嫌らしい。
毎朝窓の拭き掃除を高齢の母がするのは負担なのと、濡れることでカビの原因になるのはもっと嫌なのだ。だから、窓の上にある小窓は全開、フルオープン。すべての部屋の小窓がフルオープン。ゆえに隙間風というのか?普通に風がビュービュー家の中を吹き荒れている。

私の部屋だったところは今は納戸と化しているが、北側で窓が大きく東と北にあるので寒さは半端ない。零下です。吐息が白いもん。当然小窓は空いている。朝の瞑想で使わせてもらうので、さすがに閉めたけど。瞑想してると修行僧の気分が味わえます。

という事情もあって、今回は防寒対策を入念にしてきた。
ひざ掛け毛布も2枚持参。

私はいったい何枚重ね着をしているのだろう。
①まず下着、ブラトップ的なランニングを着ます。お腹にまず一枚巻かれます。ブラジャーの時はその上にランニング。ブラジャーの上にババシャツだとお腹周りが一枚少なくて寒い。
②ランニングの上にババシャツ。これもハイネックのもの。
③そしてハイネックのTシャツ。無印のハイネックを今季は愛用。
④その上に分厚いセーター。
まだ着るぞ。
⑤その上にフリース。ユニクロで買ったMen’sのフリース。
これでだいぶ暖かい。
⑥そしてネックウォーマー。
場合によってはセーターの代わりにライトダウンを着用。
ここまですると上半身対策は、功を奏して今のところ無事。

だが、足元だけは甘かった。。。 
ユニクロMen’sの暖パンの下にニットのレギンス。股引ともいう。
そして、靴下。
その上に膝まであるロングソックス。
その上に厚手の靴下を。
普通はこれで万端。しかし、全く効果なし。ツンツンに冷たい。

神戸にいるときは毎日足湯を15分して冷え対策をしていたが、その効果効能はまったく効かぬ。足湯なんて甘い甘い。すぐ冷たくなる。
今季初登場、持参した湯たんぽを足元に当てても効果は薄い。

お風呂に入るときは、毎日私はマグロになる。冷凍マグロが解凍されるときってこんな気分なんだろうな。足のつま先があまりの冷たさでお湯に浸かると痛いのだ。風呂ギライな私が率先して入るのだから異常だ。
もう体全身をバスタブに漬け込むのだ。漬けに漬けて漬け込むので、お風呂の追い炊き機能を3回プッシュする。風呂蓋をして首だけバスタブから出ている。なんだろうこの光景。首だけ出して本当に漬けこまれている感じだ。お風呂には大きな窓がある。実家で窓といえば、そう!空いている。全開、フルオープン。下開き窓なので外からは見えないが、フルオープンがお湯の温度をどんどん奪っていくのだ。

窓を閉めればいいのだけど、湯気がたまって壁がカビるのを嫌う母は開けておく主義なのだ。私が入るときに閉めて、出るときに開ければいいのだが、忘れっぽい私は開け忘れ(締め忘れというのはよく聞くが)てしまい、翌朝母親に叱られる。
叱られたくないので開けて入ることにしています。おいおい!
本当に追い炊き機能様様よ。
北側にあるお風呂は温まらないお風呂です。暖かいのはバスタブの中だけなのだ。

お風呂から出たら速攻で服を着ないと危険です。
ちょっと気を抜くと冷えという邪な魔がスッと入ってきますからね。
風邪をひいたら大変だ!

そして、もう一つ寒さスペシャルなのがトイレ。
トイレは網走監獄の便所を想起させる。実際のところは知らんけど。
なんでか知らないけど入居した時から便器の蓋がなかった。洋式で蓋がないと美しくない。洒落た電気の通った便座なんてもんはない。しかも便座カバーもしていない。トイレは一番冷えている。
小窓はもちろんフルオープン。
便座がとんでもなく冷たい。尿意が引っ込む。一瞬どっかに吹っ飛ぶ。
当たり前に便座カバーという不潔になりやすい(母の持論)ものはしない。
なので、お尻を出した瞬間寒いのはまだしも、便座に腰を下ろすのに工夫が必要となる。
まず、両手を便座に置く。その両手の上にお尻を載せて座っていくのだ。幾分私の体温を感じるほうが直接便座よりは良い。座ってしまえば慣れるので両手を外す。その手は冷たい。そして用を足す。
いやぁ~なかなかなもんです。冷たくなったお手ては、お湯で洗う。しばしお湯に流されている手がほっとする。
お湯が出るってありがたいよねぇ。


そんな所で、しくじったエピソードを2つ。
私は母の隣に布団を敷いて並んで寝ています。私の部屋だったところは納戸になっているもんで。寝てる頭の先にベランダの窓がある。
年寄りは寝るのが早く、当然私のほうが寝るのが遅い。
埼玉2日目の深夜1時。
母が目を覚まし、「なんかすごい寒いねぇ。やっぱり窓の小窓を閉めてくれる?」と頼まれた。ちょうど寝る間際の私は小窓を閉めようとベランダの窓に立った。

……なんと小窓じゃなくてベランダの窓が10センチ程開いていた。

えぇ~~~っ!これ昨日からじゃない?
実は前の晩、頭のほうから冷え込んで、なんだかスースー風が通っていた。寒くて頭痛がしたほどだ。思い返せばどうりで寒いはずだよ。
小窓じゃなくてベランダの窓が開いてるなんて不用心だし。なんかいろいろ危険。
翌日からはネックウォーマーをして寝ることにした。


そして翌日、布団が暖かくなるから干すといいよ、という温かいお言葉を母より授かる。日当たりがよい南向きのベランダにお布団を干した。そのあと私は近所の友人宅へ遊びに行ってしまい、すっかりお布団のことを忘れる。
だいたい午後1時半から2時頃取り込めば十分膨らんで温かい。几帳面な母はたいてい少し早めに取り込むので、布団をほったらかしても大丈夫のはず。

私は夕方5時頃帰宅。家には誰もいない。留守だ。
母は買い物に出たらしい。
当然布団は取り込まれている。
と、思いきや……暗がりのベランダで寂しそうに冷たい風にさらされていた。
違う意味で干されていた。
すっかり冷たい。

温かいお布団に包まれて眠るはずが、ひんやりしたお布団でこれでもかとクールにコールドに包まれて眠ることに。
オ~かみよ!
湯たんぽ入れて温めて、お風呂から出たら即Go to Futon~!なのでした。

いやいや笑える。

母は毎日、寒い寒いと亀の甲羅のように背中を丸め、小さな頭をひょっこり出している。後ろから見たら本当に動かない亀だ。
体中ホカロンを貼って防寒している。じつは暖房の電気代のほうが安いんじゃないか⁈と、うすうす母もそれに気づいているもよう。
もう我慢大会は退会してもいいんでないかい?

いま私は室内で帽子をかぶっている。耳をすっぽり覆ってね。
なんだろう、家の中にいながらお外な感覚。不思議。

ただ母は「やっぱり家に一人人間が増えると暖かいもんだね。」と嬉しそうに言ってる。
………微妙。

室内温度計は9℃を指している。
……人間の感覚は分からん。



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