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Webライターも持つべき!『記者ハンドブック』をWebライティングに活用するちょっとしたコツなど

先日、改訂14版が発売された『記者ハンドブック』。品薄になっていてAmazonではとんでもない金額で転売されているようですが、定価は税込2,090円です。出版元の共同通信社によると今月末には第二刷が販売予定ということなので、転売で買う必要はありません。

記者ハンドブックとは?

記者ハンドブックとは新聞記事の表記ルールをまとめたものであり、これを見れば文章がうまくなるわけではありません。

「この場合って『生かす』が正しいんだっけ、『活かす』だっけ?」とか「ソフトウエア?ソフトウェア?どっち?!」とか、漢字の使い分けやカナ表記、送り仮名など表記に迷うこと、ありますよね。そういった時に参考にするのが記者ハンドブックです。

とは言え、あくまでも新聞記事の表記ルールなので、Webライティングの際に全てこれに従わなければいけないというものでもありません。例えば「ソフトウエア」か「ソフトウェア」かという問題は、記者ハンドブックでは前者となっており、新聞ではそのように表記しますが、コンピュータ系の雑誌やWebサイトでは後者が一般的です。

記者ハンドブックをどう使うのか

全て従うべきものでもない、と先述しましたが、間違いをすぐに修正できるWebサイトと異なり、新聞や雑誌などの出版物は印刷してしまうと後戻りができません。

そのため、新聞や雑誌などはWebサイトよりも厳しい校正校閲を経て出版されますから、一般的にWebサイトの記事よりも信頼性が高いと言えます。(もちろん誤報もありますが……。)

そういった信頼性の高い出版物に使われている表記ルールですから、このハンドブックに載っている表記を一般的に「正しい」表記として扱うことができるのはとても助かります。

特にクライアント側から表記ルールの提示がない時、表記に迷ったらどうしますか?自分の感覚で選択しますか?それとも記者ハンドブックに沿った表記を選択しますか?

どちらにしても記者ハンドブックがあれば、「今回は記者ハンドブックに沿った表記としています」「記者ハンドブックではこういった表記ルールですが、コンピュータ系の雑誌などでは一般的にこのように記載するので今回は後者を採用しています」と根拠を明確にした上で提出できます。

ライターとして仕事をするなら、使う言い回しや表記など、なぜこの言葉を使ったのかという根拠を説明できるようにしておくべきだと私は思っているのですが、そのためにとても役立つのがこの記者ハンドブックなのです。

第14版『記者ハンドブック』の特徴

今回は6年ぶりの改訂ということで大きく変わったのが「ジェンダー平等への配慮」という項が追加されたことです。

6年前に比べて意識が高まったということなのかなー、と世界各国の男女格差を測るジェンダーギャップ指数のランキングを見てみたら、2016年の日本のジェンダーギャップ指数ランキングは144か国中111位、2021年は順位は156か国中120位だそうで。あんまり変わってませんね。
私は何でもかんでも差別やハラスメントにして炎上する昨今の風潮はあまり好きではありませんが、不当な格差はなくなるといいなあと思っています。

一冊あると便利な記者ハンドブック

新聞における表記ルールを示した『記者ハンドブック』は、Webライターも一冊持っておくべきだと思います。ただし、これに従っておけばいい!というものではありません。
執筆するWebサイトごとの表記ルールを優先すべき時もあると思います。
一つの指針として手元に置いておくといいですね。


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