民間の方からの突然の依頼について(試案)

以前、民間企業の方とお話をしたときに、「自治体の方と一緒に仕事をしたいときに、どうやって話を持っていったら良いのか教えてほしい」というお話を伺ったことがありました。

私の部署では頻繁にあるわけではないのですが、たまにそういう機会もあり、特にここ最近、少しもやもやしたことがあったので、私が感じた「こちらがお受けしやすい依頼のされ方」について書かせていただければと思います。

※なお、これは私の所属する組織の意見や、ましてや自治体職員全体の意見では決してなく、あくまでも個人としての意見であることを申し添えておきます。

※また、想定するシチュエーションが、「民間企業のかたの方から、自治体と積極的にコラボしたいと思ってくださったとき」なので、「常に民間から話を持ってくるべきだ」といった類いの、上からの視点でも決してありませんので、ご理解いただけますと幸いです。

1 担当している部署の業務内容に適合している
これは当たり前だろうと思うのですが、意外とそうでもないことも。

名刺交換して、少しでも突破口があると思うや否や勢いで業務メールアドレスや職場に電話してくる方。
何とかしてあげたくても、如何ともしがたいのが正直なところです。

「うちは○○の直接の担当ではないから○○課を当たってください」以外言うことができません。

少しホームページをご覧いただければ、担当する職務がどの範囲かはなんとなく分かりそうなものですが…。

2 わが社にとってのメリット(=市民にとってのメリット)が具体的に説明されている
やはり市民の税金で事業を行うので、市民への直接のメリットが感じられないものに対して手を出そうと思いません。

3 背景となる知識や実績が分かりやすく説明されている
これは自治体かどうかは関係ないと思いますが、何の事業かが上司に具体的に説明できないと厳しい。

4 貴社と組む正当な理由が説明されている
自治体は、良くも悪くも公平性を大変重んじるので、ノリで選ぶすることはまずないです。
特定の業者を選定する仕組みもありますが、それにはいろいろな条件やきちんとした正当な理由の説明が必要です。

5 あまり急すぎる締め切りを設けない
たまに一週間以内に答えを出せ、というものもありますが、かなり難しいです。
ものにもよりますが、色々上に諮る手順がありますし、それに加えて他の業務に忙殺されているとなると…。

あまりにも急すぎると「これは無理だね」と、依頼自体を無視する人も最悪出てくるかもしれません。

6 相手とある程度の交流を重ねている
とはいえ、最後は依頼を受け取った職員がどのくらい頑張って動くか、というところにかかっている部分もあります。

それには、自分から上司や関係部署に説明をしていくという厄介なプロセスも出てきます。

初対面でちょっと会話して名刺交換しただけの方に、そこまでの労力を割けるとしたら、その業務自体が誰の目から見ても明らかに魅力ある場合くらいなのでは(そんなことは滅多にない)と思います。

まずはSNS等で繋がって個人的に何度かイベントで顔を合わせて交流を重ねて、相手の人となりや想いを知ることができれば、直接のコラボは無理だとしても「じゃあ○○課の○○さんを紹介しますね」とか「うちは厳しいけど、○○市はどうでしょう?」という話につなげられる可能性はあると思うのです。

初対面の方から、担当業務外の内容の業務メールをいきなり送られて職場に電話されて、業務の説明も数行程度で、来週の何日の何時に話をさせろ、と言われても、「ごめんなさい、うちは無理です」としか言いようがないのです。

これらに共通するのが、相手側がそれを受け取ったことを想定したときの「配慮のなさ」「想像力の欠如」なのかなぁと感じます。

当たり前ですが、民間だろうが公だろうが、相手の事情を慮る気持ちがあって始めて良いビジネスパートナーになることができるのではないでしょうか。

これは、もちろん私たち側も同じことです。
今回の自分のメモを、今後の自分の相手への関わり方の参考にしよう。

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