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毛利元就(もうりもとなり)と千足のわらじ(その2 全3回)

武田光和のいる銀山城は400メートルもある山の上にあったのさ。それは険しい山と川に囲まれているから攻めて行くのは難しいお城だったんだ。それに武田軍では少し前に光和は亡くなってしまって次のお殿様は誰にするかでもめていたんだね。なので元就にしたらちょうどいい時期だったよ。リーダーのお殿様がいないのだからチャンスだったよ。戦いを仕掛けたら必ず勝てるようにと作戦を立てて行ったんだ。

「急ぎ千足のわらじを作らせろ」

元就はこんな命令を出したんだって。家来たちは千足ものわらじをどうするかと思っていたよ。早速村人たちはワラをたたいてたたいて大急ぎで千足のわらじを作り上げていったんだ。わらじってね、ひもで結んではくワラで作ったはきものの事を言うんだよ。ワラってね、ほら、お米を作る稲や麦なんかの長い茎を干したものを言うのさ。もちろん、お米や麦を取った後の物だよ。そのワラをちょっぴり濡らしてから、木でトントンたたいてやわらかくしてそれを指でギュッギュッと固くんでいくのさ。ビーチサンダルに似ているよ。

銀山城は山のてっぺんにあって、大手門の下には太田川が流れていたよ。大手門とはお城の正面にある門のことを言うよ。銀山城からはその川がよく見えたさ。

元就たちはその太田川の上流に登って行ったよ。そして真夜中にわらじに油を染み込ませたんだ。そうしてわらじのひとつひとつに火を着けると太田川へと流していったんだ。千足のわらじが次々と明るく燃えながら下流へと流されて行く。銀山城の大手門の方へと流れて行く。

今日はここまで!読んでくれてありがとう。いよいよ明日は最終回。お楽しみに!お休み、ポン!

#日本史 #戦国時代 #毛利元就

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