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【調べ物】ラストワンマイル(解決編①:物流分野)

■ ラストワンマイル問題をどうやって解決しているのか

 前回記事で取り上げたラストワンマイル問題ですが、今日はそれらの問題に対する解決策を調べていきます。前回の記事で取り上げた分野は、以下の6分野でした。

(1) 物流
(2) 電気
(3) 公共交通機関
(4) 小売(SKU)
(5) 血管
(6) 組織

 ただ解決策を調べるうちに少しジャンルをまとめた方が良いような気がしたので、以下の3カテゴリで行きたいと思います。今日は(1)物流分野におけるラストワンマイル対策を紹介します。

(1) 物流(配送・小売り)
(2) 限界集落(電気・交通・公共サービス)
(3) その他(血管・組織)

1.宅配ボックス

 物流分野で1番オーソドックスな対策が宅配ボックスのようです。要するに配達員と受取人の両方の予定が合わないと受け取れない時間の制約を和らげて、受け取り確率を上げようという試みのようです。マンションにデフォルトで導入されているものもあれば、企業側から設置する場合もあるようです。

2.店舗受け取りサービス

 これも宅配ボックスと同じような考え方ですが、自宅まで届けなくても最寄りのコンビニや店舗などで受け取れるサービスです。時間の制約に加えてエリア内の個別住所までの配送の手間(まさに『ラストワンマイル』)を解消しています。

3.ドローン配送

 新技術を使って解消しようという試みです。玄関前に置く形であれば人間じゃなくてもいけるんじゃないの?という話です。Amazonは2017年からPrime airとしてドローン配送サービスを開始しているようです。日本でも待ち遠しいですね。

4.配達員募集

 いわゆるUber eatsです。これは配達員を一般から募集して増やすことでラストワンマイルを解消するサービス。ドローンの場合は配達を機械にやらせる形ですが、この仕組みは一般人が行うため、日本では配達員の保険や労働者の権利などの雇用の問題が取り上げられていますね。

5.物流センター強化

 配送にかかるリードタイムを減らすには、配達の段階ではなく物流センターの強化も効果があります。これまで最寄りの配送センターへ届くのに2日かかっていたのが1日に短縮されれば、その1日を使って各自宅まで配送できるので、ラストワンマイルの解消にも繋がりますね。ユニクロは大和ハウスと共同で有明に物流拠点を整備して、ほぼ無人で稼働する状態を運用しているようです。

 中国では国土も人口も日本の10倍以上なので、個別配送もワンマイルどころではない距離を配送しなければならないでしょう。(最寄りの配送拠点が100km先のようなこともあるんじゃないかと思います。)アリババを中心にEC化が急激に進んでおり、日本の100倍以上のオーダーの物流を扱っていると思います。そんな中国の配送センターのムービーです。配送効率を最適化するために機械で自動化されています。見ているだけできれい。

6.予測配送

 配送の効率化として、Amazonでは注文されそうな商品を近くの配送センターまで運んでおくという仕組みが動いているようです。なるほど、これは早そうですね。個人のECの購買履歴があればその人が注文しそうな商品が事前に予測できるということですね。理屈は分かりますが実際に回しているのは凄いですね。

7.静脈物流

 これは視点として新しかったのですが、店頭で売れ残ったものやECで不良品・自分に合わなかったモノを返品する「静脈物流」という流れがあるようです。配達でも返品でも配達する人が同じであれば、静脈物流を減らすことで配送効率を上がり、ラストワンマイル問題の解消にも使えそうですね。

おわりに

 物流分野ですが、やはりこの分野はラストワンマイルへの対応が課題である一方で差別化要因にもなっているので、各社が力を入れており各所で進んでいる印象を受けます。色んな切り口からラストワンマイル問題への対策があり面白いですね。

【参考資料】


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