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丁寧に扱う、ものも、自分も。

一番下の娘は3歳になったところ。

全てのことが初めてで、全てのことが彼女にとっては新しいもの。その姿を見て、幾つになっても全てが大切で、全てが丁寧に扱うべきものだと気付かされた話です。

上の子二人が小さい時は、フルタイムの共働きで毎日12時間くらい保育園に見てもらっていました。たくさんの写真や動画はあるものの、成長の過程を思い出せることは少ないです。保育園には本当に感謝感謝で、トイトレも箸トレも、ほとんどお任せでできるようになってくれました。

もっとそばで成長を見守りたかったな、と少し寂しい思いをしていたところの三番目。
仕事は低迷しているので昔と比べていいか悪いかは微妙ではありますが、子のそばにいられる時間は増えたのでよく観察できて楽しい日々です。

小さい生き物を持つようにものを持つ

ついこの間立って歩き、よく喋るようになったと思ったら、もう手や指を器用に使えるようになってきました。お箸も使うし、配膳も手伝ってくれます。

「子供のものは基本壊れるので安全のために割れないもので」という定説をその通りと思って遵守していましたが、上の子に

「ガラスのコップのお水の方が美味しい」

と言われて、確かに器の材質で美味しさって変わるよね!と気づき、三番目は初めから大人と同じ器を使うようにしていました。

持ってきてと頼んだものは全部丁寧に持ってきてくれる三番目なので、器のおかげかはわかりませんが「危ないからぶつからないようにね」「持つ時はゆっくり両手でね」と言っただけで理解して丁寧に扱ってくれます。

配膳も一つ一つ小さいものをゆっくりですが、丁寧に両手で手伝ってくれます。全てにおいてハムスターでも抱っこしているかのよう。そーっと持ってねと話すと、めっちゃ歩みが遅くなるのが追加されます。

愛しいな〜と思うし、持っているものから持っている本人に至るまで、全てが守るべきものだなと感じます。

育て方とはこのことか

三番目だけでなく、上の子達も昔はそうだったのかもしれない。

今や買った時は高級な携帯も慣れてしまえばボンボン投げてしまうし、どこに置いたかもわからなくもなるし、ものが落ちていても踏んだり、自分のものでもないのにぞんざいに扱ったりします。まじ雷案件。

でもそれって、私たち親のせい?

親の行動を見て模倣するのが子供。昔は手も小さいし初めて触るものが多かったろうし、どういう風に扱えばいいものなのかを知らないうちはゆっくり丁寧に触っていたかもしれません。

忙しさにかまけて、丁寧さではなくただ早く早く!と追い立てていた気がします。

親も育つしかない

そう思うと、自分こそ忙しいと物を大切にする気持ちなんて全然なくなっていて。物はもとい手の先・足の先まで意識が向かないから小指もぶつけるし、急いで洗うからお皿洗いも荒くて欠けるし、それも平気で使って指を切ったりもするし。

忙しぶって、やらなきゃならないことや時間に追われてるみたいに、自分のことは後回しにしながら何かを(多分家族を)直接ではなく遠巻きに守る、みたいなことが、親になることだと思ってました。特にお母さんは、家庭を保持するためにやたらと動き、家庭の環境を守るために命かけてて、めちゃくちゃ口うるさいものだと思ってました。

でも子の姿を見てハッとしたんです。

小さい背中が、自分の手の中に収まるものを両手で丁寧に大切に運ぶのを見て、これを消しちゃダメなんだと。
これがもしかして、自己肯定感?目の前にある幸せ?みたいなヤツの原型なのかも、と。本来はあったし知っていた、上の子達にも元から備わっていた幸せのタネを、取り上げてしまったのかも?

急がせたり、片付けろって怒鳴るんじゃなくて、大切にすることを教えていたら、踏んだりしないし元の場所に戻すまでもしっかりやったんじゃないのかなって。ものでも人でも大切にする心を持っていたら、人に愛されるし、自分も好きな人たちに囲まれてもっと幸せになるんじゃないかなって。


社会とか人とのつながりとか、お金とかのしがらみの中から学び、そして親の背中を見ることによって色濃く存在感が増していく、無駄な焦りや虚無感。大人になって幸せってなんだっけ、とか思ってしまうのは、自分とその半径50cmくらいのものを丁寧に扱ってこなかったから?

子供達に関しても、いいところを伸ばすとか見つけるとか言いながら、潰してしまっていたのかもしれないと思うと、本当に申し訳ない気持ちになります。

でも、でも、今からでも遅くないはず。

丁寧に触る、大切に思う

丁寧に扱う。大切に思う。

そのためにまずは子供たちを、そして自分も、丁寧に宝物みたいに扱う。そして、自分よりも上でも下でもなく、他人の大切にしているものも、同じように丁寧に扱う。

両手で、ゆっくり。両目で、しっかり。

それと、時間の余裕も欲しいところ。忙しい、急いでいると結局丁寧なんて思ってられないですもんね。

子供に「大切」のやり方を学んで一つ賢くなったかもな、と思った今週でした。





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