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七隈線延伸からまもなく1ヶ月を迎えるにあたって(バスの視点から)

2023年3月27日。福岡市地下鉄の七隈線の天神南〜博多間が延伸開業した。延伸開業によって利便性は格段に向上した。

その一方、西鉄ではこの七隈線の延伸開業に先立ち、3月25日、福岡地区の路線バスのダイヤ改正が実施された。
そこで今回は、バスの視点から…とりあえず書いてみることにした次第。あくまでも趣味としての見解ですから、その辺は大目に。

今回のバスのダイヤ改正では路線の廃止や減便など…バスの利用者からすればいろいろ意見はあっただろう。
バスのダイヤ改正ならびに七隈線の延伸から1ヶ月を迎えるのを前に、西鉄は4月21日の記者会見で、博多駅や薬院駅などで15%〜20%減った一方で、郊外の野芥駅や次郎丸駅では15%〜20%増えたことを明らかにした。
「そりゃそうだ!」と言いたくなるけど、西鉄はそれでも「想定通り」ときっぱり(言い切ったといってもいいのだろうかねぇ…)。

まず、今回のバスのダイヤ改正において、都市部では「キャナルシティライン」が廃止されたことに触れておこう。
もともとこの路線は2018年のダイヤ改正で「100円循環バス」を廃止、それと同時に運行区間を再編し、「キャナルシティライン」として新たに運行を開始したのがはじまりだった。
それまで福岡オープントップバスしか見られなかった福岡市役所の東側の道路(市役所通り)を路線バスが通るというのも、見ていて新鮮だった。
この路線の欠点ともいえるのが、博多駅〜キャナルシティ博多間において、住吉通り〜こくてつ通りを通るという点が挙げられる。博多駅前通りを直進するよりも迂回する形になっていたのだ。そこで時間がかかっていたのもまたネックだったかもしれない。最悪の場合、博多駅前通りを自分の足で走ったほうが早そうだったし、七隈線(博多〜櫛田神社前)はわずか1分…バスに勝ち目はありません。

こくてつ通りを通る「キャナルシティライン」。
博多営業所所属のバスには独自のロゴマーク「CANAL CITY LINE BUS」がつけられていました。

さて、都市部でバスの利用者が減った一方で、郊外の野芥駅や次郎丸駅からのバス利用者が増えたという点にも触れておきます。
そのうち、野芥駅を例にとる。野芥駅は、国道263号線と外環状道路が交差するところに位置していて、バス停は駅の目の前にあって、国道263号線経由で飯倉や早良方面に向かうバスに乗り継ぐには大変便利です。
今回のバスのダイヤ改正で、3番特別快速・快速系統の昼間時間帯の運行がなくなり、各停系統のみとなった(実質的に減便)。昼間時間帯のバスの乗車時間が延びることも懸念していたのだが。
もしかしたら、野芥駅で七隈線とバスの交互をうまく乗り継ぐ人がいるのではないだろうか。3番のほか、17番200番もある。200番には快速系統もあり、それらのバス利用が増えた要因かもしれない。まあ、知らんけど。

2005年に撮影した、巻取り式の方向幕時代の3番特別快速系統。
当時、特別快速や一部の都市高速経由のバスではバックが色付きで白抜き文字が使われていました。いやぁ〜懐かしい…!(写真の車両はすでに廃車されています。)

もう一つ。ファン的に興味深いのは、ダイヤ改正以降も、車齢20年超※のツーステップの車両(乗降口のステップが2段になっているバスのこと)が片江営業所には複数台残っているということだろう。(※西鉄バスでは概ね車齢20年ほどで新車に置き換わるのが慣例です。)
個人的に以前から頻繁に撮影しているけど、都合よく乗る機会が実はほとんどないという…。
ちなみに、桧原営業所にもツーステップの車両は残っていたけど…すべて離脱した模様。

写真の7406は1999年式ですので、車齢24年!

この16番はかろうじて残った路線の一つ。
まあ、六本松から郊外(片江営業所)方面は油山観光道路を経由します。七隈線沿線からも逸れるため、それなりに利用者はいるしょうしね。
この写真は七隈線延伸開業後の4月に入ってから。始発の「博多駅前」のバス停にて撮影。平日の昼過ぎにしてはいつもより少ないようにも見受けられた。通勤・通学というよりは、買い物や飲食等での移動を目的とした利用でしょうけどね。

ところで、七隈線と西鉄バスの争いは今回に限ったことではない。
2005年の開業後もしばらく残っていた18番は、2009年春に廃止された。
この18番は、七隈線の直上の道路(城南線〜城南学園通り)を通り並行していたこともあり、まさしく競合路線そのものでもあった。廃止されたのもやむなしといったところだろう。

2005年に撮影した18番。この車両は2004年式で、新製配置当初は巻取式方向幕でその後LED化されました。
さらに、転属も3回。片江営業所から、吉塚営業所〜博多営業所を経て、現在は金武営業所に所属しています。

地下鉄とバスのバチバチの駆け引きは続くだろうし、今後の動きにも注視していこう。


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