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母から娘へ語り継がれる愛読書『3つの真実』のおはなし。

母は読書家である。

仕事へ行くときも1冊は必ずカバンの中に入っているし、休日もふと気付いたら読書をしている。

母の格言は「人生は学び続けること」である(と数々の母の言葉の中から私が勝手に決めた)。

単純に母は学ぶことが好きなのだ。だから大人になった今でも読書を通して常に学び続けているのだろう。

そんな母の愛読書をこのまえ貸してもらった。
タイトルは「3つの真実」。リビングや本棚、母のワークデスクなど家中の至る所で目にしていた馴染みのあるタイトルだ。

今年で20歳になった私に「そろそろ読んでいい頃だと思う」と言って母はその本を貸してくれた。

予想外

母の愛読書を推薦され、大人の仲間入りができたような気分で私は嬉しかった。

わくわくしながら1ページ目を開く。

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光沢のあるお高そうな紙が出てきた。

副題に目が行く。
「人生を変える”愛と幸せと豊かさの秘密”」・・・?

え、なんか、スケールでかい。。愛も幸せも豊かさも目に見えないものばかりが連なっているのを見て、掴みにくい抽象的な内容なのかなと思った。

目次にサラッと目を通して、ひとまず1から読んでみることにした。


それからたったの数分で、私の予想は見事に裏切られた。


まさかの、小説のような物語形式なのだ。冒頭では主人公の男性が切迫している場面から始まる。この時点でもう、一気に掴まれた。起承転結でいう「転」から物語が始まっている感じ。前に何が起こっていたのかも、どんな結末になるのかも気になって仕方なくて一気に読み進めた。

謎の老人

人生の危機に直面している主人公と、どこからともなく現れた謎の老人が語り合うことで物語は進んでいく。

そして、この老人が本のタイトルである「3つの真実」を教えてくれる人物でもある。

老人というよりかは、”線香の香りをまとった親しみやすい仙人”のようなイメージの方が近い気がする。

登場は怪しさ極まりなかったものの、老人の言葉は胸に迫るものばかりだった。

心に響いた箇所に付箋をつけながら読んでいったのだが、事前に母も付箋を貼りながら読んでいたので、読み終えると付箋だらけのカラフルな本に仕上がっていた。

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愛か怖れか

『人間の行動の動機は、突き詰めていくと愛か怖れのどちらかしかないのじゃ。』

老人の言葉の中でも、これが一番印象に残っている。

そして老人は、全ての人間の本性は「愛」であり、何もしなくても存在しているだけで「愛」に包まれていると言っている。

「怖れ」が「愛」を隠したとき、私たちは苦しむことになる。つまり、自分の中の「怖れ」に気付いて「怖れ」を認め、手放すことができれば自然と「愛」が戻ってくるということだ。

これは生きていく上で凄く役立つと思う。同時に、最近の私の疑問に答えてくれるものであった。

1つのことが上手くいくと他もトントン拍子に上手くいく。悪循環も然り。何か悪い方向に進みだすと、他のことまで停滞したり悪化したりする現象が起こるのは何故なのか疑問に思っていたのだ。

でも、この本の中に答えがあった。

「愛」を動機に行動できているときは、本性のままに動いているから上手くいくのが当たり前なのだ。反対に、「怖れ」を動機に行動していると何をするにも「怖れ」に包まれ良い結果から遠ざかるのだろう。

「第二の真実は、『人生は自分の心を映し出す鏡である』ということじゃ。これを鏡の法則とも言う」
「人生でいろいろな出来事が起きるが、それらは偶然起きるのではなく、原因があって起きておる。その原因はどこにあるかというと、その人間の心の中にあるのじゃ。つまり、心の中の状態を、鏡のように映し出したものが人生なのじゃ」 p.129

完読

母が愛読している理由が分かる気がした。
この本には、幸せに生きるための秘訣が詰まっているように思う。

最初に読み終えた当時の母は、感動のあまりもう一冊買って父にプレゼントしたらしい。

私も今、自分用が欲しいと切実に思っている。
我が家に3冊目が訪れる日も、そう遠くないのかもしれない。





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