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海鼠(ナマコ)②

実際に確かめてみたという報告があちらこちらで聞かれた。
修学旅行で沖縄に行ったのだ。

たくさんの黒いナマコが沖縄で捕獲され、歌う高校生にモギュモギュと揉みしだかれた。
口からでまかせに即興で歌いながら、テンポ良くナマコを揉み続ける女子高生たち。

溶けるのは黒くてイボイボした「シカクナマコ」という種類のナマコらしい。

海から出されたシカクナマコは、強く握られると水を吐き出し、縮んでキュッと硬くなる。
そのまま優しく揉まれていると、突然くたっと力が抜けてフニャフニャになってしまう。
しばらくすると、お尻の穴からブシュッと腸を吐き出す。
しつこく揉まれ続けていると黒い皮がずるずると溶けはじめ、からだ全体がグズグズのドロドロになっていく。

水に溶けた餅のようになったシカクナマコは、しまいには、ビタビタビタッとちぎれて、手のひらからずり落ちていくのだった。





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