野原小麦

もうずっと妖怪が好きです。 好きのきもちをもてあましてしまったとき、わたしは詩を書きは…

野原小麦

もうずっと妖怪が好きです。 好きのきもちをもてあましてしまったとき、わたしは詩を書きはじめます。 境港妖怪検定「上級」合格しました。 つぶやきびと

マガジン

  • 令和時代の妖怪日和

    妖怪をテーマに詩を書きます。

  • 蔵カフェぼっこ

    「獺魂」あるいは「獺霊」で、「うそだま」。 かわうそおばけのうそだまちゃんたちが棲んでいる「蔵カフェぼっこ」のおはなしです。

  • Kのつくカフェ

    並行Kカフェ日記

  • 過ぎし日の妖怪日和

    世紀末、過ぎし日の妖怪日和。

  • 思い出の民 せつなびと

    思い出に生きる「思い出の民」、刹那刹那を生きる「せつなびと」。彼らは同じ世界に共存している。

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Kのつくカフェ

ただのコーラなのに なぜかここで飲むコーラはうまいんだよな どうしてだろう グラスのせいかな 場所のせい? BGMの影響かしら 磁場? 霊的なものかな マスターがなにか入れてるんじゃないの? 居合わせた客たちと冗談をいいあう コーヒーやコーラで カフェインを摂取しているはずなのに なんだか眠くてたまらない 気づくとみんな眠っていた ジャズの流れる店内 洗い物の音が響いている カウンターの向こう側で マスターが顔を上げた 氷に秘密があるんですよ 気を

    • かゆみ

      きみを おもいだすと こころが かゆくなる

      • ドラキュラに十字架を見せるように オニヤンマくんを虻にかざす オニヤンマは そんなふうには飛ばないだろう 紙飛行機の持ち方で つーい と 飛ばしてみせた

        • 消したい私

          私じゃない私を アイツが持っている それが キモチワルイ 私じゃない私を 勝手に大事に 可愛がらないで アイツが閉じ込めている 私じゃない私 今すぐ 消してしまいたい

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          31本
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          13本

        記事

          中秋の名月(甘酒ソーダ)

          まんまる おつきさま きれいだね。 蔵カフェぼっこの縁側で かわうそばけるくんたちがお月見をしています。 まだ満月ではないそうですよ。 まんまるに見えるよね。 あと もうちょっとで 満月なんだけどなあ。 今日は 旧暦の8月15日。 十五夜 中秋の名月です。 蒸し暑いので 一反木綿が グラスに たっぷりの氷と 甘酒 蜂蜜レモン しょうがのスライスを入れて 炭酸水を注いでくれました。 うそぴよボンジリーヌちゃんが 大切に育てている お庭の藤袴には まだ蕾が

          中秋の名月(甘酒ソーダ)

          どんなに悲しい思い出も

          僕のことを慕ってくれた かわいい彼女との とおい記憶 ロッキングチェアの老人 揺り椅子のうたたね 彼女たちが思うほど 見苦しい思い出には なってはいないもの

          どんなに悲しい思い出も

          こめ

          こめなくても いきていけるけど こめだけでは いきていけない

          わたしのともだち

          ぼくには ともだちがいないんだ と わたしのともだちが いっている

          わたしのともだち

          しるこサンドで秋を感じる

          アイスコーヒーを注文すると しるこサンドがついてきた 個包装のやつと そうじゃないやつ 種類が違うのかな とりあえず ひとつ たべてみた さくっ ん? これは…… さつまいもの味がする うれしくなって マスターに声をかけた これって 期間限定の「さつまいも」ですよね 鹿児島県産安納芋をベースにした さつまいもあんがサンドされているやつだ カウンターの向こう側で マスターが顔を上げた 微笑んでいる それは「栗」ですよ 国産和栗ペーストを使用した 和栗風

          しるこサンドで秋を感じる

          あの夏

          あの夏を こじらせている

          産卵

          ふたたびの執行猶予 何度も 何度も 何度も追い焚きされた感情 再加熱を繰り返し 情は澱み続ける グラムいくらで量り売りできるなら 1ミリも残さず 全部たたきつけてやる アスファルトにたまる雨水 夏は終わり 行き場を失ったトンボは そのわずかな水に産卵した 水は今日の午後 干上がるだろう  

          こんなにひとりぼっち

          こんなに ひとりぼっちなのは わたしが よそのうちゅうから ひょっこり やってきたものだから

          こんなにひとりぼっち

          夜のカミキリムシ

          前方に赤信号 フロントガラスにカミキリムシ 赤い光に照らされながら カミキリムシの裏側をながめる バックライトにやられて 視界は赤く染まる 機械のような裏側 装置のような腹側 右前方に君が立つはずもなく さよならを言いそびれた 二年前の扉 この記事の見出し画像は kane/ケイン(美少女?)という事で @kane_03_ さんに撮影してもらったものを 野原小麦が加工しました。

          夜のカミキリムシ

          来ないと思っていた

          今年は もう 来ないと思っていた 秋 だって あんなに 暑かったから だけど 夏も まだ まだまだ 残っている

          来ないと思っていた

          何度も

          何度も何度も傷つきながら いくつもの恋を駆け抜けるあなたと 何度も何度も繰り返し 同じ恋の亡霊に傷ついている私は いったい どちらが 狂っているのか おそらく どちらも 狂っているのだ

          エアコン掃除に取り憑かれた女

          吹き出し口から ずるずるずるずる ずるずる ずるん なにかが ずるりと ずり落ちてきた 長いな 抜け殻か いや ちがう 身がはいっている ああ この模様 見覚えがある あれだ アルコールに漬けられた蛇 ハブ酒の瓶に詰められていた あのハブじゃないか どうりで 生臭い風が吹き出してくるわけだ 気持ちが悪い 掃除しよう エアコンの掃除をするんだ フィルターを外して ほこりを落として 溜まった汚れを拭き取ろう いますぐに掃除がしたい きれいにしたい

          エアコン掃除に取り憑かれた女