野原小麦

もうずっと妖怪が好きです。 好きのきもちをもてあましてしまったとき、わたしは詩を書きは…

野原小麦

もうずっと妖怪が好きです。 好きのきもちをもてあましてしまったとき、わたしは詩を書きはじめます。 境港妖怪検定「上級」合格しました。 つぶやきびと

マガジン

  • 過ぎし日の妖怪日和

    世紀末、過ぎし日の妖怪日和。

  • 令和時代の妖怪日和

    妖怪をテーマに詩を書きます。

  • Kのつくカフェ

    並行Kカフェ日記

  • 蔵カフェぼっこ

    「獺魂」あるいは「獺霊」で、「うそだま」。 かわうそおばけのうそだまちゃんたちが棲んでいる「蔵カフェぼっこ」のおはなしです。

  • こむぎいろずかん

    私が見つけて、私が名づけた、私だけが知っている、私だけの勝手気儘なおばけたち。私が名前をつけたけど、すべてを好きなわけじゃない。

最近の記事

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かなしみロボット

忘れられないワタシのことを ヒトはみな笑うのです どうして忘れられないのだろう ロボットだからさと ハカセは言います ロボットは永遠ではありません ボロになります しかも わりとすぐ ボロになります 人より早く ボロになります それなのに 忘れることだけできないのです 記憶を消してもらうことならできます 記憶は見えなくなりました 良かったなと ハカセは言います デモネ ハカセの記憶から 消えただけなのです まだ ここに ワタシの記憶はあるのです

    • あなたとの記憶さえも

      土砂降りの中 ふたり 自転車を漕いだ相手は あなただったろうか あれから何度も雨に濡れて その度に洗い流されてしまったから もう 何も残っていない ずぶ濡れになる私の姿を 何度も何度も振り返りながら 気にして速度を合わせ走っていたのは あなただったろうか ひどい土砂降りが今も降っているので 気配さえ洗い流されてしまって 何も思い出せない 最近では 本当に 何も感じられなくなってしまって 死んでしまった人のことを話すのは やめましょう と 私は言う

      • しょんぼりがえし

        しょんぼりさせてしまったと わたしがいちばん しょんぼりしている

        • お気に入りのカフェ

          お気に入りのマスターを お選びください お好きな常連客も もちろん お選びいたたげます 見出し画像の撮影は kane/ケイン(美少女?)という事で @kane_03_ さんにお願いしました。

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        かなしみロボット

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        • 過ぎし日の妖怪日和
          80本
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          434本
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        • こむぎいろずかん
          12本
        • 思い出の民 せつなびと
          30本

        記事

          井戸

          これは 秘密なんだけど 蔵カフェぼっこのお庭にある 古くて深い井戸の中に 時々 オオサンショウウオがやってくる 深い深い井戸だから だれにも気づかれていないけど 時々 いる どうして 井戸の中にいるのか どうやって 出入りしているのか オオサンショウウオがいることに だれも気づいていないから そんなこと しるひとは ひとりも いない

          梅雨の晴れ間

          6月の日差しに 蜘蛛の巣が流れる

          梅雨の晴れ間

          カマキリをつれてうちへかえる

          あさ 車で出発 発見 フロントガラスに カマキリの赤ちゃん カマキリは うちの庭にすんでいる おきにいりのいきもの そのまま 団地を 車で一周 うちの庭のバラの木へ かわいい ちいさい カマキリを たいせつに つれてかえる

          カマキリをつれてうちへかえる

          そのカフェの木曜日をわたしたちは知らない

          コーラに浮かんでいるのは レモンではなく 輪切りのオレンジ ホットコーヒーには ガムシロップが添えられている いつもとは なにかが違っているようだ 先週は動いていたエスカレーターが なぜか今夜は止まっていた 階段をのぼってくるときに フロアを間違えたのかもしれない 通路のつきあたりに 扉が開いていたものだから 誘われるように入り込んでしまった たぶん ここは 知らないカフェ たのんでいないのに また飲み物が運ばれてきた 透明な液体に 透明な丸い氷 飲んでしま

          そのカフェの木曜日をわたしたちは知らない

          ねないねないおばけ

          まじめなひと がんばっているひと そんなひとが だいすき ものかげから そっと みまもり おうえんしているよ こむぎいろずかん 11 「ねないねないおばけ」

          ねないねないおばけ

          そんなのつまんない

          そんなのつまんないよって わたしを馬鹿にして だるいだけじゃん なんていって 柱にもたれてる これから起こるはずの たくさんの夢のはなしを いままでみたいに きらきらおめめで聞いてくれない そこにいるのに ふてくされてる それこそ そんなの つまんない わたしのだいすきは きみのだいすきとは ちがっているのかな おもしろいこと いっしょにしたいよ それこそ わたしも ふてくされちゃって ホコリの数でも数えていよう ひとつ ふたつ みっつのあたり そっぽをむ

          そんなのつまんない

          携帯

          悔しさも 悲しさも 携えたまま 生きていたって いいでしょう

          もさっぱちゃんがやってきた

          梅雨になったので 山からおりてきました もさっぱ です よろしくね

          もさっぱちゃんがやってきた

          開店告知は密やかに

          そのカフェの開店告知は とにかく見つけづらい 知らせるつもりなんてないのではないか 疑ってしまうほど ひっそりと告知されている そんなささやかな開店告知で 必ず客がくるというのだから不思議だ 客たちは どうやって 告知を見つけているのか 実は 彼らは マスターの熱狂的支持者なのである どんなに こっそり告知されても マスターの情報に注目しているから 簡単に見つけだしてしまう 野放しにしておくのは若干危険だ そこで 熱心な愛好者たちを集めて お互いを監視させ

          開店告知は密やかに

          似た人

          あなたに似た人 そんな人は いない

          グッ巣

          だいすきなものがたまる棲家 そのなかで思い出に浸る 思い出の民 刹那刹那に 心惹かれたものを持ち帰り ため込むだけで忘れてしまう 刹那人 グッ巣のなかで ともに暮らしている こむぎいろずかん 10 「グッ巣」

          きらいでなければ

          それでいいから

          きらいでなければ