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食物アレルギー歴20年↑な自分を振り返る3 対子ども編

魚貝カニエビタコイカetcアレルギー持ちの私。
幼稚園〜小学校低学年時にどうやってアレルギーを説明していたか。同級生編。
(前回は大人編)

アレルギーを説明しよう 〜同級生の場合〜


結構楽。

ほぼ全員にとって、わたしが初「アレルギー持ちの人」だから。
アレルギーのことを0から教えてしまえばいい。ちいさい時は、食べたら危険ということだけ。後に食べたらどうなるかという話をする(例:じんましんが出たり呼吸困難になる)。花粉症の方が身近だから、そっちを先に説明したらわかりやすい(らしい)。

知ってもらえれば、給食や遠足、宿泊学習の際に細かいことを言わなくて済む。よく遊ぶ子には、こういうお菓子なら一緒に食べられるよという話をする(駄菓子の魚介率は何気に高い)。
将来、同級生たちが他のアレルギー持ちさんにあった時、「アレルギー!色々聞いたことあるぞ!」くらいの反応が出来たら重畳。

「いいな」の思い出


同級生にアレルギーだと話すと、幼稚園時代はきょとんとされた。しかし、小学校低学年くらいには「いいなぁ」と返されることが多くなった。悪意のない、無知ゆえの「いいな」だ。
"魚アレルギーってよく分からないけど、魚が食べられないらしい。食べなくても許されるんだ。"
こう考えて、魚を苦手とする子が「いいな」と言うのは自然なことだと思う。実態を知らないのだから。
当時のわたしも、もし自分にアレルギーが無くて何も知らなければ、こう思うかも……と感じていた。(においや骨が面倒と聞いたので、そのくらいしかマイナスイメージは無いのだが)

「いいな」と言われてうんざりする——こともなく、わたしはよっしゃきたっとワクワクしていた。

私「魚とか(略)のアレルギーやねん」
a「いいなぁ、おれ○○(魚料理)きらいや」
b「うちも〜お肉ばっかりがいい」
私「お寿司エビフライも食べられへんで?」
ab「えぇっそれはムリ!!

幼いわたし、この流れが大好きだった。

短いやりとりだが、それはもう誰と話してもこんな感じになる。楽しい。単純すぎよウフフ、みたいな。ひそかにほくそ笑む記憶の中の自分に、いつも笑ってしまう。(性格わるいぞ)

このやりとりでのポイントは、大半の子どもが好きそうな料理名を言うことだ。

相手は子ども(自分もだけど)。「魚アレルギー」の「魚」が何を指すかピンとこないだけだ。

あなたが嫌いなそれも魚、あなたが好きなマグロも魚。カマボコ・ちくわ・カニカマも魚で出来ている。
おにぎりにしたって、シャケやツナマヨならアウト。中身が大丈夫でも、味海苔の種類によっては魚介エキスが入っていて食べられない(※大阪のおにぎりは味付け海苔率が高いのだ)。

こうやって教えると、「あっそうか!」とわかってくれる。
じゃあこれも?と、魚製品の話題で盛り上がって結構面白い。(誰との会話かは忘れたが「ぎょにくソーセージは?」「『魚肉』」「あー!?魚やん!」というのが可愛くてまだ覚えてる)

それでも「いいなぁ」と思うかは自由として、思っていたものとは違うみたいだぞ、と認識してくれるようになった。アレルギーを知る、知ってもらう第1ステップとしては、これで充分。伝わればわたしも嬉しい。言う方も言われる方もちょろい。純粋っていいことだ。

一連のやりとりを「うまいなぁ」と褒めてくれる同級生もいて、わたしはすっかりご機嫌である。
一番上手いのは君だ。良い友人に恵まれたことに感謝したい。

幼いわたしが気付いたこと


ずっと、○○アレルギーって、スっと呼べる名前がほしかった。
でも、わたしは口下手だから、

「わたしアレルギーやねん」
「へー」

だけで、会話を終わらせてしまうかもしれない。

私「魚介エビカニタコイカアレルギーやねん」
友「なっが!もう1回言って」
私「魚と〜貝と〜エビカニタコイカ!」
友「長い長いw」
私「そうやろw」
友「寿司とか食べられへんの?」
私「そうそう。家族が寿司食べる時は、ちょっと良い肉(牛肉)買ってもらうねん」
友「ええな」
私「ええやろ」

長いから、なにそれ?と興味を持ってもらえる。
聞いてもらえるから、もっとわかりやすく、面白く話そうと思った。

自分のアレルギーに便利な呼び名があっても、それは説明のとっかかりに過ぎない。
本当に伝えたいことは、じっくり言葉を探して聞いてもらわないと。一緒に過ごす上で覚えておいてほしいこと、こういう人もいるんだよということ。

というか、そもそも、
誰もが持ってるネタではないのだから、多少内容がややこしくてもみんな聞いてくれる!
わたしは毎日楽しく元気に生きているのだから、明るくたくさん話そう。わたしも、聞いてるみんなも、その方がぜったい面白い。

名前、やっぱり一個に絞らんでもええな。

今のわたしが気付いたこと

小児の食物アレルギーは途中で食べられるようになるケースもあるが、わたしの場合は一生の付き合いと決定していた。親からは、自分1人でもアレルギーのことをしっかり口に出せるよう育ててもらい、幼い頃から伝え方を考えるようになった。
魚貝エビカニタコイカ——長いからこそ、多いからこそ、食材だけでなく注意してもらいたいことも慎重に話した。
話に飽きられたら、忘れられたら、食事の際に適当に扱われるかもしれない。自分のアレルギーがややこしいせいで、他のアレルギーの人も含めて「面倒な存在」と思われてはいけない。大人への説明で良い思い出が少ないのは、こういうストレスがあったからかもしれない。
しかし、アレルギーの説明を重ねることで、色んな質問にも答えられるようになった。どんな年齢どんな認識の人にも対応する度胸もついた。

食べ物の話がめちゃくちゃ好き!ということにも気付いた。
今こうしてnoteを書いているのも、楽しい。
ご覧の通り、めちゃくちゃ長く話してしまうし、文章での説明は上手くない。面白おかしく語るため、要勉強、要修行。

頑張っていた幼い自分に胸を張れるよう、これからも続けていこうと思う。



ちなみに……
名前探究、その後


わたし「なんとかアレルギーって名前ほしい!」
家族「シーフード」
わたし「アッ。……いやでもシーフードは海藻も、ワンチャン鯨も含まれるのでは?!」

〜検索〜

魚介類
魚介類(ぎょかいるい、英:fish and shelfish)、魚貝類、魚や貝など水産動物の総称[1]。水族(すいぞく)とも[1]。シーフードとも。魚類、貝類、エビ、カニ、タコ、イカ、ウニ、ナマコなど。
加えてコンブ・ワカメなど海藻まで含める場合は「魚介類」の範囲を越えている部分があるので水産物となる。
(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/魚介類)

わたし「ナ、ナンダッテー!!」

「魚介類アレルギー」でよかったらしい。

いや、曖昧だから、説明用には不向きなんですけどね。書類でも甲殻類〜とか結局書かないといけないから、これだけじゃ使えないんだけども。
知った時にめちゃくちゃ笑った。

(はじめての記事のタイトルで「魚介等」と略してから、noteでの表記ならこれが正解では、という気がしている)


* * *

「そもそも食物アレルギーってどんなもの?」という方は、以下の日本アレルギー学会さんのサイトを見るといいかもです。ご参考までに。

https://allergyportal.jp/knowledge/食物アレルギー/

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