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「ねこのて」のねこのてになってみて③

こころの相談室ねこのては、公認心理師や臨床心理士など、心理援助職を対象としたオンラインの相談室です。
私はねこのての「助っ人ねこのて」として活動を始めて以来、様々なことに気付きました。

これまで「心理職は孤独」「心理職は自信がない」と話してきました。さて今回はこれ。

「心理職は結構傷ついている」

一般的に心理援助職者は教育機関での専門的な教育を受けます。働くようになってからはスーパーバイズ(SV)を受けたり、教育分析やセラピーを受けたりします。
ねこのてでお会いしてきた方々の大半も、そうした研鑽をつんでこられていました。

……が。

「SVで結構辛い体験があって……」「セラピストにこんな態度をとられて……」と面接の最後の方にやっと語られる方のなんと多いこと。

SVは、第三者に外側から実践を見直してもらうことです。
バイザーが「そこはきちんと理解しないと危険だよ」ということを明確に伝えなければいけないと判断した時には、伝えるべきことをはっきりと話すことがあります。
それをプラスに受け止めて次に生かすということは心理援助職としては必要不可欠なことです。

だからといって、バイザーやセラピスト、指導者がハラスメントにつながるような指導、助言をすることは、別問題です。
どんなに冷静に俯瞰してみても、理不尽な叱責や怒りにしか感じられない指導には、傷つきます。

その傷つき体験は、その後の臨床に影響を与えがちです。
相談しようと思っても、また怒られたり注意されたりするのではないか。
そう思うと指導を受けることに対して二の足を踏んでしまい、ケースに対して迷いながら向き合うことにもなりかねません。
ひいてはそんな自分が嫌になったり、自信がなくなったりすることも少なくありません。

SVする側も受ける側も、そうした悪循環は援助職としてクライエントのために避けなければなりません。


私たち、ねこのての二人は、どちらもコンプリメントを大事にします。
その上でなぜそのような実践をするに至ったのか、どういう経緯で悲しい体験に至ったのか。
そこに至った経緯を多方向から相談者と一緒に見つめる作業をします。


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