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俯瞰

俯瞰するという言葉があります。ある物事から距離をとって、高いところから見下ろすように、広い視野をもって全体を把握することです。

日々心理職として臨床の仕事をしつつ、時々立ち止まってクライエントさんとのやりとりを検討するために事例をまとめることがあります。
学会や研究、発表会などのためにまとめることが多いのですが、まとめていくと、それまでみえなかったものがみえたり、みえているつもりだったのにみえていなかったり、といったことがわかることがあります。
さらにそれを集団や個人的指導の場で意見や助言、指導をしてもらうと、もっと多面的に事例をみることができるようになります。

心理職も事例を多方面からとらえてアセスメントし対応していく教育と訓練を受けています。それでも段々とそのアセスメントが多面的でなくなったり、偏った見方しかできなくなっていたり、迷路にはまっていったりすることはよく体験されることです。そういうときに自分でアウトプットをして、距離をもってそれをみつめなおし、さらに他者の視点で検討することはとても大事なことです。

日常でもそうだと思います。特に感情的になる場面では、目の前のことにしか目がいかなくなることが多いものです。そんなときは誰かに話をきいてもらったり、助言を受けたりすると、違ったものの見方ができて、腹が立っていたり悲しくなっていたりしていたことも、心穏やかになれたりするものです。

俯瞰する。ひとりで抱え込んではいけないというのは、心理職の仕事でも日常の生活でも同じことだと思います。


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