見出し画像

気温上昇を養生が変えられるか?

日本経済新聞 2021年8月10日の記事のまとめ
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が9日公表した報告書は、切迫する温暖化のリスクを世界につきつけた。気温上昇の加速で熱波や干ばつ、豪雨が頻発するようになる。温暖化ガス削減などの対応が遅れるほど影響は増大しかねない。一定の気温上昇を前提にした環境への適応策も重要になる。

具体的な現象
 21世紀に入り、新興国や途上国の経済成長と合わせ温暖化ガスの排出は急増しています。その具体的な例を取り上げてみたいと思います。
・山火事
 20年に大きな被害が出た米カリフォルニア州のほかロシアやカナダ、トルコ南西部などでも相次いています。
・永久凍土が溶けて地中のガスや細菌が放出されるリスク
 IPCCによると、北極圏は他の地域の2倍超のペースで温暖化が進んでいます。シベリアの20年1~6月の平均気温は、1981~2010年の同期間の平均より5度以上高かった。
・熱波による死者
 ここ18年にかけて65歳以上の人が暑さの影響で死亡する確率は55%増加した。国際労働機関(ILO)もフルタイムで働く8000万人分の労働力を「熱ストレス」で30年までに失うと分析しています。経済損失は2兆4千億ドル(約250兆円)に及ぶとの試算も。また、熱波が進むと農業や建設業は屋外で働けなくなったり、作業のスピードが著しく鈍ったりする。空調が不十分な工場でも仕事がはかどらなくなります。
・水害
 IPCCは気温が1.5度上がった場合、海面上昇や台風で世界の1億4千万人が浸水などの被害を受けると予想しています。防波堤の強化や沿岸部からの移住が必要となります。

今の現状
 IPCCは、化石燃料の削減など抜本的な対策をとらない場合、気温は21世紀末に最大5.7度も上昇すると試算しています。そうなると、影響はさらに深刻になりかねまんせん。報告書では「2050年ごろに二酸化炭素(CO2)と他の温暖化ガス排出量を大幅に削減してネットゼロにしない限り、21世紀中に1.5度と2度の両方を超える」と明記しています。実質排出ゼロにできれば、1.5度以内に抑える目標は達成できるとみています。大気中に放出済みの温暖化ガスを考慮すると、前段階として30年時点で10年比45%の削減も必要と指摘しています。しかし、世界の足並みはそろっていません。50年排出ゼロの目標で一致しているのは日米欧などの先進国が中心であるが、中国やインドなどの新興国は「先進国が途上国よりも削減を率先すべきだ」との主張から合意しない国も多い。また、日本は30年度に13年度比で46%減と掲げたが、具体策に乏しいため、達成できるかは不透明である。

企業任せの環境対策から個人中心の健康対策へ(私案)
 現在、CO2排出削減に取り組むのは企業や国である。しかし、その商品を買ったり、国を動かすのは国民であることから、国民自体が意識を変えなければいけない時期にきている。実際、温暖化の影響は、自然災害を増加させ、人を危険に追い込む。さらに、温暖化は社会構造を変化させ、新たな病気を産む可能性もある。そう考えると、最終的に被害を被るのは我々人間である。その意味では、環境を意識した生活を行うことが今後は求められると思う。
 現在、環境と健康を意識した食生活を求めるビーガンや、サスティナブルブランのアパレルが注目されています。それと同じように、環境に配慮したサスティナブルな健康法を提供する新しい健康システムがあっても良いのではないかと考えています。そこで、我々は、環境と健康を意識した新しい健康・環境プラットフォーム「Good Health Communications:GHCs」を立ち上げ、環境を意識した健康法である養生を推奨・提供する仕組みを構築しています。
 具体的にはGHCsの中で、既に開発している「YOMOGI」という体調測定アプリと連動した健康・環境システム「YOMOGI⁺」を2022年度までに立ち上げ、季節に応じた環境に優しい健康法を推奨していく仕組み(サービス)を一般の方々に提供する計画を進めています。そして、同時並行で環境を意識したサスティナブルな健康法を提供するセラピストを育成すると共に、健康と環境を意識したセラピストと患者がつながるコミュニケーションメモ(COMO)を発売予定です。
 健康は従来の健康観ではなく、社会と健康の両面に配慮した健康観に変化しつつあり、新たな局面に差し掛かっています。我々も今後は環境に配慮した新しい健康法を提供してい行ければと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?